FPがわかりやすく解説! がん保険と医療保険の違いはどこにあるの?

ファイナンシャルフィールド / 2019年10月25日 9時0分

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がん保険と医療保険。「私は両方加入する必要はあるの?」や「両方に加入しても保障内容が重複してるんじゃないの?」といった疑問の声をよく聞きます。   そこで今回は、両者の特徴の違いをおさえ、どちらかを選ぶ場合の判断基準やどういった人が医療保険やがん保険を検討したほうがいいのかについて、しっかりお伝えしたいと思います。  

がん保険と医療保険の違いはどこにあるのか

がん保険は医療保険の一つといえますが、保障の対象や保険内容、入院あたりの限度日数が違いますし、支払い限度日数や限度額の有無も大きな違いといえます。一般的ながん保険と医療保険の違いを、具体的に見ていきましょう。
 
・保障の対象
医療保険は、病気、またはけがが対象で、がんも含まれます。がん保険については、例外はありますが、悪性新生物、上皮内新生物が主な対象です。
 
・保障内容
医療保険は「入院給付金」、「手術給付金」が主なのに対し、がん保険はこの2つに加え、「診断給付金」、「通院給付金」についても保障内容となります。
 
上記のほかにも、医療保険は「通院給付金」、「先進医療給付金」なども保障内容となることがありますし、がん保険の場合は「治療給付金」、「がん先進医療給付金」などが含まれる商品もあります。
 
・支払い限度日数
一入院あたりに支払いを受けられる限度日数については、医療保険は制限があることが多いですが、がん保険は制限がないものが多いです。
 
・通算入院支払い限度日数
入院給付金の支払い対象となる入院が何度もあると、それぞれの給付金支払い日数は通算されて何日分までと決められている場合があります。医療保険は、例えば700日、730日などと限度日数を決められていることが多いですが、がん保険はこの限度日数がないことがほとんどです。
 

がん保険について

それぞれの保険についてさらに詳しく見ていきましょう。がん保険は一般的に、医療保険と独立した保険種別として扱われ、がん治療についての保障が手厚い保険のことをいいます。がん以外のほかの病気やけがに対して保障はしていません。
 
保障内容としては、主に「がん診断給付金」「がん手術給付金」「がん入院給付金」「がん通院給付金」「がん先進医療特約」などがあります。
 
中でも特徴的といえる保障は「がん診断給付金」でしょう。これはがんと診断確定された時点で、商品によって違いはありますが100万円や200万円といったまとまったお金が受け取れ、治療の有無に関係なく支給されます。使用用途に決まりはなく、治療費のほか療養中の生活費や通院時の交通費に使うこともできます。
 
最近ではこの診断給付金に力を入れたタイプが増えています。
 
また、がん治療は主に「手術」「抗がん剤治療」「放射線治療」が3大治療とされていますが、入院の有無を問わず3大治療に対して給付金を支払うものや、未承認の抗がん剤治療といった自由診療にも対応するタイプ、入院を伴わない通院治療や療養など、さまざまな費用に対応できる商品が増えています。
 

医療保険について

医療保険は、さまざまな病気やけがに幅広く対応した保険といえます。がんも保障に含まれており、がん保険は、がんに特化した保障であるのに対し、医療保険は病気やけが全般の治療や療養費用を保障します。
 
主な保障内容は「入院給付金」「手術給付金」で、「先進医療特約」などをつけることができます。
 
入院給付金は、がん保険と同様、入院日数に応じて支払われますが、支払日数には制限があります。手術給付金は、「定額」、あるいは手術に応じて入院給付金の10倍、20倍、40倍などと設定される「倍率方式」で算出されるのが一般的です。
 
また先進医療による治療を受けた際の給付金額は、最高でも2000万円までということが多いようです。幅広い病気やけがの入院、手術などの備えとしてもっとも基本的な保険ですが、がんへ備えるという点ではじゅうぶんといえないかもしれません。
 
最近は予防の概念を取り入れ、健康増進型が増えています。
 
健康状態によって保険料が決まるタイプは以前からありましたが、加入後も定期的に健康診断表を提出し、加入時よりも健康状態がよくなれば保険料が安くなったりキャッシュバックされたりするタイプ、さらには健康への取り組みが保険料に反映されたり還付金が支払われたりといった健康増進を支援する商品が登場していますので、興味のある人は検討してみてもいいかもしれません。
 

がん保険と医療保険、どっちが必要なのか

がん保険と医療保険のどちらかを優先しなくてはならない場合はどう考えればいいのでしょうか?
 
