早期退職して50代で独立開業!そんな時に注意すべきポイントって?
ファイナンシャルフィールド / 2020年2月22日 10時0分
![早期退職して50代で独立開業!そんな時に注意すべきポイントって?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_70805_0-small.jpg)
近年、早期退職が話題になっています。 調査会社の東京商工リサーチによると、上場企業の早期退職者の募集は、2019年1~11月でのべ36社1万1351人(18年の年間社数・人数の約3倍)と、6年ぶりに1万人を超えました。経営不振の業界はもちろん、業績が好調なうちに人員を適正化し、事業環境の変化に備えようとする企業も多いようです。 50代ともなれば、今の会社員人生の先を見通す時期。人生100年時代、会社員から次のステージへと、今の仕事に別れを告げ、退職金で念願のお店を持ちたい、今まで培ったスキルを元に独立開業したい、そういった思いを抱く方もいるのではないでしょうか。
会社員が独立開業する際の注意点は、社会保障が手薄になること
公的年金や社会保険の適用種類が変わることが、会社員から自営業者になるときの最大のデメリットといえます。
![](https://financial-field.com/wp/wp-content/uploads/2020/02/75e53d4448e1e2458319d198b7c42715-34.jpg)
(※)国民健康保険には「傷病手当金」と「出産手当金」の給付がありません。
例えば、会社員が傷病により連続3日以上休業し、無給または減額になった場合、4日目から最長1年6ヶ月まで、健康保険制度から標準報酬日額の約2/3を給付してもらえる制度があります。
自営業者の場合は、収入を失った分は預貯金や保険で備えるしかありません(今まで勤めた会社の任意継続被保険者であっても、上記の給付の対象外です)。
このように自営業者になった場合は、自身や配偶者の保険料負担は多くなり保障は小さくなります。老後資金や万一の備えに対し、会社員以上に自助努力が必要になることを抑えておきましょう。
なお、法人設立した場合は、会社として社会保険に加入すれば会社員と同様になります((4)と(5)は除く)。
助走期間にヒト・モノ・カネを作ろう
独立してはたしてうまくいくのか、誰しも心配になることでしょう。まずは「副業」をはじめ、その後独立に向けての「事業計画書の作成」をしてみるのはいかがでしょうか。
例えば、飲食店の開業では、飲食店営業の許可を得られるように場所を改造・改装したり、機器・道具をそろえたりと、オープン前にまとまった資金がかかりますが、その後必ず成功するわけでもありません。では、もっと気軽にチャレンジする方法はあるのでしょうか?
最近開催されるイベントでは、マルシェが人気です。キッチンカーをレンタルして出店する他業種の人も多いようです。レンタル料や出店料、食品衛生責任者の講習を受けたり、提供する食に関する許可を得たりするための投資は必要ですが、モニタリングができるのと同時に業界ネットワークや開業資金も準備できるので、いきなり店を構えるよりハードルが低いかもしれません。
自身のスキルを武器に勝負したい人の場合、他社または他業種でも応用が効くのか、汎用性があるのかを調べておかなくてはなりません。
営業の場合、会社のブランド力が影響することも多いため、看板がない状態で自身の能力がどれくらい発揮できるのか、冷静に見つめることが必要でしょう。社会の課題を解決するビジネスの場合も、思いはあっても資金が回らない企業は多いようです。
大企業には、個人事業者にないカネ(ビジネスへの投資資金)とヒト(組織)があります。儲かるモノと仕組みを作り、欲するヒトや協力し合う仲間を探し、試行錯誤しながらカネを生み、そのすべては自己責任。このような仕事スタイルは、長年会社生活をしている人にとっては真逆の発想を求められる部分でもあり、自分がそれに耐えられるのかどうかも含めて検討しましょう。
人生100年時代だからこそ、次のステップに移るときには長期的な視野を持って準備を怠らないようにしたいものです。
(出典)東京商工リサーチ 2019年(1-11月) 上場企業「早期・希望退職」実施状況
執筆者:うらのまさこ
不動産業界出身のFP
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