iDeCo(個人型確定拠出年金)を始めたい。手続きの流れを解説
ファイナンシャルフィールド / 2020年3月20日 1時0分
公的年金だけでは老後資金が足りないかもしれない……。年金に対する不安から、「じぶん年金」として個人型確定拠出年金「iDeCo」を検討しているという方も多いのではないでしょうか。 iDeCoは、20歳以上で国民年金の被保険者でしたらほとんどの方が加入でき、節税しながら老後資金を準備できるというメリットもあります。 しかし、いざ始めようと思っても手続きがよくわからないという方もいらっしゃるようです。今回は、iDeCoを始めたいという方のために、手続きの流れについて解説します。
iDeCoを始めるための金融機関を選ぼう
iDeCoを始めようと思ったら、まずは運営管理機関である金融機関を選ばなければなりません。iDeCoを扱っている金融機関は多数ありますが、金融機関によって商品のラインアップや手数料が異なりますので、十分に比較、検討して選びましょう。
まずは、普段利用している銀行や証券会社の他、気になる金融機関でiDeCoはどんな商品を扱っているか確認してみましょう。ネット銀行やネット証券会社も、資料請求すればパンフレットや申込書類を送付してくれます。複数の金融機関で、商品内容や手数料を比較してみましょう。
手数料を比較する時のポイントは、「運営管理手数料」です。この手数料は金融機関によって料金が異なります。条件なしで無料のところもあれば、一定期間は無料、掛金額やiDeCo残高によって無料のところなどさまざまです。
ちなみに、国民年金基金連合会に納付1回ごとに支払う105円、事務委託先金融機関に支払う月額66円は、どの運営管理機関でも同額です。運営管理機関は、手数料だけでなく、利用のしやすさや商品の数など総合的に判断しましょう。
iDeCoの掛金をいくらにするか決めよう
iDeCoは、2018年1月から年間の上限額の範囲内で年1回以上の任意の月に指定した金額を納付する「年単位拠出」が可能になりましたが、わかりやすくするため月額で説明させていただきます。
iDeCoの掛金は最低月額5000円から1000円単位で設定できますが、上限額は職業などによって異なります。
自営業者や学生などの国民年金の第1号被保険者の上限は、月額6万8000円です。会社員の第2号被保険者の方は、企業年金の有無などにより月額1万2000円から2万3000円までになります。
現状では、会社員の方は規約によってはiDeCoに加入できない場合もありますので会社に確認が必要ですが、今後はすべての会社員でiDeCoに加入できるよう検討が始まっています。
また、第2号被保険者でも公務員の方は月額1万2000円です。専業主婦(夫)やパートなどの第3号被保険者は、月額2万3000円が上限です。
iDeCoは60歳まで引き出すことはできませんから、無理のない金額を設定したほうが良いのですが、年に一度でしたら掛金額の変更も可能です。
必要な書類をそろえて提出しよう
iDeCoを始める場合に必要な書類は、国民年金の被保険者種別によって異なります。まずは、自分が選択した運営管理機関から申込書類を取り寄せましょう。すべての人が必要な書類が、「個人型年金加入申出書」です。
第2号被保険者は、さらに書類が必要です。会社員の場合ですと「事業所登録申請書兼第2号加入者にかかる事業主の証明書」、公務員の場合は「第2号加入者にかかる事業主の証明書(共済組合員用)」です。
これらの書類では勤務先の証明が必要です。必要な書類がそろったら、運営管理機関(金融機関)に提出しましょう。提出から1ヶ月から1ヶ月半程度で口座が開設されますので、運用商品の選定を行いましょう。ネットで選べる他、窓口やコールセンターでの手続きが可能な金融機関もあります。
毎年の確定申告や年末調整手続きを忘れずに
iDeCoの節税メリットを受けるためには、所定の手続きが必要です。会社員の方は年末調整で税金の還付が受けられます。その他の自営業の方などは確定申告での手続きが必要です。
iDeCoの掛金は、所得税の「小規模企業共済等掛金控除」として全額が控除対象になります。毎年10月ごろに国民年金基金連合会から届く「小規模企業共済等掛金払込証明書」が必要ですので、きちんと保管しておきましょう。
以上が、iDeCoを始めるための一般的な流れです。手続きがわからなくなった場合は、申し込みをした金融機関の窓口やコールセンターを利用して問い合わせをすれば解決できるでしょう。定期的に運用商品を見直すなど、少しずつiDeCoに慣れていくと良いでしょう。
執筆者:福島佳奈美
【保有資格】CFP(R)・1級ファイナンシャルプランニング技能士・DC(確定拠出年金)アドバイザー
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