30代夫婦「学資保険を契約しているが、継続したほうがいい?」学資保険のメリットって?
ファイナンシャルフィールド / 2020年1月16日 10時15分
【相談者】30代夫婦・ともに会社員、子ども1人・未就学、世帯年収800万円 【相談内容】現在、学資保険に加入しており、月に1万3000円を支払っています。これは市区町村から支給される児童手当のほぼ全額にあたります。 夫のすすめで、夫が加入している保険会社の学資保険を契約しているのですが、返戻率が格段に良いわけではないため、学資保険と預貯金、どちらもそんなに変わらない気がします。保険会社により違いはあると思いますが、一般的にいう学資保険のメリットを教えてください。
アドバイス
ご相談者の祖父母や親の時代は子どもが生まれたとき、教育資金の準備として学資保険に加入するのがポピュラーでした。しかし、今では、学資保険に加入する方は少なくなっています。
なぜなら、祖父母や親の時代の学資保険の予定利率は現在と比べ高かったため、支払った保険料の総額よりも満期金が少ないということなかったのです。しかし現在は予定利率が低いので、支払った保険料の総額よりも満期金が少ないという元本割れする学資保険も珍しくないからです。
●学資保険とは?
学資保険は一般的に、父親または母親が契約者、子どもを被保険者として契約します。契約者や被保険者には年齢制限があるので注意しましょう。
例えば、M生命の場合、契約者は満18歳~満45歳、被保険者(子ども)は0歳~満6歳までとなっています。保障内容として、子どもの進学年齢に合わせて祝い金が、満期時には満期保険金が受け取れます(貯蓄機能)。祝い金のないタイプもあります。
保険料払込期間中に契約者が死亡・高度障害になった場合には、以後の保険料の支払いが免除されます(保障機能)。もちろんこの場合、祝い金や満期保険金は予定どおり受け取ることができます。さらに、満期まで育英年金を受け取ることができるタイプもあります。
なお、子どもが死亡した時には、死亡給付金としてそれまでの既払い保険料相当額が支払われます。これが学資保険の基本的な仕組みです。
●学資保険を選ぶポイント
保険料払込期間中に契約者(夫)が死亡・高度障害になった場合には、以後の保険料の支払いが免除される点は魅力的ですが、夫の保障は他の保険で充実させればよいと考えることもできます。
一般的には、学資保険は貯蓄性を重視して、支払った保険料の総額よりも総受取額が多い商品を選ぶようにするとよいでしょう。
同じ保険会社の学資保険でも、受取率を工夫しだいで上げることができるのをご存じでしょうか。受取率は、支払った保険料の総額に対する総受取額の割合をいいます。例えば、総受取額が200万円で支払った保険料の総額が187万円であれば受取率は106.9%です。
受取総額を変えることはできませんが、保険料の払込期間を短くすることによって、支払う保険料の総額を少なくできますので、受取率を上げることができます。
ところで、仮に18年後の受取率が106.9%とすると、1年あたり単純計算で0.38%の利回りにしかすぎません。しかも、学資保険は中途解約した場合には元本割れします。したがって、貯蓄機能だけ考えれば学費保険の魅力は以前に比べ小さくなっているといえます。
あえて、これから学資保険に加入するメリットがあるとすれば、中途解約すると損なので心理的に解約しにくい点と、毎月、銀行口座から保険料が引き落とされるので計画的に教育資金を貯めやすいといえます。
ご相談者はすでに学資保険に加入されていますので、継続することをお勧めします。
<学資保険のメリット>
・保険料払込期間中に契約者が死亡・高度障害になった場合には、以後の保険料の支払いが免除になる。もちろん、この場合、祝い金や満期保険金は予定どおり受け取ることができる。
・毎月、銀行口座から保険料が引き落とされるので計画的に教育資金を貯めやすい。
・心理的に解約しにくい。
・学資保険で受け取るお金は「一時所得」なので、もうけの部分の金額が50万円を超えなければ課税されない。
・生命保険料控除を活用できる。
・支払った保険料の総額よりも総受取額が多い商品がある。
<学資保険のデメリット>
・中途解約した場合には元本割れする。
・予定利率が低い時に契約するとその利率が長期間固定されてしまう。
・予定利率が低い時に契約すると元本割れのリスクがある。
・外貨建て商品は為替変動リスクがある。
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー
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