ガン検査が手軽になる時代のガン保険の選び方
ファイナンシャルフィールド / 2020年3月9日 10時0分
![ガン検査が手軽になる時代のガン保険の選び方](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_71865_0-small.jpg)
テレビや新聞で芸能人やアスリートなどの有名人がガンを患って長期休養するというニュースをよく目にします。年代に関わらず10代でもガンを患う方がいることも広く知られるようになりました。 以前は「ガンを患う=亡くなる」という認識が強かったですが、近年はガンを克服して以前と同じように活躍される有名人も多くいらっしゃいます。一方で、ガンを患ったことを発表してまもなく、残念ながら若くして亡くなられる方もいらっしゃいます。 ガンは早期発見すれば治療できる時代です。早期発見してしっかり治療できるように、ガン保険への加入は若い頃から検討していきましょう。
1万円以下の検査費用で早期ガンを発見できる時代
ガン検査といえば、エコー、MRI、CT、PET-CTといった専門の大型機械や器具を使った検査で時間がかかるうえに費用が高額になるイメージがあります。しかし、今年1月に簡単な検査で早期のガンを発見できるようになりました。2019年秋ごろから各種メディアでも発表されてきた「線虫(線形動物)」を使ったガン検査です。
線虫とは土などに生息する微小な生物のことで、小さなものは体長わずか数ミリです。今の成人の日本人なら子どもの頃行った「ぎょう虫検査」のぎょう虫も線虫の一種です。寄生虫のイメージが強い線虫ですが、研究の結果、ガン検査に活用されることがわかり実用化されました。
尿一滴で検査することができて検査費用は9800円。検査費用が1万円以下で、約90%の確率で15種類のガンを発見できるそうです。発表によるとガン患者の尿に含まれるにおいを餌と考えて線虫が集まっていく性質を利用した検査方法です。
まだガンの種類までは特定できないそうなので、線虫の検査でガンの可能性があると診断されたら、より細かいガン検査が必要になります。いずれは、線虫の遺伝子を操作することでガンの種類まで特定できる検査になることを目指しているそうです。また「健常者」を「ガンではない」と判定することも約90%の確率でできるそうです。
ただ、しばらくは限られた医療機関などでしか検査できないうえ、予約でいっぱいとのことです。今後設備や線虫の数の確保などこれから整備されていくことが期待されます。
手軽なガン検査を受ける前にガン保険に加入
ガン検査を手軽にできるのは良いことですが、異常が見つかると保険に加入できなくなることがあります。今のガン検査の機械で撮影した画像でわずかな影がある、小さな塊があるなどのささいな異常診断でも医療保険・ガン保険に加入できなくなることが多いです。
今後は各保険会社の判断が注目されますが、今回紹介した線虫による新しい検査でガンの可能性がある(まだ「○○ガン」という診断名がついていない段階)という結果も、告知事項での広い意味で、健康診断での異常に含まれると思われます。
手軽にガン検査をして、異常が見つかってからあわててガン保険に加入しようと思っても、その異常が告知事項になります。異常を告知しなければ加入できますが、告知義務違反となってガンの診断書を提出しても保険金は支払われない、あるいは強制解約になることもありえます。
ガン検査や健康診断は異常を見つけることが目的です。もしもガンや将来ガンとなる可能性がある異常を見落としていたら、検査をした医療機関が訴えられることもあります。
そのため、ほんの小さな異常でも結果に残して、その後の定期検査で比較し、悪化していないかを経過的に観察します。数年経過しても全く悪化しない場合はガン保険に加入できることもありますが、異常が発見されてしばらくは加入できないでしょう。
今回の線虫によるガン検査も1割はガンではない方でもガンの可能性があるという診断が出るのかもしれません。その場合でもガン保険に当面加入できないかもしれないことを考え、ガン検査を受ける前にガン保険に加入しておきましょう。
初期ガンを保障内容に含めるかどうか
保険会社によっては上皮内新生物、いわゆる初期ガンについてはガンと見なさず保険金支払いの対象としていない、または支払金額に差を設けている場合があります。
皮膚ガンも悪性黒色腫という進行が早いガン以外はガンと見なしません。ただ、初期ガンをガンと見なさないのは、初期ガンは早期発見のガンで治療費もさほどかからないからという考え方で、ガン保険でカバーする必要が無いということもいえます。
保障対象を狭めることで、初期ガンも保障するガン保険よりも保険料を安く設計できるという場合もあります。
10代、20代ならば初期ガンを保障の対象に含めてもそれほどガン保険の保険料は高くならないことが多いですが、40代を過ぎてからの加入となると保険料が高くなりますので初期ガンを保障から外して保険料を抑える選択も検討してみましょう。
手軽なガン検査を安心して定期的に受けられるように、内容を吟味してガン保険を備えておいてください。
執筆者:西村和敏
ファイナンシャルプランナー CFP(R)認定者
宅地建物取引士
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