2020年4月からの高等教育無償化、大学等の在学生も対象!申請期間や条件は?
ファイナンシャルフィールド / 2019年10月15日 10時15分
2020年4月1日より、大学や短期大学、専門学校などの授業料・入学金の減免と返済不要の給付型奨学金を支給する、高等教育無償化が始まります。 従来の給付型奨学金は、高校等で申し込む予約採用しかありませんでしたが、新しい給付型奨学金は大学等の在学生も申し込めるようになりました。 また、現在、従来の給付型奨学金を受給している学生も、新しい給付型奨学金に切り替えることも可能です。大学等で申し込む場合のポイントを解説します。
高等教育無償化とは?
2020年4月1日より、大学や短期大学、専門学校などの授業料・入学金の減免と返済不要の給付型奨学金を支給する高等教育無償化が始まります。
住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯(4人家族で世帯年収目安約380万円未満)の学生が対象です。準ずる世帯には、所得区分に応じて住民税非課税世帯の3分の2または3分の1が支援されます。
住民税非課税世帯の学生は、給付型奨学金として、設置者(国公立・私立)、通学形態(自宅通学・自宅外通学)により、月額2万9200円~7万5800円が支給されます(返済不要)。ただし、学生には成績不振が続いたり、出席率が低かったりした場合、支援が打ち切られます。
さらに大学等から退学、3ヶ月以上の停学の懲戒処分を受けた場合や、進学先の大学等で、学業成績が著しく不良であって傷病や災害などのやむを得ない事情がない場合など、返還が必要となる場合がありますので、自覚を持った努力が求められます。
また、授業料等減免に関しては、例えば私立大学に通う場合、最大で、入学金26万円、授業料70万円の減免を受けることができます。従来の給付型奨学金に比べると、支給額が拡充され、対象者も広がりました。また、採用枠(人数の上限)もなくなりました。
一方、従来の給付型奨学金と異なり、教育体制や経営・財務状況の観点から選定された大学等(確認大学等)しか利用できません。また、第一種奨学金(無利子)を併用する場合は利用が制限されます。
申請期間は2019年11月1日~30日
新しい給付型奨学金の支援を受けるには、高校や大学などを通じて日本学生支援機構に申請する必要があります。2019年度にすでに大学等に在学中の人が、2020年4月から支援を受けようとする場合、申込期間は2019年11月1日~30日です。
学校ごとに締切日が異なりますので注意してください。また、申し込みの際には、本人および生計を維持している人(原則父母)のマイナンバーの提出が必要です。給付型奨学金の支給を受けるには、学力基準と家計基準(収入基準・資産基準)を満たす必要があります。
高校等で申し込む場合の学力基準は
(1)高等学校等における全履修科目の評定平均値が、5段階評価で3.5以上であること
(2)将来、社会で自立し、および活躍する目標をもって、進学しようとする大学等における学修意欲を有すること
上記いずれかひとつに該当する必要があります。なお、学修意欲等の確認は、高等学校等において面談の実施またはレポートの提出等により行います。
収入基準は、住民税非課税世帯それに準ずる世帯であること、資産基準は、学生と生計維持者(2人)の資産額の合計が 2000万円未満(生計維持者が1人のときは1250万円未満)であることが必要です。大学等で申し込む場合、高校等で申し込む場合と比較して、学力基準が大きく異なります。
在学採用の学力基準
すでに大学等に在学している学生等(大学等1年次)の採用(在学採用)における学力基準は、次のいずれかを満たすことが必要です。
(1)高校の評定平均値が3.5以上(高校以外の場合であって評定平均値を算出できない場合には、これに準ずる成績(おおむね平均水準以上))であること
(2)入学試験の成績が入学者の上位2分の1以上であること
(3)高卒認定試験の合格者であること
(4)学修計画書により、学修の意欲や目的、将来の人生設計等が確認できること
2年次以降は次のいずれかを満たすことが必要です。
(1)GPA(平均成績)等が在学する学部等における上位2分の1の範囲に属すること
(2)修得した単位数が標準単位数以上であり、かつ、将来、社会で自立し、活躍する目標を持って学修する意欲を有していることが、学修計画書により確認できること
「高校等を卒業後2年以内」が対象
高等教育無償化を利用できるのは、高校等を初めて卒業した年度の翌年度の末日から、大学等に入学した日が2年を経過していない者です。例えば、2018年3月に高校を卒業した場合、2020年度中に進学した者は対象となりますが、2021年4月以降に進学した者は対象外です。
従来の給付型奨学金を受給している学生について
在籍している大学等が高等教育無償化の対象校の場合、新しい給付型奨学金を受給することになったら、従来の給付型奨学金は辞退することになります。なお、第一種奨学金(無利子)の利用は制限されます。一方、高等教育無償化の対象校ではない場合、従来の給付型奨学金を継続して受給できます。
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー
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