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海外赴任が急に決まったら準備しておきたいこと

ファイナンシャルフィールド / 2020年3月11日 22時20分

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日本は前年の4月~3月が「年度」ですから、今がまさに人事異動の季節です。最近は、通年での異動のケースも増えましたが、まだまだ一番のドキドキの時期ですよね。   海外に転勤が決まった場合に、自宅をどうするか? 今回考えるのは、忙しい海外赴任の前に問題を片づけておかなければならない日本の不動産についてです。

非居住者が日本のマンションを他人に貸した時は?

海外赴任が決まってその期間が1年以上である場合、日本での税務上のステータスは非居住者です。非居住者になるとどうなるのでしょう。
 
例えば米国に3年の予定で赴任が決まったので、その間自宅を売却するのではなく誰かに賃貸することにしたとしましょう。この人の場合は、もはや非居住者ですから、基本米国で発生した所得からは米国の法律に基づいて米国で納税することになります。
 
しかし、日本にある自宅を誰かに貸していて賃貸収入を得ている場合は、その不動産所得の源泉は日本なので、日本の法律に基づいて納税しなければなりません。
 
手順としては、不動産の賃借人が家賃支払いのつど、支払金額の20.42%相当額を源泉徴収して税務署に支払います。ですから、海外赴任となった非居住者は家賃の79.58%相当額を受け取るのです。次の年の2月16日~3月15日の間に確定申告をして、適正となる納税額を納付します。

非居住者が日本の不動産を売却したら?

では、次に賃貸ではなく売却の場合です。海外赴任の前に売り出した日本のマンションが、海外赴任中に売却できた場合の税務処理はどうすればいいのでしょうか。
 
原則として日本の不動産を購入した買い手が代金の10.21%を源泉徴収し、支払いをした翌月10日までに税務署に納付することになっています。つまり非居住者が受け取るのは購入者からの支払金額の89.79%です。
 
家賃収入の場合と同様、翌年の2月16日~3月15日までの間に確定申告をすることで、適正額の納税額を納付することになり、場合によっては還付を受けることもあります。
 
ただし、不動産の売却金額が1億円以下で、かつ、購入した個人が自己またはその親族の居住の用に供するためのものである場合は、源泉徴収は不要になるなどの例外もあります。

大前提としては、納税管理人を決めること

ここで疑問ですが、そもそも、その確定申告は誰がするの? という点です。実はこの点は非常に重要で、出国前に納税者本人に代わって確定申告書の提出、税金の納付などの事務手続きをする、納税管理人を決めておかなければなりません。
 
仰々しくとらえなくても、両親や親戚などで大丈夫です。決めたら「所得税の納税管理人の届出書」を税務署へ提出します。いったん決めてしまえば、この納税管理人が通常どおり、出国者の確定申告を翌年の2月16日~3月15日の間にすることになり、その後の確定申告についても納税管理人が行います。
 
ところが納税管理人を決めないと、出国準備で多忙な中、出国の時までに日本にいる間の確定申告をしなければならなくなるなど、非常に面倒なことになります。
 
海外赴任となると、現地での生活準備や出国準備などやらなければならないことが山積みですが、ぜひチェックシートを作成して納税手続きに漏れのないようにしたいものです。
 
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者

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