新型コロナは「節約」や「投資」の好機?
ファイナンシャルフィールド / 2020年3月12日 10時30分
新型コロナウイルスは、わが国でも感染ルートが特定できない人が現れるようになり、もはや中国だけの対岸の火事ではなくなりました。多くの人が集まるイベントはことごとく中止され、新型コロナウイルスの封じ込めには国をあげて全力で取り組む姿勢を見せています。 症状がなくても新型コロナウイルスを保有している人がいると推測される今、私たち一般市民は、できる限り人との接触を避けて自宅待機をすることが、新型コロナウイルスに感染しない唯一の方法と考えられます。 いつ新型コロナウイルスが収束するか見通しが立たない現状では、こうした家への引きこもりをただの引きこもりとするのではなく、例えば節約や投資などの機会ととらえて、意味のある引きこもりと考えてみるのはいかがでしょうか。
「どこにも行けない」ではなく「どこにも行かない」ぜいたく
徒歩圏内あるいは自転車圏内での移動は単独行動が可能ですが、公共交通機関を利用する場合は、不特定多数の人と一緒になり、ウイルス保有者と乗り合わせることやウイルス保有者が触ったかもしれないつり革や手すりに接触する可能性があります。
不特定多数の客と接している運転手が運転する、タクシーやバスも安全ではありません。
つまり、交通機関を利用する移動は、必ず感染のリスクを伴うということです。仕事は、可能であれば、テレワークや在宅勤務に切り替え、難しければ、混雑する時間帯を避けて乗車するなどの工夫も必要でしょう。私的な用事は不要不急の外出はしないほうが良いでしょう。
そうなれば、自宅で過ごす時間が多くなります。「とこへも行けない」と思うとストレスですが、「どこへも行かない」ことはむしろ節約につながります。
<1.節約できる費用>
・外出時の費用:交通費、マスク代
・外出しなければ節約できる費用:外食代、買い物代、交際費、観劇代、テーマパークのチケット代、旅行代、など
<2.外出しないとかかる費用>
・通信費
・ネットでの買い物代、など
ここで気を付けたいのは、ネットでの買い物が主流になると、キャッシュレス決済によりトータルでいくら使っているのかが管理しづらく、ついつい買いすぎてしまうことです。
通常であれば、自宅待機はお金を遣うところがないため「貯め時」です。くれぐれも、1.の節約できる費用よりも、2.の外出しなければ節約できる費用のほうが多くならないように、留意をしながら貯蓄を楽しみましょう。
「マスク」が手に入らなくても慌てない
花粉症の季節で、マスクが必要な人も多くなる時期です。新型コロナウイルスのためにマスクを着用したい人が急増して、全国的にマスクが品薄です。ネットで買おうとしても、通常では考えられないくらい高額料金が設定されていることもあるでしょう。
そんな時は、自家製マスクでしのぐ方法もあります。布で作れば洗って繰り返し使用することもできて環境にもやさしく、使い捨てのマスク代も節約できます。自宅で過ごす時間が増えれば、マスク制作のための時間を作ることもできる可能性は高いでしょう。
自家製マスクの作り方をネットで検索すると、100円ショップで購入できる布やハンカチで手軽に作る方法が多数出てきます。布製が面倒な場合は、キッチンペーパーと輪ゴムで使い捨てマスクの代わりにすることもできるようです。
重要なことは、緊急時だからと高額なマスクに手を出す、あるいは無防備にマスクをせずに外出するのではなく、ハンカチやガーゼ、キッチンペーパーなどを利用して、簡易的でもマスクに似たもので対応する、など柔軟な発想を持つということです。
株価は下落、つまり買うタイミング?!
新型コロナウイルスが世界経済に及ぼす影響は、世界的な株価の下落を招いています。世界的に感染拡大が確認された2月24日には、アメリカでもニューヨークダウの終値の下げ幅が1000ドルを超し、2月25日には日経平均が前日比で一時1000円を超す下げ幅になりました。
収束の見込みも立たないため、世界の株式市場は売り一色になり、債券や金などの「安全資産」と思われる商品へとお金が向かう流れが生じています。
しかし、よく考えると、これだけ科学が進歩した現代社会では、いつかは新型コロナウイルスの対抗薬やワクチンができ、時間はかかっても新型コロナウイルスの封じ込めに成功する日が来るはずです。
そうなれば、株式市場が落ち着きを取り戻し、また元通りになる可能性も多いにあります。このような混乱局面では、個別株を選択して買うのは難しいかもしれませんが、インデックス型投資信託などであれば、アメリカや日本の株式市場が落ち着いてきた時には、ニューヨークダウや日経平均が元に戻る際の上がり幅くらいは享受できるでしょう。
リーマンショックの時も、下がってもそれまでの方針どおり買い続けた人が結果的には成功しています。
今回も同様に、世界経済に大きな打撃を与える大事件ではありますが、コツコツと投資をやめずに続けることが大切なように思われます。
執筆者:岩永真理
一級ファイナンシャル・プランニング技能士
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