投資を始めてみたいけど…株と投資信託はどう違う?
ファイナンシャルフィールド / 2020年4月8日 10時10分
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これから投資を始めてみようと思っている方にとってまずハードルになるのは、出てくる用語がよくわからないということではないでしょうか。今回は「株式」と「投資信託」の違いについて解説します。
株式(株)とは? 投資信託(投信)とは?
投資を始めようと思ったら「何に投資しよう」と考えますよね。株式と投資信託はどちらも投資対象で、似ているようにも見えますが明確な違いがあります。
株式は、企業が事業を行っていくための資金を集めるために発行するものです。それを購入するとその企業の株主となり、株主優待や配当金を受け取ったり、株価が値上がりしたときには、売却して利益を得たりできるようになります。もちろん、株価が値下がりをすれば、損失をかぶる可能性もあります。
投資信託は、大勢の投資家から集めた資金をまとめて、ファンドマネージャーと呼ばれる投資の専門家が投資先を選んで運用します。
投資先としては、先に挙げた個別企業の株式や、社債や預金、それ以外にもさまざまな投資対象に投資をすることが可能で、商品ごとに異なります。
運用で増えたお金は、その投資信託を購入した投資家に分配されます。プロを「信」じて「託」す「投資」のことだと考えると覚えやすいですね。
株式と投資信託の違い
株式投資では、自分で投資する企業や売買のタイミングを選びます。対して、投資信託は「外国債券に投資する」「国内株式を中心に投資する」などざっくりとした方針を選び「投資信託」の中から商品を選択するのは自分でも、実際にどの投資対象にどのタイミングで投資するかはその道のプロが選びます。
株式は自分ですべて選んで行うので、手数料が抑えられ、また株主優待などの特典も享受できます。さらに株価の値上がり値下がりもそのまま資産価値として反映されます。
一般に、株式はさまざまな資産に分散している投資信託よりも値動きが大きくなる傾向にあり、上がったときのプラスは大きい半面、投資先の企業の株価が大きく下がってしまったときのリスクもある、ということを覚えておきましょう。
投資信託は、多くの人から集めた多額の資金を生かして、多数の企業の個別株やそれ以外の資産会社に分散して運用しているので、1つ購入するだけで自動的に分散投資ができる傾向にあります。
購入時や運用期間中の手数料は株式投資より高くなりがちですが、そのぶんプロに任せられる安心感があります。ただ、直接的に株を買っているわけではないので株主優待を受けることはできません。
株式と投資信託、どちらを選ぶべき?
株式と投資信託は、どちらにもメリット・デメリットがあります。イメージしにくい方は、服を購入するときを例に考えてみましょう。
株式はセレクトショップのような感じです。1品の価格は高価でも、自分で「こういうのが良い! あれはイヤ!」というこだわりを持ち、良いものを見つけて選ぶ楽しさがあります。その代わり、選ぶ目が大事です。人によって抜群にオシャレに見えたり、残念な仕上がりになったりする、といように差が大きく現れます。
一方、投資信託は福袋のようなイメージです。店員さんがコーディネイトした全身セットのようなもので、自分で1つひとつ選んで買うのではなく、少額でひととおりのものがそろえられており、無難な傾向がありますが飛び抜けてオシャレになるのは難しいかもしれません。
もちろん、これらはざっくりとしたイメージですので、実際の投資では見た目や雰囲気のようなふんわりしたものではなく、各企業の業績だったり市場の需給バランスだったり、さまざまな数字を分析したうえで意思決定します。
どちらか一方に絞らなければならないというわけではありませんので、「どちらも買う」や「まずは投資信託から。慣れてきたら株式にも挑戦してみる」などももちろん可能です。お好みの投資方法を見つけましょう。
ちなみに、国が資産運用を促進するために行っている施策として「NISA」「つみたてNISA」「iDeCo(個人型確定拠出年金)」といった制度があります。どれも投資の際にかかる税金を優遇する措置なのですが、それぞれ投資できる対象が違います。
・NISA……国内外の株式、株式投資信託、国内外のETF(上場投資信託)、国内外のREIT(不動産投資信託)など ※同じ「投資信託」でも公社債投資信託は含まれません。
・つみたてNISA……投資信託(金融庁が出した「長期の積立・分散投資に適している銘柄の条件」をクリアしたものだけ)
・iDeCo……元本確保型商品(定期預金など)、投資信託といった運営管理機関が提示する運用商品
3つの制度の中で、株式に投資できるのはNISAだけです。利用したい制度から投資対象を絞るという方法もありますね。
まずは選んで、実際に投資してみよう
株と投資信託、どちらが良いと思うかは人によって違うでしょう。どちらが正解ということはありませんので、自分の投資目的や考え方に合うものを選びましょう。
最近は「少額(100円~)」から投資できたり、ポイントで購入ができる投資信託の銘柄を取りそろえた証券会社もあります。あまり思い悩んで先延ばしにするよりは、なくなっても生活や今後に支障をきたさない、リスクが許容できる金額でまず実際にやってみて、買い方や値動きなど学んでみるのがおすすめです。興味を持って楽しくお金を増やせると良いですね。
(出典)
・金融庁「NISAの基礎知識」
・金融庁「つみたてNISAの概要」
・国民年金基金連合会「iDeCo公式サイト『iDeCoをはじめよう』」
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表
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