住宅ローンの相談をする前に、自分で確認しておきたいポイント
ファイナンシャルフィールド / 2020年2月6日 10時0分
もし、あなたが「そろそろマイホームを」と考えたときに、まず気になるのは「良い物件」を選ぶことでしょう。 そして、それと同時にマイホームの資金調達のための「住宅ローン」選びも重要な要素といえるでしょう。多くの方にとって、一生の中で数少ない体験となるため、わからないことがあるのは当然です。そのような時に相談できる相手は誰でしょうか?
住宅ローンについて相談できる場所
まずは、以下の住宅金融支援機構の民間住宅ローン利用者の実態調査の結果をご覧ください。
住宅ローンを実際に利用した方からの回答で、役立った情報源として断トツの約半数を占めるのは、「住宅・販売事業者(営業マン、店頭、営業所など)」となっています。やはり、住宅を購入する段階で最も頼りにされているのは、いわゆる不動産仲介会社、住宅メーカーなどです。
住宅ローンについても不動産業者がすすめる提携ローンを利用することでスムーズに手続きが進めることができ、有利な条件で契約できる場合もあります。
この結果から、特に初めて住宅ローンを検討する場合には、良い不動産業者(良い担当者)を見つけ、しっかりと相談しながら手続きを進めていくことが住宅ローン選びに失敗しないための秘訣といえるでしょう。
住宅金融支援機構「2018年度 民間住宅ローン利用者の実態調査【民間住宅ローン利用者編】(第2回)」
そして、2番目に多い回答はインターネットです。以前までは2番目は金融機関でした。当然といえば当然ですが、現代はインターネットを使えば、ほとんどの情報を得ることができます。
また、24時間365日いつでも住宅ローンの申し込みができる「ネット銀行」の普及もその要因の一つといえるでしょう。ネット銀行では、ローン相談専用ダイヤルによる電話相談やスカイプ(インターネット無料通話)などを使った相談対応も実施されています。
3番目には金融機関が挙げられています。昨今の史上最低の金利水準の中で、前述のネット銀行の台頭などもあり、金融機関の間でも熾烈な顧客の争奪合戦が繰り広げられていることは確かです。銀行は、各支店での相談窓口だけでなく、個人向けのローンを専門に扱う窓口として「ローンプラザ」を開設している場合も多いです。
また、通常の営業時間とは別に平日夕方や夜間、さらに土日祝日でも相談できる体制をとっている場合もあります。原則は事前予約制となっており、待ち時間もなく、じっくりと相談できることがメリットの一つといえるでしょう。
住宅ローンの専門家はいるの?
ここまで、住宅ローンの利用者が住宅ローンを利用する上で役に立った情報源として回答した上位三者を見てきました。これら3者の共通項は顧客に対して何らかの目的を持って接しているという点です。第1位の不動産業者の目的は、ずばり「家を売ること」です。
第2位のインターネット(ネット銀行など)、第3位の金融機関とともに、目的は「住宅ローンの契約を通じて優良な顧客を獲得すること」でしょう。つまり、3者とも「何かを売りたい」「何かを得たい」という目的があるということがいえるでしょう。
そんな中、顧客の利益を優先し、中立したアドバイスができる存在がファイナンシャルプランナー(以下、FP)といえるでしょう。ただし、士業なども同様ですが、一言でFPといってもそれぞれ得意とする分野が異なります。
例えば、FPがカバーする分野は保険、金融、相続、不動産などさまざまな領域があります。やはり、住宅ローンの相談については、その分野を得意とするFPに相談すべきでしょう。
一般財団法人住宅金融普及協会が運営する「住宅ローンアドバイザー」という資格制度があります。あくまでもひとつの目安ですが、不動産取引に関する宅地建物取引士を含め、このような資格を有しているFPは、住宅ローンの相談対応に必要となる一定レベル以上の知識や情報を有しているといえるでしょう。
また、FPの資格を有している方の多くは、会社や団体など何らかの組織に属していることがほとんどです。独立してFP業務に専業として取り組んでいる方はほんの一握りしかいないでしょう。
組織に属しているFPが決してダメということではないですが、組織によっては、利害関係などにより紹介できる商品やサービスに偏りが出てしまうことも考えられます。
相談される方は、それらの背景を十分理解した上で相談に臨まれることが重要となります。FPへの相談のメリットは、第三者的な視点で中立したアドバイスが得られることです。
例えば、銀行から勧められた住宅ローンのプランに対しての他行との比較検討や手数料や団信などを含めた総合比較などについてもアドバイスをもらうことができるでしょう。
住宅ローンについて相談する前に確認しておきたいこと
