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だんだん上がってきている国民年金保険料を理解しよう

ファイナンシャルフィールド / 2020年4月8日 23時30分

だんだん上がってきている国民年金保険料を理解しよう

自営業の人などが毎月定額で支払う国民年金保険料。毎年度その保険料額は改定されています。金額はどのように変わってきているのでしょう。  

国民年金保険料は年々増額傾向に

自営業など国民年金第1号被保険者が毎月納める保険料の額は、毎年度改定されています。
 
国民年金保険料の月額について、2019年度は1万6410円だったのに対し、2020年度は1万6540円、2021年度は1万6610円となっています。これを見ると年々保険料の額は上がってきています。

保険料額の変遷

過去の保険料額の推移は【図表1】のとおりです。過去の保険料についても一部の時期を除き、年度が替わると増額され、全体的に見て増額傾向にあるといえます。
 


 
2004年度の保険料額は1万3300円でしたが、2005年度以降の国民年金保険料は、基準額というものがあり、これに保険料改定率を掛けて算出します(【図表2】)。
 

 
毎年度280円ずつ基準額が上がっていき、2017年度に1万6900円で固定されましたが、基準額に保険料改定率を掛けるため、実際の保険料額は、毎年度280円ずつ上がっているわけではありません。
 
保険料改定率とは、前年度の保険料改定率に名目賃金変動率(=物価変動率×実質賃金変動率)を掛けた率です。その保険料改定率を掛けた結果、実際の保険料額の増額は基準額の増額とは異なっています。これは経済情勢によって調整を行っていることになります。
 
その後、2018年度までは1万6900円が基準額となり、これに保険料改定率を掛けて計算していましたが、2019年度からは国民年金産前産後免除制度の実施により、その財源確保のため1万7000円が基準額となりました。1万7000円に改定率を掛けて計算した結果、2019年度以降は前述の額となりました。

保険料が安くなる場合と高くなる場合

以上のように、【図表2】で計算された、毎年度決められた保険料額がありますが、支払う時期によってはその本来の額より安くなったり、高くなったりします。
 
各月の保険料はそれぞれその翌月末が納付の期限であるところ、保険料をまとめて前倒しで早く納付(前納)すると割引がされ、1ヶ月あたりの納付額が少なくなります。
 
早割(当月末納付)、6ヶ月前納、1年前納、2年前納があります。前納する月数が多いほど、1ヶ月あたりの保険料額が安くなり、2年前納の場合では、24ヶ月分をまとめて納めることで、約1ヶ月分相当の保険料が安くなります。
 
一方、毎月の保険料が払えない場合に、保険料の免除や猶予を受けることができ、その免除や猶予を受けた場合に、10年以内であれば後から納付(追納)ができます。
 
しかし、翌々年度までに追納する場合は当時の保険料額で納付できるのに対して、そのさらに次の年度以降に追納すると、当時の本来の保険料額に加算がされ、本来より多い額を支払うことになります。追納が後の年度になればなるほど、その加算額は大きくなります。
 
国民年金第1号被保険者として保険料を納めるにあたって、年々保険料額が高くなりつつある傾向と、その決まった各年度の保険料について前納で安くなる場合、追納で高くなる場合があることを頭に入れておく必要があるでしょう。
 
執筆者:井内義典
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

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