資産運用はしたいけど元本が減るのが怖い…そんなときに検討したい「個人向け国債」とは
ファイナンシャルフィールド / 2020年2月20日 11時15分
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老後資金を少しでも増やそうと銀行に勧められるままに、退職金を投資信託で運用した結果、元本を増やすどころか減らしてしまう人は少なくありません。 かといって、定期預金に預けていたのでは今の超低金利時代、ほとんど増やすことができません。今まで投資をしたことがない方が、いきなり大金を投資信託といったリスク商品につぎ込むのは感心しません。 投資の基本的な知識が身につくまで、投信信託は少額から始め、遊んでいるまとまったお金は、とりあえず「個人向け国債」で運用してみてはいかがでしょうか。「個人向け国債」は元本割れせず、定期預金よりも多少お金を増やすことが期待できるからです。
定期貯金ではほとんどお金が増えない
某大手銀行のスーパー定期(1年)の金利は、年利0.01%(2020年1月)です。100万円預けても1年後の利息は100円(税引き前)にしかなりません。
では、倍の200万円にするには何年かかるでしょうか。そんな時、「72の法則」が役立ちます。これは、お金が2倍になる年数がすぐにわかる便利な算式です。
「72の法則」
72 ÷ 金利 ≒ お金が2倍になる年数
72 ÷ 年数 ≒ お金が2倍になる金利
たとえば、金利1%でお金を運用した場合、72÷1=72ですので、72年で2倍になることがわかります。金利が0.01%ならば7200年もかかります。
また、お金を2倍にするには何%の金利で運用したら良いかも簡単にわかります。10年で2倍にしたいのなら、72÷10=7.2ですので年利7.2%で運用することが必要です。
現在は超低金利ですので、定期預金にお金を預けてもほとんど増えません。ひと口に金融商品といってもさまざまな種類があります。金融商品の性格を知るには「安全性」「流動性」「収益性」が基準になります。
簡単に説明すると、安全性は元本割れしないこと、流動性は換金のしやすさ、収益性は運用利益が見込めることです。これら3つの基準をすべて満たす金融商品はありませんので、収益性が高ければ安全性は低い、流動性が高ければ収益性は低いなどの関係があります。
このようなことを知っているだけでも、高金利の元本保証のある金融商品は詐欺ではないか、銀行の勧める高金利定期の退職金プランにはカラクリがあるのではないか、と疑うことができるはずです。
投資の入門商品「個人向け国債」とは
定期預金にお金を預けても増えないからといって、いきなり投資信託に大金を投入してしまうのは危険です。収益性は期待できますが安全性は低いからです。
公社債を中心に運用するのか株式中心で運用するのかによっても、投資信託の性格は変わってきます。また、一度に資金を投入せずに分散投資すれば、リスクをある程度コントロールすることが可能です。
このような投資の基本知識が身につくまでは、例えば少額で投資信託を購入し、まとまったお金は安全性の高い「個人向け国債」で運用するという方法があります。
国債は、国が発行する債券(借用証書のようなもの)です。満期まで保有すれば元本が保証されます。国債は、債券の中で最も信用度が高く、流通量も多いため、流動性も高く、安全性も高い金融商品です。
国債を換金するときには、市場で売却する必要があります。売却時の市場価格によっては、売却益が得られることもあれば、売却損を被ることもあります。
これに対して、個人向け国債は、一般の国債と異なり次の特徴があります。
一般の国債は中途換金すると、金利上昇時には元本割れするリスク(金利と債券価格は逆の関係にある)がありますが、個人向け国債は、中途換金でも国が元本を保証します。
また、実勢金利がどんなに下がったとしても0.05%の最低金利保証があります。購入単位も一般の国債が5万円単位なのに対して1万円単位です。中途換金も1万円からできます。ただし、発行後1年以上経過で換金可能です。その際、直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれます。
個人向け国債には、半年ごとに適用利率が変わる変動金利型(10年)、発行時に設定された利率が満期まで変わらない固定金利型(3年・5年)があります。個人向け国債はお近くの金融機関等で購入できます。
2020年1月募集分の適用金利はいずれも0.05%です。現時点で購入するのであれば、金利上昇時のメリットを得られる変動金利型が良いでしょう。
証券会社等は、購入額に応じて現金プレゼントやポイントを付与するキャンペーンを行っています。たとえば、変動金利型(10年)では100万~200万円購入すると、2000円が現金でプレゼントされるなどです。1000万円だと4万円です。どこで購入するかもしっかり検討しましょう。
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。
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