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厚生年金保険料を決める基準「標準報酬月額」って何?どうやって計算されているの?

ファイナンシャルフィールド / 2019年10月7日 23時0分

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毎月の給与明細を見ると、さまざまな項目でお金が差し引かれています。その中でも金額が大きいものの1つに「厚生年金保険料」があります。厚生年金保険料は、どのように決められているかご存じでしょうか?   今回は、厚生年金保険料を決める基準となる「標準報酬月額」の考え方などを中心にご説明します。  

標準報酬月額の考え方

会社員の方が毎月会社から受け取る「報酬」は、毎月一定とは限りません。時給の場合は、勤務する時間によって変わりますし、月給の場合は、受け取る手当などの関係で少しずつ変わります。それに合わせて、厚生年金保険料を毎月計算し直すのは大変なことです。
 
そこで、1年の中で特定の月の報酬を基準とする「標準報酬月額」を決め、その「標準報酬月額」を基にして1年間の厚生年金保険料を計算するということになっています。
 

標準報酬月額の決め方とは?

厚生年金保険で標準報酬月額の対象となる報酬は、次のいずれかの条件を満たすものです。
 
・被保険者が自己の労働の対償として受けるものであること
・事業所から経常的かつ実質的に受けるもので、被保険者の通常の生計にあてられるもの

 
また、標準報酬月額の対象となる報酬には、基本給のほかに、家族手当、通勤手当、住宅手当などを含めた税引き前の給与で、事業所から現金または現物で支給されるものも含まれます(年4回以上支給される賞与も対象です)。
 
毎年4月、5月、6月の報酬月額の平均を基に、一定の幅で区分した報酬月額に当てはめて決定した金額が、厚生年金保険の「標準報酬月額」となります。
 
なお、標準報酬月額は、1等級(8万8000円)から31等級(62万円)までの31等級に分かれていて、原則として9月から翌年8月まで1年間変わりません(算定月以後、報酬月額に大幅な変動[標準報酬月額の2等級以上]があった場合は、標準報酬月額の改定が行われます)。
 
例えば、1等級(8万8000円)では、報酬月額9万3000円未満が該当しますので、4月、5月、6月の報酬月額の平均が9万円だった場合でも、標準報酬月額は、1等級の「8万8000円」となります。
 

毎月の厚生年金保険料は?

毎月の厚生年金保険料は、標準報酬月額に共通の保険料率をかけて計算され、事業主と被保険者(社員など)が半分ずつ負担します。また、厚生年金の保険料率は、平成16年から段階的に引き上げられてきましたが、平成29年9月を最後に、厚生年金保険料率は18.3%で固定されています。
 
例えば、標準報酬月額が「1等級(8万8000円)」の人(一般・坑内員・船員で、厚生年金基金加入員ではない)の場合、毎月の厚生年金保険料は、8万8000円 × 18.3% = 1万6104円となります。これを事業主と被保険者とが半分ずつ負担しますので、1万6104円の半分「8052円」が負担額となります。
 

まとめ

「3月、4月、5月は残業しないほうがいいよ」と言われたことがある人もいるのではないでしょうか。その理由は、4月、5月、6月の報酬月額が高くなることで、毎月の厚生年金保険料も高くなるからなのですが、その分もらえる年金額は増えますので、必ずしも損をするというわけではありません。
 
自分の標準報酬月額が分からない場合でも、給与明細書の厚生年金保険料の金額から、自分の標準報酬月額を推定することができますので、ご興味のある方は、確認してみてはいかがでしょうか。
 
※厚生年金保険の標準報酬月額の等級区分などについては、日本年金機構ホームページの「厚生年金保険料額表」などで、確認していただけます
 
参照・出典
日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
日本年金機構「平成29年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表」
 
執筆者:中田真
CFP(R)認定者、終活アドバイザー

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