2020年はオリンピックイヤー。でも、景気に期待している人は2割程度?
ファイナンシャルフィールド / 2019年12月30日 3時0分
オリンピックムードがいよいよ高まり、景気の行方が気になりだした人も多いはず。好景気が続いて少しでも給料がアップするのであれば、誰しもオリンピックを歓迎したいものです。 しかし1964年、東京オリンピックが幕を閉じた後の日本が、景気後退におちいってしまったのは紛れもない事実です。2020年の東京オリンピック開催にともない、果たして日本の景気はどう変わっていくのでしょうか?
経済効果を当てにしない社会人が多い?数字で見るオリンピック景気の期待度
ベースメントアップス株式会社(本社:東京都渋谷区渋谷)は、社会人202名を対象とした「オリンピック景気」に関するインターネット調査結果を報告しています。本調査で「オリンピック景気に期待していますか?」というアンケートを実施したところ、最も多かったのが「全く期待していない」(48%)という回答です。
次いで「あまり期待していない」(29%)という回答が集まり、この調査から8割近くの社会人がオリンピックに期待していないという事実が浮き彫りになったのです。
注目したいのは、およそ半数もの社会人が、オリンピック景気を「全く期待していない」と回答していることです。多くの人が好景気を感じることができるのは、お金を投じる瞬間に違いありません。私たちは毎日の買い物を通じて、物価の上昇を知ることができます。スーパーマーケットで買い物をするときいつのまにか値上がりした商品を目にして驚くのは、決して珍しいことではないでしょう。
2019年10月より消費税が10%となった今、日常的に増税を意識してしまう場面が多いことも、好景気が実感できない原因のひとつではないでしょうか? また、オリンピックが開催される2020年8月は、現在多くの企業が取り組んでいるキャッシュレス・消費者還元制度が終わりを迎えている頃でもあります。
メディアを通してオリンピックの盛り上がりを知ることはできても、オリンピック景気を肌で感じる場面が少ないというのが、多くの社会人の現状と言えるでしょう。
およそ20%はオリンピック景気に期待しているという事実
本調査によると、「とても期待している」と答えたのは13%で、「それなりに期待している」と答えた社会人も10%にとどまりました。つまり、およそ2割近くの社会人が、オリンピック景気に期待を抱いているということになります。オリンピックが開催される時期、海外からの観光客が押し寄せることになる日本。
外国人観光客の宿泊により、ホテル事業がオリンピック景気の恩恵を受けることは誰もが簡単に予測できるでしょう。さらにオリンピックをきっかけに日本の魅力に触れた観光客が、将来的にリピーターとなってくれる可能性も十分に考えられます。
外国人観光客が日本を訪れることで利益を享受できるのは、ホテル業界にとどまりません。多くの観光客は、旅先で買い物を楽しむものです。外国人観光客が家電や名産品を購入することで、日本の製造業も大いに活気を見せることになるでしょう。また、世界的に人気の日本食を提供する飲食業界も、オリンピック開催中は外国人観光客を獲得できる見込みがあります。
そしてオリンピックの準備が着々と進められる中、好景気の恩恵をふんだんに受けているのが建設業です。選手村や競技業の建設は、オリンピック開催地にとって必要不可欠なもの。道路整備が進む中、さらに建設業の需要は高まるでしょう。
オリンピックの開催が近づくと、求人の増加も見込めるはずです。オリンピック景気の恩恵にあずかる企業では、人手を増やして外国人観光客のさまざまなニーズに対応する必要があるからです。
オリンピック景気の恩恵を受ける人、好景気をじかに感じられない人
オリンピック景気を肌で感じることができるのは、ホテル業や建設業など、限られた業界で働く人たちだと言えそうです。それでもオリンピック景気が生み出す経済効果は未知数です。オリンピック景気が一過性のものか判断できるのは、大会が閉会を迎えてしばらくたったときでしょう。
今は好景気をじかに感じられない立場にある人も、オリンピック閉会後の経済効果に期待を寄せてみてはいかがでしょうか?
出典
ベースメントアップス株式会社「オリンピック景気についての調査」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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