夫が亡くなったら遺族年金が受け取れるって聞いたけど、いつまでにどんな手続きをすればいいの?
ファイナンシャルフィールド / 2019年10月23日 10時15分
大切な人が亡くなっても、遺された家族の時間は進みます。やはり気になりますよね、大切な人が亡くなった後の生活のこと。そこで、遺された家族がもらえる年金、遺族年金のことを見ていきます。
遺族年金をもらうための第一歩は?
まずは、お近くの年金事務所または年金事務センターに行きましょう。その際に、2つの手続きをします。
(1)亡くなられた方が受給していた公的年金の受給停止手続き
(2)亡くなられた方の未支給年金の請求手続き
この第一歩は、亡くなられた方がすでに年金(老齢年金・障害年金)を受給されている場合に行う手続きです。受給されていない場合は、とばしてください。
(1)については、期限があります。国民年金は死亡日から14日以内、厚生年金は死亡日から10日以内です。つまり、お葬式が終わったらすぐに行動する必要があります。(2)については、期限はありませんが、(1)と同じ所で手続きができるので、一度にすませておきましょう。
2つの手続きをする際には主に以下のものが必要になります。事前に電話などで持参すべきものを必ず確かめてください。
・亡くなった方の年金証書
・死亡の事実を証明できる書類(死亡診断書のコピー等)
・亡くなった方と請求者の関係がわかる書類(戸籍謄本等)
・受け取る年金を入金してもらう通帳
など
その他、一緒に暮らしているか暮らしていないかで必要なものも異なるので、訪れる前に電話などで確認しましょう。
手続き場所を間違えないように
次に遺族年金受給の手続きを行います。ここで注意すべきは、手続き場所を間違えないことです。
遺族年金は(1)遺族基礎年金と(2)遺族厚生年金があります。それぞれ手続き場所が違い、書類も対象者も違います。事前に亡くなられた方の公的年金の種類(国民年金・厚生年金)を確認しておく必要があります。
(1)遺族基礎年金
対象になるのは、細かな諸条件はありますが、18歳未満の子のいる配偶者と18歳未満の子です。手続きに必要な請求書は提出先である、市区町村役場の年金の窓口にあります。日本年金機構のホームページからダウンロードも可能です。
ただし、手続きに持参すべき書類があるので、事前に電話などでの確認を忘れないようにしましょう。
主な必要書類は以下の通りです。
・亡くなられた方の年金手帳
・亡くなられた方の戸籍謄本
・亡くなられた方や請求者の住民票
・請求者や子の収入がわかる書類
・受け取る年金を入金してもらう通帳
など
必要書類はその請求者や子、亡くなられた方との関係によって異なるので、必ず事前に確認してください。また、第3号被保険者の間に亡くなった場合、年金事務所または年金相談センターでの手続きとなります。
(2)遺族厚生年金
対象になるのは、細かな諸条件はありますが、厚生年金保険をかけておられる方や老齢厚生年金や障害厚生年金をもらわれていた方の家族です。手続きに必要な請求書は、提出先である年金事務所や年金相談センターにあります。
もちろん、日本年金機構のホームページからダウンロードできます。こちらも請求する人の立場により必要書類が異なるので、訪ねる前の確認は必須です。主なものは遺族基礎年金と同様です。
なお、共済年金の加入者だった方(主に公務員だった方)については、この遺族厚生年金と同様の手続きとなります。
遺族年金の申請には期限があります
遺族年金だけではありませんが、受給の申請には期限があります。年金を受ける権利(基本権)は、権利が発生してから5年を経過すると時効によって消滅します。
しかしながら、やむを得ない事情があるときは「年金裁定請求の遅延に関する申立書」を提出することにより、基本権は消滅しません。ただし、その理由によっては消滅する可能性もあるので、注意が必要です。
遺族年金の受給には時間がかかります
請求から実際に受給するまでの流れは以下の通りです。
(1)受給資格の取得・年金請求
(2)「年金証書・年金決定通知書」の送付(年金請求から約60日後)
(3)「年金振込通知書」「年金支払通知書」の日本年金機構からの送付
(4)初回受け取り((2)から約50日後)
このように、実際に遺族年金の受給までは約110日(約4ヶ月)かかると言われています。書類不備や実際の照合等のため、さらに時間がかかる可能性もあります。
大切な人を亡くす前に知っておくことが大切です
遺族年金は、一家の大黒柱を亡くしたときに、生活を維持するために設けられた制度です。
ただし、手続きに戸惑うと、必要なお金を手にするのが遅くなります。あらかじめ簡単な流れを頭に入れておくとともに、自分自身も含め、大切な人が加入している公的年金の種類を把握し、万一のときに、すぐに行動できる準備をしておきましょう。
出典
日本年金機構「年金を受けている方が亡くなったとき」
日本年金機構「遺族基礎年金を受けられるとき」
日本年金機構「遺族厚生年金を受けられるとき」
日本年金機構「年金の時効」
日本年金機構「全国の相談・手続き窓口」
執筆者:秋口千佳
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士
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