子どものお年玉、どう管理する? どう伝える?
ファイナンシャルフィールド / 2020年1月20日 9時30分
お正月に帰省して、祖父母や親戚からたくさんのお年玉をもらった子どもたち。この時期は、お子さんが手にしたお年玉をどのように管理したらよいか、迷っている親御さんも多いのではないでしょうか?
お年玉の管理と使い方は、将来お金と上手に付き合う練習
子どもが自立するまでに親が手助けできることはいろいろとありますが、将来子どもが上手にお金と付き合えるよう、家庭の中で金銭感覚を育むことは重要なことの一つです。
子どもの頃からお金について考える習慣を持つことは、大人になってから自立して生活していくためにとても大切です。子どもが「お年玉」を手にするお正月は、各ご家庭でお金について考える絶好の機会ではないでしょうか。
お年玉はどのくらい? 何に使っている?
「お年玉」は、小学生から高校生のほとんどの子どもがもらっており、金額の合計は1万円から5万円であることが多いようです。その使いみちは、小学生では「銀行や郵便局に貯蓄(預金や貯金)する」がもっとも多く、中学生・高校生では、「おこづかいで不足する部分にあてる」が多くなっています。
意外にも、小学生は多くが貯金をしているようです。また、全体の4~5割の子どもが、自分の貯金があると答えています(※)。
ルールを決めたら使い方は見守る
最近では、お年玉ならぬ「お盆玉」のポチ袋も販売されるようになりました。お正月とお盆の年2回は、このような高額なお小遣いを手にする子どもたちも見られます。管理や使いみちについては、各ご家庭でお子さんと十分に話し合い、ルール決めをすることが大事です。参考までに筆者宅のケースをお話しします。
(小学生・中学生の時期)
まずは、いただいたお年玉の額を親子一緒に集計し、その中から、子ども自身が手元においておく金額を決めます(このお金は自由に使ってよい)。それ以外は、子ども名義の郵便局口座へ入金します。
通帳は子どもに渡しておき、本人が常に残高が分かるようにしておきます。カードと印鑑は親が管理し、出金したいときは使いみちと金額を子どもに申告してもらい、親子一緒にATMへ引き出しに行きました。
(高校生以上)
高校生からは、通帳もカードも子どもに渡し、本人がすべて管理するようにしました。使いみちもすべて本人に任せます。小学生のうちは、ある程度まとまった金額をもらったことがうれしくて、「とにかく何か買いたい! 」と、おもちゃ売り場で買うものを無理に探すという行動も見られました。
中学生・高校生になると、「親が買ってくれるならほしいけれど、自分の小遣いなら買わない」と、お金の出どころにより優先順位が変わることもありました。そのようなときは、「今本当にほしいもの? 」、「将来本当にほしいものを買うまでに貯めておく? 」など、その都度子どもと確認し合いました。
また、スーパーなどへの普段の買い物は、できるだけ子どもと一緒に行くということも心掛けました。親が限られた予算の中で日常の買い物をどのようにしているかを見せることで、お金に対する計画性を自然に伝えられると感じたからです。
ぜひ、各ご家庭に合ったルールを見つけてください。
見えないお金を使っていくこれからの子どもたち
まだまだ少数派かもしれませんが、最近ではプリペイドカードやスマホ決済などの電子マネーでお年玉やお小遣いを渡している、という話も耳にするようになりました。
帰省しない孫などに渡す際には、現金書留と違って、経費もかからずリアルタイムに渡せる便利な方法です。一方で、お年玉袋に入った現金でないと、「お金のありがたみが分からない」という否定的な意見もありますが、これからの子どもはキャッシュレスの世界に生きていく世代です。
祖父母や親世代の常識とは大きく変わっていきます。電子マネーも現金と同じであるという認識や、その管理の仕方を今から身に着けておくことも必要だと考えます。私たち大人も、新しい世の中に合わせ柔軟に変化していきたいものです。
お金の話で子どもとコミュニケーションを!
お金のルールを決めたら、できる限り使いみちは子どもに任せてみましょう。もちろん失敗や後悔もしていくでしょう。そして、その結果は自分で引き受けさせてください。将来、お金を有意義に使えるかどうかは、経験を積むしかないのです。
必要なものの取捨選択、優先順位、先を見通した予算管理、さらに決断力など、生きていくための能力を鍛えるきっかけとなるでしょう。そして、お金には代えられない大事なものにも気づいてくれるかもしれません。
お正月は、親子で話をする時間が取りやすい時期です。そんなときこそ、お年玉を上手に活用する方法について親子でじっくりと話し合いましょう。
出典 (※)知るぽると 金融広報中央委員会「子どものくらしとお金に関する調査」(第3回)2015年度調査
執筆者:井上美鈴
ファイナンシャル・プランナー,ライフシンフォニア 代表
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