これからNISAを始めたい人は要注意!NISAを始める前に知っておきたいこと
ファイナンシャルフィールド / 2019年9月28日 10時0分
株式や投資信託などへの投資で得た、配当金・分配金や売却益などの利益が非課税になるNISAですが、(一般)NISAについては、2023年に終了予定となっています。 金融庁は、NISA制度の恒久化もしくは期限延長を要望していますが、まだ要望止まりで予定通り終了する可能性もあります。今、(一般)NISAを利用している方で、2023年に制度が終了するとどんな問題点があるのかご紹介します。
2019年新規投資からロールオーバーができない
(一般)NISAは、非課税期間が最長5年と、つみたてNISAの20年と比較すると短くなっています。しかし、投資から5年後、(一般)NISAでの保有資産が「まだ上がるかもしれない」「評価損になっているからまだ売却できない」と考えるときに便利な制度が「ロールオーバー」です。
(一般)NISAでの保有資産を売却しないまま非課税期間が終了すると、自動的に課税口座に移行されます。課税口座に移行されるときに、移行時の株価や基準価額が買付価格となります。
例えば、NISA口座で基準価額1万円の投資信託を50口(評価額50万円)買い付け、非課税期間終了時基準価額が8000円(-2000円)となり、評価額40万円(評価損マイナス10万円)で課税口座に移行したとします。
そうすると8000円が買付基準価額とされるため、後に基準価額が1万円に戻り評価額50万円で実質元本に戻っただけでも、プラス10万円となり、利益10万円に対して20.315%の税金がかかります。
したがって、非課税期間終了時に評価損をしているときは、ロールオーバーをした方が良いでしょう。
ロールオーバーした年の新規投資上限額はロールオーバー分減ってしまいますが、ロールオーバーをする資金には上限がないので、評価益が出ているもののまだまだ上がりそうだから非課税でこのまま保有したいというときにも、ロールオーバーが有効です。
しかし、ロールオーバーは、非課税期間終了時の翌年のNISAの新規投資枠を利用するため、2019年からの新規投資においては非課税期間終了時が2023年の(一般)NISAの制度自体が終了する予定となっているため、ロールオーバーが利用できません。
(一般)NISAでの2019年新規投資からロールオーバーできないのは何が問題?
(一般)NISAでの2019年新規投資枠の非課税期間終了時に、(一般)NISA制度が終了することにより、翌年度にロールオーバーができません。
もっと上がりそうなのに、売りたくない場合は、そのまま置いておけば課税口座に移行され、非課税期間終了時の株価や基準価額が買付価格となります。
したがって、課税口座移行後の株式や投資信託の配当金や分配金は課税されてしまうものの、NISA口座のときに上がった値上がり益分に関しては非課税となり、課税口座移行後から上がった分に対してのみ課税されます。
一方、非課税期間終了時に評価損で売らないまま課税口座に移行された場合は、下がったときの株価や基準価額が買付価格となってしまうため、たとえ最初の投資元本に戻っただけで売却したとしても、利益として課税されるため注意しましょう。
執筆者:大堀貴子
CFP(R)認定者 第Ⅰ種証券外務員
関連記事
■貯蓄手段としてNISAが優れている特徴
■投資を始めたいけど…NISAとつみたてNISAのどっちを選べばいいの?
■初めての資産運用。どんなことに注意して、何から始めればいい?
この記事に関連するニュース
-
新旧NISA、つみたて投資枠と成長投資枠、どちらの売却を優先するべき?
MONEYPLUS / 2024年4月30日 18時0分
-
株が暴落してもこれだけはやってはいけない…"神改正"の新NISAで投資初心者に一番多い「危険すぎる勘違い」
プレジデントオンライン / 2024年4月29日 9時15分
-
【新NISA】旧制度に比べてどれくらい始める人が増えた? “オルカン”の爆売れぶりは? 開始3カ月で見えてきた“実態”
Finasee / 2024年4月11日 17時0分
-
NISAの成長投資枠 活用状況に関する調査(2024年3月) 日興フロッギー白書 「NISAの成長投資枠、どう使う?」
PR TIMES / 2024年4月9日 18時15分
-
新NISA、360万円の非課税投資枠を使い切る方法。特定口座から乗り換えるメリット・デメリット(窪田真之)
トウシル / 2024年4月9日 7時0分
ランキング
-
1円上昇、一時151円台 3週間ぶり円高水準、介入警戒も
共同通信 / 2024年5月3日 22時28分
-
2黒田東彦・日銀前総裁「円安は一時的」…NYの講演で見解、マイナス金利解除・利上げは「当然のこと」
読売新聞 / 2024年5月3日 17時45分
-
3いなば食品、大炎上も「ほぼ沈黙」の戦略的な是非 「沈黙は金」黙って耐える…のはもう通用しない
東洋経済オンライン / 2024年5月3日 19時30分
-
4過度な動き「ならす必要も」=円安、介入コメントせず―鈴木財務相
時事通信 / 2024年5月3日 23時51分
-
5インフレ・金利上昇、マンション購入は急ぐべき? 長期では、マンション所有は3つのリスクの塊
東洋経済オンライン / 2024年5月3日 11時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください