学資保険の満期金って、税金がかかるの? 受験シーズン前に、いま一度確認しておこう

ファイナンシャルフィールド / 2019年10月5日 10時0分

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子どもの大学進学に向けて、親としては資金面で頭を悩ます時期です。入学金だけでなく、入試費用や塾代も重くのしかかります。   学資保険や終身保険で準備されている場合が多く見受けられますが、まとまったお金を手にする際に、その細かな内容を把握している方、意外と少ないです。「税金」も気になるところです。   近い将来に満期となる方も、まだ先、これから加入を検討しようという方も、知っておきたい「保険の満期金」について、税金のこと、気を付けたいこと、お伝えします。  

貯蓄を目的にした保険 ~保険は目的にあわせて加入する。

万一の場合に遺された家族の生活を守る、病気に備える、特にがんに備える、相続に備える、など目的にあわせたリスク対策として保険に加入することが多くあります。
 
貯蓄機能を持った保険に加入し、教育資金や老後資金として、「保障を維持しながら貯蓄をする」のも、有効な手段のひとつです。大学進学にあわせた教育資金の準備として、学資保険をあてる方も多いでしょう。
 

教育資金を保険で準備する ~学資保険や終身保険を活用する。

定期保険のような掛け捨てタイプと違い、「貯蓄」を重視した保険は、万一に備えつつ、払った保険料を貯めていくことができます。同じ保障額(万一の場合に受け取る保険金額)でも、支払う保険料は高額となります。
 
その代わり期間満了時には、満期保険金を受け取ることができます。「養老保険」がその代表といえますが、低金利時代の今、払った保険料総額と満期で受け取れる満期保険金との差に魅力はなく、商品も少なくなっています。
 
商品としての魅力は減りましたが、毎月保険料を支払うことで確実に貯めることのできる「学資保険」は、依然として加入を考える方が多いようです(お祝い金の出るタイプや保障充実プランなどありますが、概要や注意点について、ここでは割愛します)。
 
また、払込期間を10年から15年など短く設定することで活用できる「低解約返戻金型終身保険」で準備する方法も一般的となってきています。
 
このタイプの場合、保険料支払期間を過ぎると、解約返戻率が上がり支払った保険料を上回っていきます。解約しない限り保障は続きますし、資金が必要な時に一部、もしくは全部解約することも可能です。
 

満期金の受け取り時の税金は? ~誰が受け取るかで変わる税金の種類。

さて、受け取り時に話を戻しましょう。満期保険金の受取人は誰になっていますか。養老保険や学資保険の場合、万一の場合の死亡保険金受取人とは別に、満期金受取人を指定します。契約のパターンとしては、次の2つが考えられます。
 
(1)契約者Aさん 満期金受取人Aさん (契約者=満期保険金受取人の場合)
保険料を支払ったAさんが、期間を経てAさんが受け取りますので、一時所得として所得税が課税されます。
 
一時所得の金額=受け取った満期金の額-支払った保険料の額-特別控除(最高50万円)  
この所得金額の2分の1相当額を他の所得(給与所得等)に合算して税額を計算します。
 
例えば、満期金300万円、支払った保険料270万円(月額1万5000円×12カ月×15年)の場合、利益は30万円
→特別控除によりゼロとなり、課税されません。
 
支払った保険料より50万円以上満期金が上回った場合に課税対象となり、その2分の1に対して税金がかかります。この場合、確定申告が必要になりますので注意が必要です。ただし、給与など他の収入にもよりますが、運用実績から考えると、あまり考慮する必要はなさそうです。
 
(2)契約者Aさん 満期金受取人Bさん (契約者≠満期保険金受取人の場合)
AさんからBさんへの贈与とみなされ、Bさんの贈与税の対象となります。夫が契約者で妻が受取人の場合や祖父母が契約者となり子や孫が受取人の場合などは注意が必要です。
 
孫のために、という祖父母の気持ちが、相続発生時の思わぬ争族に発展する可能性もありますので、契約形態について募集人や専門家のアドバイスを参考にしましょう。
 

解約の場合や外貨建ての場合はどうなの?

前述の低解約型終身保険の活用による解約返戻金の受け取りの場合も、満期金の受け取りと同様です。また、日本円での養老保険が少なくなっているものの、代わって、外貨建て商品が増えています。仕組みとしては、変わりありません。
 

他に注意すべき点は?

5年以内に満期となる商品、もしくは、解約の場合は、「金融類似商品」に該当するため、契約者と満期保険金受取人が同一の場合でも、差益に対して、所得税(源泉分離課税)がかかります。
 
税率20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税)が差し引かれての受け取りとなりますので、必要な金額が確保できるか注意が必要です。
 
学資保険など満期金を一括で受け取る場合について、契約者と受取人が同一の場合、一時所得ですが、老後資金など年金形式で受け取る場合は、所得税(雑所得)となり、控除額等の計算方法が異なります。
 

まとめ

保険には、さまざまな目的や活用方法があります。また、それぞれの背景や価値観によって、保険以外の方法で備える方法もあります。
 
大切なのは、いつまでに、いくら、どのような方法で準備していくのか、選択肢を多くもつことです。そして、税金についても満額受け取れるのかを見越して多く準備する必要があるのかについても考えておきたいですね。
 
最近の運用実績から考えると、課税対象ではあるという仕組みを知るとともに、実際には課税されないケースも多い現状は知っておきたいところです。
 
執筆者:大竹麻佐子
CFP🄬認定者・相続診断士

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