つみたてNISAの投資期間延長へ。いつ開始しても800万円の非課税枠運用が可能に
ファイナンシャルフィールド / 2019年11月30日 10時30分
![つみたてNISAの投資期間延長へ。いつ開始しても800万円の非課税枠運用が可能に](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_63955_0-small.jpg)
政府はつみたてNISAの投資期間拡大を決定し2020年度の税制改正大綱に盛り込む方針だと、2019年11月22日付の日経新聞が報じました。これが実現すれば、つみたてNISAの投資枠が増え、恒久化へ一歩近づくことになります。 この改正について解説してみたいと思います。
現行の制度における投資可能額は?
現行のつみたてNISAは時限立法で積立可能な期間は2018年から2037年の20年間、かつ投資額は年40万円に限定されています。
つみたてNISAが始まった2018年から投資した人は2037年まで20年間にわたって投資を続けることができるので、40万円×20年=800万円の投資をすることができます。
しかし2019年から始めた人であれば40万円×19年=760万円までしか投資できず、最終年である2037年に投資を始めた場合は40万円×1年=40万円までとなります。つみたてNISAのメリットをフルに活用できるのは、2018年に始めた人だけです。
誤解のないように説明しておきますが、いったん投資をすれば、その年に投資をした元本については、その年から20年間は非課税の恩典を受けることができます。
ですから、2018年に投資をした元本は2038年まで、2025年であれば2045年まで、2037年の1年だけの投資でも、その投資元本の最大40万円については2057年まで、20年間の非課税期間を使って運用することができます。
税制改正が行われた場合の投資可能額はどうなるのか?
今回の新聞報道によれば、税制改正がなされた場合は、投資開始年が2018年、2020年、2037年といつであっても、その開始年から20年にわたり投資を継続することができ、いずれの場合でも40万円×20年=800万円の投資が可能ということです。
投資の開始年が遅くなると投資額が減ってしまう制度では、投資のメリットがなくなってしまいます。いつ投資を始めてもその年から20年間、800万円の非課税枠がもらえるのであれば、これからつみたてNISAへの投資者数が増えていくのではないでしょうか。
つみたてNISA今後の課題は?
総投資額の拡大が実現すれば、非課税期間に関する大きなハードルが外れることになります。
しかし投資期間以外にも、つみたてNISAはiDeCoと違って、非課税枠内でのスイッチングができないというデメリットがあります。
スイッチングとは、例えば年間40万円の投資枠を活用して投資信託Aを購入したものの、運用商品を変えるために売却し、投資信託Bに組み替えることを言います。現在の制度では投資信託Aを売却した時点で非課税枠が終了してしまい、非課税枠を維持したまま投資信託Aを投資信託Bに組み替えることができないのです。
投資信託を売却して現金化した場合に非課税枠がなくなるのは仕方がないのかもしれませんが、つみたてNISAの枠組み内で投資対象を変えるスイッチングはできるようにしてほしいものです。
スイッチングができれば投資の柔軟性が広がり、投資者の自由度がさらに大きくなるでしょう。
もちろん、イギリスのNISAに近づけるためにも800万円の非課税枠をさらに拡大してほしいという要望はありますが、それはどうなるかはわかりません。
まとめ
この税制改正が実現すれば、つみたてNISAがさらに活用しやすくなるのは間違いありません。
読者の皆さんもつみたてNISAへの投資を真剣に考えてみてはいかがでしょうか。
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー
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