新しいNISAはどんな特徴があるのか。富裕層優遇からの脱却になるのか
ファイナンシャルフィールド / 2020年2月2日 9時0分
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2014年のNISA制度の開始から6年目、今回、制度が見直されることになりました。 従来のNISA(以下、一般NISA)は、年120万円を通常5年間非課税で投資できるというメリットがあったものの、利用者に裕福な高齢層が多いことや、短期売買に使われる可能性もあり、“富裕層優遇”との批判もありました。新NISAがどんな制度になったのか見ていきます。
現在の一般NISA制度とは(非課税枠、期間)
2014年、一般NISAは年間100万円までの投資額が非課税になるという制度としてスタートしました。開始の背景には、個人投資家向けの税制優遇を行い、家計の自助努力に基づく資産形成を応援するという目的があります。2016年からは、非課税になる投資額が年間120万円までと拡大されました。
口座開設から5年経つといったん、非課税枠は終了しますが、ロールオーバーという手続きをすればさらに5年間、非課税で運用することができます。2023年まで毎年口座を開設できるのも特徴です。
2階建て制度に! 新NISAの特徴を紹介
2024年から始まる新しい一般NISAは、口座開設期限が2028年までと5年間延長されます。内容は少し複雑なものとなり、1階部分と2階部分に分かれた制度となっています。基本的には1階部分を利用する投資家が、2階部分も利用できるというものです。詳しく見ていきましょう。
1階部分は、リスクの低い投資商品に限定した積立枠です。初めて投資する方などが対象で、年間20万円を投資できます。対象となる商品は、現在のつみたてNISAと同様の長期投資に向いた商品(長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託)です。
一方、2階部分は、現行の一般NISA同様に株式に投資できます。年間102万円までの投資額が非課税です。1階部分と2階部分を合わせると、年間で122万円までの投資額に対して非課税になります。現行の120万円に比べると2万円の枠が広がっています。
これまで一般NISAを使って運用していた方は、1階部分の積み立てを行わずに、2階部分のNISA枠を利用できるのもポイントです。
つみたてNISAは延長、ジュニアNISAは廃止
今回の改正では、つみたてNISA制度への変更もありました。2018年にスタートしたつみたてNISAは、2037年まで20年間、年40万円を非課税で運用できるというものでした。2018年に口座開設した人は最大800万円を運用できますが、2019年以降にはじめた人は運用額が800万円に届かないというデメリットがありました。
改正では、口座開設の期間が5年延長され、積立ては現時点で2042年(令和24年)まで可能となりました。そのため、2023(令和5)年までに口座を開設すると、満額の800万円まで積み立てることも可能です。
制度自体も2037年から2042年までと5年間延長されます。つみたてNISAと新NISAは併用できませんので、どちらかを選択することになります。ただし、新NISAの1階部分で積立てた100万円(20万円×5年)は、新NISA終了(2028年)後、つみたてNISAに移行すること選択できます。
また、利用者の少ないジュニアNISAは、新規の口座開設を2023年までとして、それ以降は廃止されることになりました。
まとめ
一般NISAは、ローリスクでの積立運用を行う1階部分と通常の投資を行う2階部分という複雑な制度になりました。一般NISAに積立運用があるものの、つみたてNISAという制度もあるので、今後さらに制度の整備が行われる可能性はあると思います。
筆者自身は一般NISAの恒久化を望んでいます。新NISAが資対象や運用期間の制限のない制度になれば、もっと資産形成の普及は広がるのではないでしょうか。
参考:自民党・公明党「令和2年度税制改正大綱」
執筆者:吉野裕一
夢実現プランナー
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