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分散投資、「買い」はドルコスト平均法がおすすめ。では「売り」は?

ファイナンシャルフィールド / 2019年12月17日 9時30分

分散投資、「買い」はドルコスト平均法がおすすめ。では「売り」は?

一定額分を定期的に買うドルコスト平均法は、長期積立投資を行う上で「王道」とも言われる資産運用の手法の一つです。   その理由は、価格が安いときは多く、高いときは少なく買い、一口当たりの単価を平準化できるという性質で、時間を利用して価格変動リスクを分散できるからです。それでは売却時はどうでしょうか。購入手法と違い、売却手法の議論はあまりなされていないように感じます。   ドルコスト平均法のメリットをおさらいしながら、「売り」について考えてみたいと思います。  

ドルコスト平均法とは?

まず、ドルコスト平均法のメリットは以下の通りです。
 
・一回で大量購入するのではなく、購入時期を分散(=長期積立)することにより、時期による価格の変動リスクを分散できる
・例えば毎月定額を投資する場合、価格が高い月には少なく、価格が低い月には多く投資を行うため、平均購入単価が平準化できる

 
株や投資信託は時期により価格が変動するので、長期積立投資の際は、「時間分散でリスクを低下させる」「平均購入単価を下げる」という二つのメリットを兼ね備えたドルコスト平均法がよいとされているのです。
 

ドルコスト平均法でどのくらい安く買えるか?

それではドルコスト平均法による長期積立で、株や投資信託をどのくらい安く買えるのでしょうか? 金融庁のホームページにあるサンプルを使って検証してみましょう。
 
第1表が、投資信託の価格変動と毎月1万円の定額投資を行った場合のグラフです。これに対し第2表が、同じ長期積立でも毎月2000口の定量投資を行った場合です。
 
第3表に、ドルコスト平均法と定量購入法のパフォーマンスの比較をまとめました。ドルコスト平均法の平均購入単価のほうが、定量購入法の平均購入単価に比べ20%も安くなっています。
 
定量購入法でも少しずつ長期にわたってという継続性による投資効果と大きな意味での時間のリスク分散はできていますが、価格的メリットはドルコスト平均法のほうが大きくなっています。
 
そして20%の差は、高いときに少し、安いときに多くという購入方法によるものということができます。ただし、この20%の差は投資信託の値動きにより変わります。
 
第1表:投資信託の価格変動とドルコスト平均法(定額購入法)による購入価格

金融庁HP「投資の基本」「分散投資」から抜粋
 
第2表:定量購入法による平均購入価格

 
第3表:ドルコスト平均法と定量購入法のパフォーマンス比較

 

それでは、売りの時はどうすればよいか?

「買いはドルコスト平均法」というのは、今や定説といっても過言ではないほどポピュラーなものとなっています。しかし「売りのときはどうするか」という議論はあまり聞きません。
 
「高いときに一括で売ればいい」と言われても、いつが高いのかはよく分かりません。またせっかく買値の25%も利益が出ていたのに、まだ上がるだろうと考えて売りどきを逃したために、利益が5%になってしまった、または、損してしまったということもあり得ます。
 
買いどきもそうですが、売りどきを判断するのも非常に難しいのです。
 
では、どうすればいいのでしょうか。「まだ上がるかもしれない」「もっと利益を得たい」などの気持ちを排除して客観的な基準で売るためには、長期積立に対応する「長期分割売り」をすればいいのです。
 
「長期分割売り」の効用は、時期に伴う価格変動のリスクを時間分散することです。また、売却時期を自分で判断しないため、迷わないということもメリットです。
 
では「長期分割売り」をするにはどうしたらいいのでしょうか。これは買いの逆をやればいいのです。ドルコスト平均法(定額売却法)から定量売却法にして、毎月一定口数を売却する定量売却法を行えば、ドルコスト平均法(定額売却法)に比べて平均売却単価が高く売れます。
 
もし、第1表のグラフのように価格が変動すれば、定量売却法はドルコスト平均法(定額売却法)より、1.25倍(100÷80=1.25)高く売ることができます。
 

買いと売りを合わせて、資産運用は完結する

長期にわたる資産運用において、買いは、長期積立―ドルコスト平均法、売りは、長期分割売り―定量売却法のメリットが大きいことが分かります。この買いと売りの二つを組み合わせて、時間のリスクを考慮した分散投資が完結することになるのです。
 
金融庁:「投資の基本」「分散投資」
 
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

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