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2021年以降、老後の働き方はどう変わる? 30代~50代は「骨太方針2019」を要確認

ファイナンシャルフィールド / 2019年10月3日 23時15分

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2019年6月11日に内閣府が発表した「経済財政運営と改革の基本方針 2019」(骨太方針2019)。この中では、高齢者の働き方について言及しているところがあります。その中で、人生100年時代、高齢者の雇用環境を整備する動きがあるようです。   政府としては、70歳までの雇用延長、または定年廃止など、ひと昔前までの「60歳定年」からは大きく延長されています。時代の過渡期に、現在の30代~50代の人たちは、しっかりとマネーリテラシーを磨いて、移り変わる制度と背景を認識しておきましょう  

年金開始に個人差があるのはなぜ?

時代が大きく変わり、日本は超高齢化社会になりました。昭和と令和の時代では、年金においても、掛金・支払期間・受給開始時期・受給金額等、大きく変貌しています。またこの公的年金には2種類、国民年金と厚生年金があり、それぞれ支給部分が異なる人がいます。
 
また厚生年金加入者は、自らは分からないかもしれませんが、国民年金部分の基礎年金に加入をしています。現在の年金の支払時期は、年代別の調整期間であり、段階的に受け取れる年齢が変わっています。
 
しかし、男性では昭和36年4月2日以降、女性は5年遅れで、昭和41年4月2日以降に生まれた人たちの基準は、現在65歳です。これは近い将来、年齢が繰下げになる可能性がありますので、アンテナを張っておいてください。
 
また、現在は65歳が支給の基準ですが、最短60歳まで繰上げ、最長65歳まで繰下げることができます。この繰下げ・繰上げで受給金額も変化します。
 

65歳以前に受給することを「繰上げ」(早くに、繰上げて受給する)
66歳以降に受給することを「繰下げ」(ゆっくり、繰下げて受給する)
 
1ヶ月刻みで、早く受給する場合は0.5%減ります。受給を遅らせる場合は、0.7%増えます。現状70歳の支給ですので、最大で42%増となり、例えば年間100万円を受給する方は142万に、200万円なら284万円になります。このように、繰上げ、繰下げのシステムを使って、支給開始の時期をずらしている場合もあります。
 
制度の過渡期により、受給時期が異なります。若い方はその点注意をして、今後制度が変わるでしょうから、自分が年金を受け取れる年齢を把握、変化に対応してください。
 

現行65歳以上働いた場合の年金はどうなるの?

2019年8月の時点で65歳の人は、1954年生まれです。昭和29年生まれですから、報酬部分の老齢厚生年金は61歳から、女性は60歳から受給している方もいるでしょう。
 
「年金」と「給与等」のW収入がある方は、働いて得た収入が多い場合には、年金が減らされる制度があります。それを『在職老齢年金』といいます。この制度、働いている年金受給者からの評判はよくありません。「なんで年金を減らされないといけないのか」という声も耳にします。
 
過去に年金を受給していた高齢者と比べると、矛盾を感じるかもしれませんが、かつての方々は、第二次世界大戦の苦労を背負われた方々です。“慰労金”と考えてもよいのではないでしょうか。この働く高齢者の年金額調整制度『在職高齢年金』のルールを見てみましょう。
 
在職老齢年金のルールは、「65歳未満」と「65歳以上」の2つの物差しで考えます。
 
<65歳未満:年金減額基準>
毎月の年金額+毎月の報酬額 = 28万円を超える場合

 
<65歳以上:年金減額基準>
毎月の年金額+毎月の報酬額 = 47万円を超える場合

 
老後、夫婦2人で生活をする場合、モデルケースとして生活費は28万円、比較的豊かな生活をする場合は32万円が必要と言われています。
 
今の法律では、65歳未満で年金を受取ってしまい、なおかつ働いたら、28万円の壁があることを意識しないと超えてしまいます。「あれ?」と、計算ミスをして受取額を間違え、生活費に響く場合もありますので注意が必要です。しかしこの制度、働く意欲は失われてしまいますね。
 

2021年以降に変わる予定の老後の働き方

働いても年金が減額されると、意欲がなくなってしまうこのシステム。政府はこの『在職老齢年金システム』の廃止を検討しています。早ければ、2021年開始。そして、高齢者が働きやすくなる改革案7つを示しています。
 
1:定年廃止
2:70歳までの定年延長
3:継続雇用制度導入(子会社・関連会社での継続雇用を含む)
4:他の企業(子会社・関連会社以外の企業)への再就職の実現
5:個人とのフリーランス契約への資金提供
6:個人の起業支援
7:個人の社会貢献活動参加への資金影響

 
高齢者の雇用確保には、今まで以上に高齢者の特性に応じた配慮が必要になるでしょう。例えば、肉体的にキツイ業務は、休憩時間や勤務日への配慮も必要です。一緒に働く若い世代の理解も必要です。
 
その一方で、経験を生かした業種、接客・マネージメント・コンサルタントなどの業種は、高齢化が進むかもしれません。さらに、高齢者に職業をあっせんする業種や、ホスピタリーの教育、社会制度導入のための職種は求められるでしょう。
 
オリンピック終了後の日本は、かつてない時代の変化が訪れそうです。アンテナを高くして、さまざまな可能性へ夢を膨らましていきたいですね。時代に置いて行かれないように。
 
執筆者:寺門美和子
ファイナンシャルプランナー、相続診断士

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