住まいの終活、トラブルにならないために事前に知っておきたいこと
ファイナンシャルフィールド / 2020年2月4日 9時30分
土地や建物を所有している人が亡くなると、相続人がその不動産を引き継ぐことになるのが一般的です。その際、相続人の間でトラブルになるケースがあります。住まいの終活を進めるうえで、相続について事前に知っておくことでトラブルを回避できる可能性があります。
なぜトラブルが発生するのか
相続人が複数いる場合、相続する財産が預貯金であれば、相続人で振り分けるのは難しくありません。しかし不動産では、預貯金のように簡単に分けられない場合があるなど、分け方でトラブルになるケースがあります。
不動産の相続トラブル回避につながる知識として、事前に知っておきたい民法における相続について、確認してみましょう。
相続の順位
相続する順位は、以下のとおり民法で規定されています。
【相続する順位】
配偶者: 常に相続人となります
第一順位: 子
第二順位: 直系尊属(父母・祖父母など)
第三順位: 兄弟姉妹
例えば、被相続人に配偶者と子(第一順位)がいれば、相続人は配偶者と子になります。しかし、子がいない場合で直系尊属である父母(第二順位)が亡くなっていなければ、相続人は配偶者と父母です。子がいない+父母も亡くなっているが兄弟姉妹(第三順位)がいる場合は、相続人は配偶者と兄弟姉妹ということになります。
相続する割合
相続する割合(法定相続分)についても、以下のとおり民法で規定されています。
【相続人と相続する割合(法定相続分)の例】
配偶者のみ: 配偶者100%
配偶者と子: 配偶者2分の1、子2分の1(全員で)
配偶者と父母: 配偶者3分の2、父母3分の1(全員で)
配偶者と兄弟姉妹:配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1(全員で)
上記のように、相続人に該当する人が複数いる場合は、民法で規定されている割合で財産を相続することになります。ただし、遺言書がある場合はその内容に従ったり、遺産分割協議によって相続財産が分割される場合もあります。
不動産の相続でトラブルになる主なケース
不動産の相続でトラブルになる例として最近多いのが、子どものいない夫婦で、不動産の名義人である夫(兄弟姉妹がいる)が亡くなった場合です。
夫婦の間では、夫が亡くなった後、妻が自宅を相続して引き続き住むということになっていましたが、相続人である兄弟姉妹が自宅の権利(相続割合4分の1)を主張してくるというケースです。
民法における相続について知らなかったことで、夫婦の間では暗黙の了解となっていたことが実施できなくなる可能性もあります。
ですので、住まいの終活を進めるうえでは、まず民法上の相続人を確認しておきましょう。トラブルが想定される場合は、「自宅は妻に相続する」といった内容の遺言書を作成するなどの対策・準備をしておく必要があります。
まとめ
不動産の相続でトラブルになるケースは少なくありません。トラブルが想定される場合は、住まいの終活を進めるうえで、民法における相続について知っておくことで、事前に対策などをしておくことができるため、トラブルを回避できる可能性が高くなります。
特に、相続人が複数いる場合は、相続人間の関係が必ずしも良好ではない場合がありますので、その点についても十分考慮する必要があります。終活を進めるのであれば、残される人たちの間でトラブルになるのは避けたいですからね。
執筆者:中田真
CFP(R)認定者、終活アドバイザー
関連記事
相続人が誰もいない・・・どうなる実家!
【相続トラブル例】実家を複数の相続人が共有した場合の対処法は?
不動産の活用が有効な相続税対策になる
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
家族全員が絶句!長女の夫が悪気なく放った「失礼すぎるひと言」に遺産分割協議の場が凍る【揉める相続の実情】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月21日 10時15分
-
長年連れ添った配偶者に確実に財産を残したい…その悩みを解決するため〈生前〉にしておくべき「たった一つのこと」【終活のプロが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月19日 10時15分
-
私は病弱でずっと母には迷惑をかけてきました。母は今も心配して頻繁に連絡をくれます。自分が死んだら母にすべての遺産を渡すことはできますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月13日 23時10分
-
「相続放棄」した場合、“代襲相続”は発生するのか?…具体的な〈2つのケース〉をもとに解説
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月10日 11時45分
-
「おふたりさま夫婦」だから起る「"相続"の大問題」 妻が夫の遺産を100%相続できないって、本当?
東洋経済オンライン / 2024年6月28日 7時40分
ランキング
-
1大谷翔平&真美子さんのレッドカーペット中継に… 人気アイドルが「思いっきり映ってる」と話題
Sirabee / 2024年7月18日 15時40分
-
2平日は毎日「レッドブル」を飲んでいます。「1日の飲料代」として高すぎますか? また、体への悪影響はないでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月20日 3時20分
-
3みなとみらいに爆誕「巨大フードコート」のスゴさ 「ワールドポーターズ」で世界の味を楽しめる
東洋経済オンライン / 2024年7月21日 12時0分
-
4【インプラント治療】どの歯科医師、歯科医院を選べばいいか?「“楽で簡単な治療”と広告でアピール」「治療費が安すぎる」には要注意
NEWSポストセブン / 2024年7月21日 11時14分
-
5新型コロナワクチンの定期接種、10月から開始…全額自己負担の任意接種費は1万5000円程度
読売新聞 / 2024年7月21日 19時21分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください