アジア圏の国ってどれくらいキャッシュレス決済を使っているの?日本での決済の不満って?
ファイナンシャルフィールド / 2020年2月24日 2時0分
近年、日本を訪れる外国人観光客は増加しており、日本政府観光局によると、2018年の訪日外客数は3119万人にのぼりました(※1)。 観光庁によれば、同年の訪日外国人旅行消費額は4兆5189億円、1人当たりの旅行支出は15万3029円でした(※2)。政府は2020年に「訪日客消費額8兆円」を目標としていますが、達成にはまだまだ遠いです。 目標達成のためには、日本を訪れた外国人たちにもっと買い物をしてもらいたいのですが、彼ら彼女らが買い物をする際、何か不都合はないのでしょうか? “日本好き”コミュニティサイト『FUN! JAPAN』を運営する株式会社Fun Japan Communications(本社:東京都港区)は、台湾、香港、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、インドのアジア7カ国に対して、日本旅行中の理想の決済手段や、今までにあった決済についての不満について調査しました(※3)。もしかしたら決済の手段に不満があるかもしれません。
インドとインドネシアはデビットカードが主流。スマホ決済の利用は各国とも3割未満
各国で日常的に使われている決済手段を尋ねたところ、すべての国で「現金」がトップとなりました。次に多いのは「カード決済」で、インドとインドネシア以外は『クレジットカード』が最も多い結果となりました。
『クレジットカード』が8割以上であるのが台湾と香港で、タイ、ベトナムは50%台、マレーシアは48%でした。インドとインドネシアは『デビットカード』が主流で、それぞれ56%、40%でした。また、「スマホ決済」に関しては、各国とも利用率が3割未満でしたが、いずれの国も『バーコード決済』と『非接触決済』が同程度となりました。
カード決済は主要なものはほぼ対応。スマホ決済は各国独自のものが多い
次に、よく利用する決済手段のサービスやブランド名称を尋ねました。カード決済については世界6大ブランドと言われるVISA、MasterCard、JCB、アメリカン・エキスプレス、銀聯が回答のほぼすべてを占め、インドネシアやインドでは、銀行系のデビットカードの名称が挙がりました。スマホ決済については、各国のサービスが使われているようです。
日本旅行での理想の決済手段を聞くと、「現金払い」がトップですが、日常的な決済手段と比較すると「現金払い」の割合は減少しています。特に台湾は、「現金払い」が80%に対し、「クレジットカード払い」が82%と上回っています。インドのみ、デビットカードが50%と、クレジットカードの27%を上回っています。
日本旅行での決済の不満は「現金のみ」「自国のサービスが使えない」
日本旅行中に、使いたい決済手段が使えず、不満に感じたことはあるか聞きました。マレーシアは不満に思ったことのある人は少なく、92%が満足と答えました。タイ・インドは2割、台湾・香港・インドネシア・ベトナムの4カ国では、3~4割の人が今までに決済手段に不満を感じた経験があるようです。
決済について不満を感じた場面を聞いたところ、各国とも「物品の購入時」「飲食店の利用時」「交通機関の利用時」となりました。
不満を感じたことがある人に、その時のエピソードを尋ねたところ、各国共通の不満1位は「カードが使えない」でした。具体的には「カードでの支払いができず、かつ現金の持ち合わせがなかったため、欲しいと思ったものが買えなかった」「大きな店舗でも現金のみの場合がある」といった意見が挙がりました。
また、日本で自国のサービスが使えないという不満も見られました。台湾人からは、「LINE Payが使える、と書いてあっても台湾のLINE Payは使えない」、同様に香港人からも「中国のAlipayは使えるのに、Alipay HKが使えない」というようなコメントがありました。
今後、訪日外国人の消費を増やすには、やはりカード払いに対応したり、決済手段の幅を広げるなどする必要があるようですね。
出典
※1:日本政府観光局「年別 訪日外客数, 出国日本人数の推移」
※2:観光庁「訪日外国人消費動向調査2018年年間値(確報)」
※3:株式会社Fun Japan Communications「日本旅行中に使いたい決済手段」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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