地震保険の保険料、少しでも安く抑えるコツって?
ファイナンシャルフィールド / 2020年4月9日 9時30分
「地震保険の保険料って、高い!」と感じる方は多いのではないでしょうか。確かに地震保険の保険料は高い印象です。以下のような契約の事例があります。 (契約の条件:保険期間は1年間。保険料の払い方は一括払い。建物は東京都に所在) 建物の火災保険金額:800万円 建物の火災保険料額:5560円 建物の地震保険金額:400万円 建物の地震保険料額:1万円 火災保険に比べると、地震保険の保険金額は「半額」ほどで、保険料は「ほぼ倍」の金額です。
割高感が否めない地震保険の保険料……少しでも安くするためには
地震保険の保険料は、少しでも安くする方法があるのでしょうか?実は、保険料を安くする方法は2つあります。
1つ目は割引制度を利用することです。これには条件があります。2つ目は「保険料をまとめて払う」ことです。やはり、これにも条件があります。
では、以下でそれぞれの方法・条件を見てみましょう。
保険料の割引制度
地震保険の保険料の割引制度とその条件は、以下の4点です。条件に合致するものがなければ、残念ながら、保険料の割引はありません。また、条件を満たした割引制度のすべてが利用できるわけではなく、いずれか1点の利用となります。
(1)建築年割引……割引率10%
1981年6月1日以後に新築された建物と、その建物の中の家財に対する地震保険が割引の対象です。
(2)耐震診断割引……割引率10%
1981年6月1日よりも前に新築された建物とその建物の中の家財は、地震保険の建築年割引の対象になりません。
しかし、耐震診断を行った結果、建築基準法に定める耐震性能ありと認められた(=つまり、1981年6月1日以後に新築された建物と同じ水準の耐震性能あり)建物とその建物の中の家財は対象となります。
(3)耐震等級割引……割引率 耐震等級3=50% 耐震等級2=30% 耐震等級1=10%
所定の耐震等級を満たした建物と、その建物の中の家財に対する地震保険が対象です。
(4)免震建築割引……割引率50%
免震構造を有する建物と、その建物の中にある家財に対する地震保険が対象です。
割引制度は、あくまでも地震保険の保険料のみです。主契約の火災保険の保険料には影響しません。
保険料をまとめて払うと割安に
地震保険の保険料は、2~5年分をまとめて支払うと長期係数が適用となり、毎年支払うよりも割安になります。
例えば、保険料を2年分まとめて払うと、「1年分の保険料×1.9(長期係数)」という計算になります。つまり、「1年分の保険料×2年」よりも少し安くなります。
3年分をまとめて払うと長期係数は2.8、4年分だと3.7、5年分だと4.6です。まとめて支払う期間が長ければ長いほど、お得度が大きくなるのが分かります。なお、まとめて支払えるのは「5年分」が最長です。
この長期係数は、先述の割引制度と併用が可能です。つまり、「割引された保険料の1年分×長期係数」という計算式になります。
ただし、留意したいのは、保険料をまとめて支払うほうがお得とはいえ、一度に大きなお金(=5年分の場合、1年分の保険料×4.6)を支出するという点です。
また、地震保険の保険料をまとめて5年分を支払う場合は、主契約である火災保険の保険料も5年分を支払わなくてはいけないことも注意しましょう。ちなみに、「火災保険の保険料は10年分をまとめて支払い、地震保険の保険料は毎年払い」という契約は可能です。
地震保険は控除の対象。税金が安くなる
地震保険の保険料は、地震保険料控除として所得控除の対象です。つまり、個人の確定申告や年末調整の時に申告をすれば、税金を安くできます。
控除の対象となる保険料の額は、所得税の場合は5万円を上限に保険料の全額、住民税の場合は2万5000円を上限に保険料の2分の1です。なお、保険料を何年か分をまとめて支払う場合は、按分して毎年控除の手続きができます。
まとめに代えて
今回は、地震保険における「保険料の割引制度」「まとめて支払う際の保険料の長期係数」、そして「地震保険料控除」を紹介させていただきました。
地震で最も被害を受けそうな、木造で築年数が著しく古く、耐震補強などをしていない家ですと、地震保険の保険料は高くなるかもしれません。保険料を安くする方法を知って、条件を満たしている場合はぜひ活用しましょう。
(引用・出典)
日本地震再保険株式会社「地震保険のしくみ」
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役
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