10%の消費税ってグローバルな視点で見るとまだまだ低いって本当ですか?

ファイナンシャルフィールド / 2019年9月10日 8時30分

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2019年(令和元年)10月に日本の消費税率が10%へ引き上げられる予定です。   消費税がなかった時代を知っている人にとっては、随分と負担が大きくなったと感じるかもしれませんが、他の国・地域の消費税(付加価値税)を見てみると、日本より税率の高い国が意外と多いことに気づきます。そこで、他国と比べた日本の消費税の現状を確認してみました。  

EU各国はほとんどが税率20%前後

財務省のホームページにOECD(経済協力開発機構)やEU(欧州連合)、ASEAN(東南アジア諸国連合)+3(日中韓)の各国等の付加価値税率が載っています。付加価値税は日本の消費税と基本的に同じであり、まずは日本の消費税率をEU各国の付加価値税率と比べてみました。
 
グラフに記載の税率は2019年1月現在のものですが、日本のみ先取りして2019年10月以降の消費税率を載せています。日本は消費税率が10%の場合、そのうち2.2%が地方消費税分で、軽減税率8%の場合は1.76%が地方消費税分となっています。
 
グラフでは各国の税率がグレーとオレンジ(日本のみブルーとブラック)の2色になっていますが、2色の合計が標準税率で、オレンジのみ(日本はブルーのみ)が食料品に対する適用税率を表しています。
 
付加価値税率(標準税率及び食料品に対する適用税率)の国際比較1

資料:財務省
 
EU各国の税率はどこも日本よりかなり高く、ドイツは19%、フランスやイギリスは20%で日本のちょうど2倍、財政状況が厳しいギリシャは24%です。最も高いハンガリーは27%にもなり、最も低いルクセンブルクでも17%となっているので、日本はEU各国の税率と比べたら、10%に引き上げられてもまだかなり低率といえます。
 
食料品に対する適用税率を見ると、かなり低い税率を適用している国もあるため、国による差が非常に大きくなっています。
 
適用税率が高いのはデンマークの25%やラトビアとリトアニアの21%で、食料品に対して税率を軽減していません。適用税率が低いのはアイルランドとイギリスとマルタで、食料品に対しては0%となっています。
 
イギリスでは食料品以外に新聞・雑誌・書籍・医薬品・居住用建物の建築等も税率は0%で、家庭用燃料や電力は5%です。普通の生活をするだけなら、標準税率は20%でもあまり負担を感じずに済みそうです。
 

台湾は税率5%、中国は16%

次にEU以外のOECD加盟国やASEAN+3の税率をグラフにまとめてみました。アメリカを載せていませんが、アメリカでは売買取引への課税として、付加価値税ではなく州や郡市によって小売売上税(地方税)が課せられています。
 
例えばニューヨーク市は、州と市の合計で8.875%の税が課せられています。カナダの付加価値税は表に記載の連邦税だけでなく、多くの州で州税も課せられています。例えばオンタリオ州では8%となっています。
 
ASEAN加盟国でグラフに載っていないマレーシアは、2018年9月に付加価値税が廃止されて、代わりに売買取引とサービスへの課税が導入されています。ミャンマーも取引高税として売買取引へ課税され、ブルネイは売買取引に課せられる税がありません。
 
付加価値税率(標準税率及び食料品に対する適用税率)の国際比較2

資料:財務省
 
グラブに記載の国・地域の中では、ヨーロッパのノルウェー(25%)やアイスランド(24%)が高く、カナダと台湾が5%で最も低い税率となっています。
 
ヨーロッパの国々はどこも20%前後ある中で、スイスの7.7%は際立って低い税率となっていますが、付加価値税率と物価は連動していないので、税率が低ければ生活費が少なくて済むとは限りません。
 
アジアでは税率10%の国が多く、日本が10%になっても特に違和感はありません。ただ、食料品に対する適用税率をみると、アジアでは非課税の国が多いので、日本では軽減税率で8%を維持したとしても、負担は中国の次に大きくなっています。
 
OECD加盟国でもオーストラリア・カナダ・イスラエル・メキシコは食料品に対する適用税率が0%となっています。
 
日本より消費税(付加価値税)率が高い国の多さを知ると、日本の消費税率は恵まれていると感じるかもしれませんが、国民の負担感は消費税率の高低だけで決まるわけではありません。国民が負担する所得税や住民税等や社会保障給付等を含めて総合的に判断する必要があります。
 
今回、日本で引き上げられる税率はわずか2%ですが、日本では長期にわたって世帯所得が減ってきたことから、2%だとしても家計への影響は大きいものです。今まで以上に筋肉質な家計にして生活防衛していきましょう。
 
執筆者:松浦建二
CFP(R)認定者

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