FPへの相談は、すでにもらっている提案内容を、改めて検証する上でも有効な手段であることを記載しました。一点注意したいのは、FPへの相談は原則有料となるということです。それぞれのFPにより料金設定などはもちろん異なりますので、事前に確認した上で相談することが必要です。
FPへの相談のもう一つのメリットは、住宅ローンの返済計画を含めた将来的なライフプランに基づくキャッシュフロー表を作成できることでしょう。毎年の家計収支の予測や将来的に必要となる資金を数値化することで、住宅ローンが無理なく返済できる額であるのかをシミュレーションすることができます。
また、住宅購入の前後に活用できる「すまい給付金」、「住宅借入金等特別控除(住宅ローン減税)」、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」など税制面での優遇策についても確認することができるでしょう。
つまり、より第三者的で総合的なアドバイスがほしい場合や家計全体への影響を含めたアドバイスがほしい場合などには、FPへの相談は有効な手段といえるでしょう。ただし、時間制などの有料相談となる場合が多いので、事前に相談したい(知りたい)ポイントをまとめておくことが重要となるでしょう。
まとめ
前述の実態調査の結果からもわかる通り、住宅ローンの選定を含めた住宅購入の成否に最も影響があるのは、「良い不動産業者を選ぶことができるか」ということでしょう。そして、それに第三者としての適切なアドバイスが加われば、安心感も格段に増すものと思います。
一生の中でそんなに多くない住宅ローンの契約ですから、自ら納得して、安心して選択したいものです。
出典 住宅金融支援機構「2018年度 民間住宅ローン利用者の実態調査【民間住宅ローン利用者編】(第2回)」
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
関連記事
知っている人と知らない人では『100万円以上の差』意外なところで差がつく住宅ローン
住宅ローンを相談しに行く前に知っておきたいポイント
【FP解説】住宅ローンはどのように選べばいい?確認するべきポイント
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
お金の悩みに「良質なアドバイス」がもらえる!金融経済教育推進機構の「J-FLEC認定アドバイザー」の活用術【FPが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月18日 11時15分
-
「後悔しています」不動産業者に勧められて組んだ「住宅ローン」…年間返済額平均「174万円」の重み
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月9日 19時15分
-
身内から、格安で住まいを譲ってもらえる話が来ました。安い物件なら給与が低くても住宅ローンを組めるでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月2日 10時0分
-
銀行「全額、貸せますよ」…世帯年収1,000万円「2人とも公務員の安泰夫婦」、都内8,000万円・新築マンションをフルローン購入も自滅
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月2日 5時15分
-
「退職金」はどんな銀行に預けるのがいい?
オールアバウト / 2024年6月30日 21時20分
ランキング
-
1大谷翔平&真美子さんのレッドカーペット中継に… 人気アイドルが「思いっきり映ってる」と話題
Sirabee / 2024年7月18日 15時40分
-
2平日は毎日「レッドブル」を飲んでいます。「1日の飲料代」として高すぎますか? また、体への悪影響はないでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月20日 3時20分
-
3みなとみらいに爆誕「巨大フードコート」のスゴさ 「ワールドポーターズ」で世界の味を楽しめる
東洋経済オンライン / 2024年7月21日 12時0分
-
4【インプラント治療】どの歯科医師、歯科医院を選べばいいか?「“楽で簡単な治療”と広告でアピール」「治療費が安すぎる」には要注意
NEWSポストセブン / 2024年7月21日 11時14分
-
5新型コロナワクチンの定期接種、10月から開始…全額自己負担の任意接種費は1万5000円程度
読売新聞 / 2024年7月21日 19時21分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください