離婚するとき、返済中の住宅ローンはどうなるの?

ファイナンシャルフィールド / 2019年9月19日 9時40分

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所得が思うように伸びないこのご時勢、ご夫婦共働きのご家庭が一般的になりつつあります。   人生の三大資金「住宅資金」「教育資金」「老後資金」をしっかり考えるとそうせざるを得ないような実情ですが、不幸にも離婚される場合、ご夫婦で連帯債務や連帯保証人となっている「住宅資金(ローン)」はどうなるのでしょうか?  

家に住み続ける場合

家を出ていく方が名義人の場合や夫婦共有名義での住宅ローン契約の場合、離婚が成立した後は、名義も変更してスッキリしたいと思うのが自然な感情です。
 
しかし、実際には名義変更はかなり難しくなっています。住宅ローンの残債がある家の名義変更は、金融機関の同意が必要です。債権者は住宅ローンを完済しない限り、抵当権を外してはくれません。
 
例えば、パート収入のみの元妻が名義変更を求めても、年収基準を満たさないなどの理由で、変更を認められない場合がほとんどです。勤続年数等も考慮されますので、ハードルは高いといわざるを得ません。
 
【金融機関が名義変更を認めるケース】
(1)住宅ローンを全額返済する
何らかの方法で資金を調達し、既存の住宅ローンを完済できれば、債権者は住宅ローンの名義変更に応じてくれます。
 
(2)住宅ローンを借り換える
離婚の後、家に残る側が他の金融機関で住宅ローンを組むことが可能な場合、住宅ローンの借り換えという手法で名義を変更することは可能です。この手法は、家に残る側に年収要件等を満たすなどの大きな信用力がないと難しいといえます。
 

家を売却する場合

上記のように、住宅ローンの残債がある家の名義変更は難しいことから、離婚後に大きなトラブルに発展してしまうことも多いようです。
 
元夫が支払っているものと思い込んでいた住宅ローンが知らないうちに滞納されており、「競売開始決定通知」が来てから初めて気がついた、というようなケースも耳にします。所有名義人である元夫と全く連絡が取れないという状況になると、もはやお手上げです。
 
このようなことから、離婚時に家を売却してスッキリしたほうが良いと判断される方も多くいらっしゃいます。しかし、その住宅のその時の価値(時価)によっては、難しい問題が発生する場合もあります。
 
・アンダーローンの場合
アンダーローンとは、家をその時の時価で売却した場合に、その売却代価(手数料等経費を差し引いた後の金額)で住宅ローンを完済できるケースをいいます。現在、住宅バブル的な側面もありますので、都市部の駅近マンション等、人気の物件ではアンダーローンになるケースも見受けられます。
 
・オーバーローンの場合
オーバーローンとは、ローンの残債が家の評価額(時価)を上回り、家を売却しても住宅ローンの全額を返済できない状態のことをいいます。この場合、売却は少し難しくなります。
 
なぜなら、住宅ローン設定時に、金融機関からその住宅に抵当権が設定されていますので、金融機関の承諾がないと家を売ることができないからです。住宅ローン債権者の許可を得て、オーバーローン物件を売却する方法には「任意売却」という手法があります。
 

まとめ

共有名義で住宅を購入されるご夫婦は少なくありません。夢のマイホームという響きは幸せのシンボルのようにも聞こえますが、もし離婚ということになった場合、難しい問題が山積みになって押し寄せてきます。
 
年収要件等を満たし、名義変更がスムーズに行われるケースはまれです。売却するにも、アンダーローンの場合はラッキーですが、オーバーローンの場合、金融機関は住宅ローンの残債について、一括返済を求めてきますので厄介です。
 
住宅を購入される際には、大きな負債を抱えるという現実をしっかり認識していただきたいと考えます。
 
執筆者:内宮慶之
内宮慶之FP事務所代表
CFP認定者(日本FP協会所属)、ファイナンシャルプランニング

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