まず、がん保険と医療保険では目的が異なります。どのようなリスクに対応したいのか、保険に加入する目的によって選び方は決まってきます。
 
さらに年齢や職業、家族構成、ほかに加入している保険の保障内容などによっても、がん保険と医療保険の優先度は変わりますので、がん保険と医療保険のどちらが重要であるということは難しいと思います。
 
がんに罹患してしまうと、例えば陽子線治療や重粒子線治療といった先進医療を受ける場合、多額の費用が必要になりますし、がんは再発することも珍しくないため、長い期間にわたって継続的に治療を行うことになります。
 
こういった場合も対応できるよう保障が手厚いがん保険を選ぶのはもちろん、がんを含めた病気やけがを幅広く保障されるよう、できることならがん保険と医療保険の両方に加入すれば安心といえるでしょう。
 
とはいえ、両方加入するのが厳しく、後述するがんに対する経済的なリスクがさほど高くないのであれば、幅広い保障を備えた医療保険から先に検討すべきだと考えます。
 

がん保険が必要かも? チェックリスト

がん保険か医療保険のどちらかを選ぶ場合、あるいは医療保険のみにしてがん保険には入らない選択をするかどうかは、その人の経済的なリスクで変わってきます。
 
例えば正社員であれば、病気やけがで仕事を休んだ場合、最長1年6ヶ月の傷病手当金が支払われますし、病気に備える貯蓄がおおよその目安として200万円以上ある人もリスクは低いといえるでしょう。
 
一方で、契約社員や派遣社員、フリーランスなど、治療が長引くと収入ダウンになる不安がある人や、貯蓄がほとんどないという人はリスクが高いといえるのではないでしょうか?
 
がん保険に加入したほうがよいと思われる人をチェックリストにすると、次のようになります。

チェックリスト

□契約社員や派遣社員、フリーランスなど、がんにかかった場合の経済的なリスクが高い人
□病気に備えるための貯蓄が目安として100万円以下の人
□親族にがんにかかった人が多い、自身の生活習慣などの理由でがんに対する不安を感じている人
□がん治療に臨む際、お金を理由に諦めることなく、できる限りの治療を受けたい人
 

がん保険を選ぶ際のポイント

がん保険に加入するときに注意すべき点は、契約日から90日間の免責期間(不担保期間)があることです。自覚症状が出てから急いで加入することを防ぐため、契約した日から90日間の免責期間(不担保期間とも呼ばれる)があることが一般的です。
 
がん保険を選ぶポイントとして、保障対象や保障内容のほかにも以下のような点を確認するようにしましょう。
 
・診断給付金の支払条件
診断給付金の支払条件については、できれば悪性新生物と上皮内新生物が両方対象になるものが望ましいでしょう。
 
・診断給付金の回数
診断給付金が一回の支払いだけになるか、複数回支払われるかについても確認しておきましょう。
 
・定額保障か実額補償か
受け取る額が決まっている定額保障タイプが主流ではありますが、最近は支払った分だけ受け取ることができる実額補償タイプも増えていますので確認しておきましょう。
 
・期間は終身保障か定期保障か
保険期間が終身であれば安心ですが、その場合はやはり加入時の保険料が定期に比べて高く設定されています。保障内容を定期的に見直して効率的に加入したいと考える人には定期保障もおすすめです。
 

医療保険が必要かも?

では、医療保険に入ったほうがよいと思われるのはどういった人でしょうか?がん保険と同様、チェックリストにすると以下のようになります。

チェックリスト

□正社員で傷病手当金が見込まれ、経済的なリスクが低い人
□病気に備える貯蓄が目安として200万円以上ある人
□親族にがんにかかった人がいない、生活習慣に気を付けているなど、どちらかといえばがんに対する不安が少ないと考える人
□がんよりも、他の病気やけがなどに不安を感じる人

医療保険を選ぶ際のポイント

医療保険は保険会社によって商品内容がかなり違いますし、他の保険よりも新しい商品の発売サイクルが短い傾向にあります。頻繁に加入条件や保障内容が変更されることがありますので、よく検討しましょう。
 
そのほか、入院時の支払い条件や、がん保険と同様、保険期間は終身か、定期なのか、通院保障の有無などについても確認するようにしましょう。
 
さらに、持病がある人や健康の不安がある人でも加入しやすい「引受基準緩和型」の医療保険が増えていますが、通常の医療保険に比べて保険料は高めです。
 

まとめ

これまで述べたように、がん保険と医療保険を比較した場合、保険の内容や加入する目的が異なります。
 
まずは優先させたい目的は何かをしっかり考えてみましょう。情報をできるだけ多く集めて検討し、もし迷ったり疑問に思ったりすることがある場合は、保険会社やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談してみてもいいかもしれません。ご自身や家族にとって、もっともふさわしい選択をしていきたいものですね。
 
執筆者:藤丸史果
ファイナンシャルプランナー

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