パパの育休、取得したくてもできない?上司世代との意識の違いや収入減への不安の声も
ファイナンシャルフィールド / 2020年2月17日 23時0分
![パパの育休、取得したくてもできない?上司世代との意識の違いや収入減への不安の声も](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_70433_0-small.jpg)
男性の政治家が育児休暇を取得するなど、男性も育児休暇を取得しようという流れができつつありますが、実際に子どもが生まれて育児休暇を取得したいと思ってもできないという人も少なくありません。 男性が育児休暇を取得したくてもできないハードルにはどのような要因があるのでしょうか。そこには周囲の理解だけではなく、収入に対する不安もあるようです。
男性の育休取得率は世代間ギャップが大きい
男性の育児休暇について、実際どれくらいの人が取得しているのでしょうか。株式会社インテージが行った調査によると、子どもと同居している民間企業/公社/公的機関勤務の20~50代男性の育児休暇取得率はわずか7.9%となっています。
しかし、この取得率は世代間ギャップがかなり大きくなっており、20代の場合は育児休暇取得率が20.4%、30代の場合は14.9%と全体平均を大きく上回っています。
育児休暇取得率を大きく下げているのが40代以降で、40代は2.4%、50代は3.7%と全体平均を大きく下回った数字になっています。年配者は自身の子どもが生まれた当時、育児休暇の制度がなかったという場合もあるかもしれませんが、世代間ギャップを感じる数字なのは間違いないでしょう。
次に、育児休暇を取得しなかった人に育児休暇を取得したかったかを聞きましたが、ここでも世代による意識の違いがみてとれます。
「取得しなかったが、取得したかった(できなかった)」という人も若い世代の方が多くなっていて、40代と50代でも10ポイント近くの差があります。また、男性の場合、育児休暇を取得した場合であっても取得期間は1週間程度までが過半数で、短い休みが取れるのがせいぜいといった結果になっています。
育休を取得しなかった/できなかった人に聞いた育児休暇を取得しなかった理由で最も多いのが、周囲に育児休暇を取得している男性がいなかったというものです。育児休暇を取得した人であっても、周囲のことを考えると母親のように何ヶ月も休暇を取るということは難しいのが実情のようです。
取得しなかった理由に収入減への不安が
育児休暇を取得しなかった理由の1位は「周囲に育休を取得している男性が(ほとんど)いないから」ですが、それに次ぐ2位が「育休中の収入減が不安だったから」というもので40.3%でした。
3位の理由が「元の業務/ポジションに復帰できるか不安だったから」で19.9%と2位と3位の間にかなり差がありますから、周囲と収入の問題が育児休暇の取得を躊躇させる二大理由であることは間違いないでしょう。
育児休暇の取得を断念した理由として「育児休暇中の収入減への不安」を挙げた人は、逆に言えば収入に対する不安がなければ育児休暇の取得に踏み切ったとも考えられます。
今後の育児にかかる費用のことを考えると、育児休暇を取得して収入が減ってしまうということは大きな不安要因となりますし、取れたとしても短期の取得にしておこうと抑制してしまうようです。元のポジションへの復帰や査定などに対する不安も含めると、育児休暇取得の最も大きいハードルとなっているのが収入面への不安と言えるのではないでしょうか。
男性の育児休暇は収入減の不安解消と周囲の理解が必要
男性の育児休暇が話題になっていますが、調査結果を見ると取りたいという意欲があっても、周囲の理解のなさや収入減への不安からなかなか理想通りの育児休暇を男性が取得するのは難しいのではないでしょうか。
若い世代では育児休暇への理解が深まっていますが、今後の取得率を高めるためには会社や上司などの育児休暇への理解がより重要になってくるでしょう。
出典 株式会社インテージ「男性の育児休暇取得についての調査」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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