子どものおこづかい、いくらにすべき? 年代別平均値と金銭感覚を養う方法とは
ファイナンシャルフィールド / 2020年3月27日 2時30分
子どもの成長に合わせてお金の大切さや使い方について教える「金銭教育」は、将来その子が困らないようにするためにとても重要なことです。 特に、おこづかいを渡すか渡さないか、いくら渡すのか、どうやって管理させるかは、子どもの金銭感覚を養うために親がきちんと考えてあげたいところです。
子どもの年代別おこづかい事情
金融広報中央委員会が2015年に行った「子どものくらしとお金に関する調査」の結果から、全国の家庭でお子さまのおこづかいについてどのように向き合っているのかチェックしてみましょう。
同調査によると「おこづかいをもらっている」と答えたのは、小学生では学年問わず約73%、中学生では約83%、高校生では約81%(出典元:前述の調査P.3)でした。お年玉についてはほとんどが「もらっている」と回答し、学年問わず総額1万円ほどが多数派となりました。
●小学生のおこづかい金額
小学生では学年が上がるにつれて、おこづかいを渡す頻度が「ときどき」から「月に一度」になり、金額も上昇する傾向があります(出典元:前述の調査P.4)。
●中学生のおこづかい
中学生の場合、1ヶ月あたりのおこづかい額の平均は「2536円」で、最も多かった回答は「1000円」でした。半数以上が1000円以上3000円未満の間に収まります(出典元:P.5)。
●高校生のおこづかい
高校生では、さらに金額が大きくなります。1ヶ月あたりのおこづかい額の平均が「5114円」、最も多かった回答は「5000円」でした。4割近い人が5000円以上7000円未満の間、約2割が3000円以上4000円未満と答えています(出典元:P.5)。
子どもの金銭感覚を養うには
親としては、せっかく子どもに与えたお金を不要なものに使われて「なくなった」「少ない」と訴えられるのではつらいですよね。
あったらあるだけすぐに散財して駄々をこねるのではなく、次の支給日までの日数を考慮しながら計画的に使ったり、ほしいもののためには節約や貯金など自分で工夫ができるほうが、親や子どもの将来にとっても良いはずです。
先述の調査では「毎週・毎月など定期的に同じ金額を貯めている」「金額は毎回同じではないが定期的に貯めている」と答えたのは、中学生で約3割、高校生で約2割でした。(出典元:P.11)
「お金はもらっているが、貯めていない」と答えた子は「ほしいと思ったものは、すぐに買ってしまう」と答えた割合が高いのに対し、定期的に貯められている子は、お金と向き合う習慣が身に付いている傾向があることがわかっています。
お金と向き合う習慣を身に付ける一例として、たとえば「おこづかいの使い方について計画を立てている」「おつりをもらったら確認している」「レシートをもらったら金額を確認し、持ち帰っている」(出典元:P.11)「おこづかい帳を使ったその日もしくは1週間ごとなど定期的につける」など(出典元:P.14)が挙げられます。
お金と向き合う習慣をつける「おこづかい帳」
金銭感覚を養うために必要なのは、日常的にお金にしっかりと向き合う習慣ですが、それをサポートしてくれるのが「おこづかい帳」です。
おこづかい帳は、大人が使う家計簿の簡易版のようなもので、入ってきたお金と出ていったお金を子どもが自分で把握して、反省したり計画を練ったりできるようにするためのものです。
今は100円均一でも子ども向けにわかりやすくてかわいい専用ノートが売られていますので、お子さんと一緒に選んで、幼いうちから自分の使ったお金の流れを把握する習慣をつけられるよう手助けしてみてはいかがでしょうか。
子どもと向き合って話をしよう
おこづかい帳以外にも、子どもがお金と向き合う習慣をつけるために親ができることがあります。それは、子どもと「自分が就きたい仕事」「将来の夢」「社会のこと」「進路のこと」「お金のこと」について話す機会をなるべく多く作ることです。
先述の調査でも、ほぼ毎日そういった話をするという子ほど、社会の仕組みについて興味を持ったり、将来を見据えた行動を大切にし、生活力が高くなる傾向があることが報告されています(出典元:P.31)。
おこづかいはなんとなくお金を渡してしまうのではなく、せっかくの機会ですから、子どもとよく話して一緒に考えて、将来自立しても問題なく過ごせる金銭感覚を身に付けられるよう工夫してあげたいですね。
(出典)金融広報中央委員会「子どものくらしとお金に関する調査」(第3回) 2015年度
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表
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