2024年から始まる新型NISA。何がどう変わる?

ファイナンシャルフィールド / 2020年1月7日 9時30分

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今や資産運用でNISAの活用は外せません。NISAには、一般NISA・ジュニアNISA・つみたてNISAの3種類がありますが、このうち一般NISAは、4年後の2024年から新型のものに改変されることになりそうです。詳細についてはこれから決まりますが、「新型NISA」について見てみましょう。  

まずはNISAの仕組みをおさらい

NISAは正式名称を「少額投資非課税制度」といい、2014年に始まった減税制度です。その後、ジュニアNISA、つみたてNISAができましたので、当初からのNISAは一般NISAともいわれます(本稿でも区別のために一般NISAとします)。
 
一般NISAは、年間120万円までの投資については5年間、利益に対して税金がかからない制度です。株式の配当や投資信託の分配金はもちろん、売却して得た値上がり益にも税金がかかりません。通常は所得税と住民税として配当、分配金と値上がり益に20.315%が課税されますので、お得な制度です。
 
NISAでの運用対象となるのは株式や株式投資信託などで、REIT(不動産投資信託)やETF(上場投資信託)も含まれます。いずれも価格が変動する金融商品で、証券会社や金融機関に専用の口座を設けて投資を行います。
 
国(金融庁)としては、利益を非課税にすることで、投資を活性化したいのと、国民一人ひとりに資産形成を促したい、という意向があります。
 
その後、2016年には未成年者を対象に年間80万円までの投資を非課税としたジュニアNISAが、2018年には運用期間が20年間で積立金額が年間40万円までとしたつみたてNISAができました。
 

“5年”という微妙な期間

一般NISAは、5年間は配当や分配金が非課税ですが、一度売却してしまうと、その分の枠は再利用できません。そのためじっくり保有して、できる限り配当・分配金を受け取った上で、5年目に値上がり益を取る、という運用方法が想定されていました。
 
しかし、株式や株式投資信託などは、5年後に確実に値上がりしているとは限りません。値下がりしたとしても、5年後には一般NISAではなくなります。さらに、通常は売却損となった場合に他の株式や投資信託等の譲渡益と相殺して、課税対象額を圧縮できますが、一般NISAではそれができない仕組みになっています。
 
なんとしても5年以内に値上がり益を取る必要があり、そうなると、値上がりしているうちに早めに売却して、値上がり益を確保することが必要になります。
 
5年という期間(2018年までは、1回ロールオーバーすることで10年とすることが可能でした)は意外と短いもので、一度チャンスを逃すとそう簡単に利益が取れるものではありません。5年という期間にこだわらず、値上がりした際にはすかさず売却して値上がり益を取ったほうが良いでしょう。
 
実際、NISA口座で比較的短い期間に売却してしまう人もいるようで、利益を非課税とすることへの批判が出ています。利用している人を見ると、資産を持つ高齢者が多い傾向があり、長期の資産形成には寄与していません。
 

NISAの制度改正案

批判を受けて、金融庁は制度の改正に取り組んでいます。まだ検討段階ですが、すでに報道されているところによると、2024年から一般NISAを2階建ての「新型NISA」に改変するようです。
 
1階部分は年間20万円までの枠で、投資対象はリスクが低い安定商品とします。2階部分は年間102万円までとなっていますが、1階部分の安定商品に投資していることが利用の条件となります。さらに、2階部分でもリスクが高すぎる金融商品については対象から外す予定です。
 
今の一般NISAとつみたてNISAを合体させたイメージになるでしょうか。短期売買の値上がり益が非課税になっている、との批判に応えての改変ですが、筆者としては中途半端な印象を受けます。
 
運用期間は5年間と変わりませんので、やはりじっくりとは見ていられません。5年にこだわらずに、値上がりしたところで売却益を確保する必要があります。
 
一方、比較的若い人にも利用されているつみたてNISAは、投資期間が当初の2037年から2042年までに延長される予定です。また、子どもが18歳になるまで引き出しができなかったジュニアNISAは、23年までの投資期間を延長しないこととするようです。
 
執筆者:村井英一
国際公認投資アナリスト

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