「年金はいつからもらえるの?手続きは必要?」今さら聞けない年金の基礎知識
ファイナンシャルフィールド / 2019年9月16日 23時15分
![「年金はいつからもらえるの?手続きは必要?」今さら聞けない年金の基礎知識](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_56481_0-small.jpg)
先日、厚生労働省から発表された「将来の公的年金の財政見通し(財政検証)」の内容から、将来の年金に対する不安を持った方も多いと思います。 いざ年金をもらう年齢になった時に、「いつからもらうのがいいのか」「どんな手続きが必要なのか」といった素朴な疑問を抱く方も少なくありません。 今回は、受給年齢や手続き、注意点など、今更人には聞きにくいような年金(老齢基礎年金)の基礎知識について、お伝えします。
年金はいつからもらえるの?
老齢基礎年金は、原則として65歳から受け取ることができます。受給資格期間を満たしている場合、希望すれば60歳から65歳になるまでの間でも繰り上げて(早めて)受け取ることができますし、65歳からではなく、それ以後に(70歳まで)繰り下げて(遅くして)受け取りを開始することもできます。
ただし、年金の受給時期を繰り上げ・繰り下げした場合、年金受給額が減額(繰り上げ)・増額(繰り下げ)されますので、その例や主な注意点などについて、以下に記します。
〇繰り上げ: 1ヶ月繰り上げした場合「0.5%減額」
例)60歳から年金を繰り上げて受給した場合は、0.5%×60ヶ月(65歳を60歳に5年繰り上げ)= 30%減額されます。
<主な注意点>
・繰り上げ支給の請求をした時点(月単位)に応じて年金が減額され、その減額率は一生変わらない
(取り消しや変更ができない)
・原則として、事後重症などによる障害基礎年金を請求することができない
・寡婦年金を受け取ることができない
〇繰り下げ: 1ヶ月繰り下げした場合「0.7%増額」
例)70歳から年金を繰り下げて受給した場合は、0.7%×60ヶ月(65歳を70歳に5年繰り下げ)= 42%増額されます。
<主な注意点>
・早くに亡くなってしまうと年金の受給総額が、65歳から受け取り始めた時と比較して少なくなってしまうことがある
・配偶者加給年金や子の加給年金などの加給年金額も支給時期が後ろ倒しされるものの、加給年金分は繰り下げしても増額されない
手続きはどうすればいいの?
まず、年金の受給について気を付けておきたいのが「65歳になったからといって自動的に年金を受け取ることができる(振り込まれる)わけではない」ということです。年金を受け取るためには、ご自身で請求する(支給を求める手続きをする)必要があります。
そこで、年金受給までの手続きの流れについて、簡単に記します。
1、年金請求書の記入
受給開始年齢の3ヶ月前頃に、日本年金機構から「年金請求書」が送られてきますので、それに必要事項を記入します。
2、必要書類の準備
年金請求手続きに必要な書類を準備します(以下に、主な必要書類を記します)。ただし、必要書類は年金を受け取る方のご家族や勤務の状況などによって異なりますので、年金事務所などに詳細を確認すると良いでしょう。
〇主な必要書類など
・年金請求書
・基礎年金番号通知書(または年金手帳)
・戸籍抄本、戸籍記載事項証明書(戸籍謄本でも可・受給権発生後6ヶ月以内のもの)
・金融機関の預貯金通帳またはキャッシュカード(コピー可)
・雇用保険受給資格者証(雇用保険に加入したことがある場合)
・高年齢雇用継続給付支給決定通知書(高年齢雇用継続給付などを受給している場合)
・住民票(受給権発生後6ヶ月以内のもの)
・配偶者の年金証書(配偶者が年金を受給している場合)
・配偶者の非課税証明書、課税証明書または源泉徴収票(配偶者がいる場合)
・年金加入期間確認通知書(共済組合に加入されていた期間がある場合)
・印鑑(認印可)
3、年金請求書と必要書類の提出
年金請求書と必要書類を、年金事務所や街角の年金相談センターに提出することで、請求手続きが完了します。
まとめ
年金(老齢基礎年金)を受け取る権利が発生しても、自動的に支給されるわけではありませんので、ご自身で忘れずに、ご希望の年齢で受け取る手続きをする必要があります。
また、年金受給時期(年齢)によって、「生涯」の受給額が異なります。年金受給時期の直前に慌てることがないように、事前に老後の生活資金や貯蓄なども考慮し、年金受給時期について検討した方がよいでしょう。
執筆者:
中田真
CFP(R)認定者、終活アドバイザー
関連記事
年金の定期健診「年金財政検証」が公表。前回のおさらいと今回のポイントは?
老後が不安…年金って結局どうなるの? 政府レポートから読み解く公的年金の将来
老後の貯蓄は4000万必要!?確認したい老後破産してしまう人の共通点
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
年金事務所に聞いた!年金を66歳以降に繰り下げて受け取りする方の手続きと注意点は?
オールアバウト / 2024年7月10日 11時30分
-
66歳になりましたが「特別支給の老齢厚生年金」をもらえると知りませんでした…。今からでもさかのぼってもらえますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月7日 6時10分
-
70歳男性ですが、今からでも老齢基礎年金、老齢厚生年金の請求はできるのでしょうか?
オールアバウト / 2024年7月4日 11時30分
-
65歳になり年金が自動的に振り込まれると勘違い! 1年後に請求が必要と気がつきましたが1年分の年金をもらうことはできますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月4日 4時10分
-
来年、65歳で定年退職を迎えるのですが、生活費が心配です。年金の繰下げ受給はしたくないのですが、ほかによい方法はないでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月26日 23時0分
ランキング
-
1マクドナルド 約3割の店舗が営業停止 レジに障害
日テレNEWS NNN / 2024年7月19日 11時46分
-
2【速報】ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)でレジや店のシステムにトラブル 閉店する店も… JR西日本はHPやアプリで不具合
MBSニュース / 2024年7月19日 16時15分
-
3世界的にシステム障害、米航空は運航停止 問題特定し修復へ
ロイター / 2024年7月19日 19時54分
-
4TBS退職→Netflixと5年契約「50代P」選んだ道 「不適切にもほどがある」「俺の家の話」手掛けた
東洋経済オンライン / 2024年7月18日 12時30分
-
516時に仕事が終わり、会社から人がいなくなる…フィンランドが「世界一幸せな国」であり続ける納得の理由
プレジデントオンライン / 2024年7月19日 9時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)