新型コロナウイルス対策をヒントに、防災についても考えよう!
ファイナンシャルフィールド / 2020年4月12日 11時10分
![新型コロナウイルス対策をヒントに、防災についても考えよう!](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_74891_0-small.jpg)
世界中で新型コロナ感染拡大の勢いが止まりません。東京都知事(2020年3月時点)が2020年3月最終週末の外出自粛の要請を発表した直後から、都内スーパーの棚からは生鮮食料品を含む多くの食料品が消えました。これはいったいどういうことなのでしょうか。 わが国では、日ごろから地震や豪雨などによる土砂崩れなどの自然災害が多発するため、われわれは防災への意識が高い国民であるはずです。都知事の週末の外出自粛など、防災への備えがあれば、必要以上に買い込む必要がないはずなのですが、そうではなかったのでしょうか。
防災への意識をもっと強固に、備えを実行
首都圏直下型や南海トラフなどの地震は、いつ来てもおかしくないといわれています。そのため、防災マップ、ハザードマップなどを自治体が作成し、可能な限りの情報提供をしています。東京都でも防災用の冊子が配布されていますので、防災に対する意識が都民にまったくなかったわけではないと考えられます。
今回の都知事の発言以降の都内スーパーにおける買い占め・買いだめは、もちろん不安な気持ちからとった行動の現れでもあるでしょう。しかし、週末の自宅待機に備えるための食料が物理的に不足している世帯が、意外に多かったことも事実ではないでしょうか。
今回の待機日数は週末の2~3日を想定したものですが、震災の場合には、1週間程度の食料が必要ともいわれています。2~3日のことでもあれほどのパニックが起こるのであれば、震災ではさらに厳しい状況になることは明らかです。
こうしたことを考えると、人口が密集する地域や都市部ではいっそう、1週間程度の食料品を常に備蓄しておく必要性は切実でしょう。
まずは、今回買い占めた日持ちするもの(缶詰、瓶詰、レトルト食品など)があれば、そのままストックして、日々の生活で消費しながら次のストックを買い足すことを習慣化するべきでしょう。
われわれ1人ひとりが新型コロナウイルスと戦う意識を持つのと同じくらい、1人ひとりが適正量の備蓄を持つことが、今後の新型コロナウイルス対策と防災に役立つと考えられます。
一時の買い占めは家計に毒
マスクやトイレットペーパーなどの日用品から、肉・魚・野菜などの生鮮食料品まで、今回の新型コロナウイルスに脅かされて買い占められたものは多く存在します。
買い占めたものの中には、周囲のパニックにつられてしまい、
・生鮮食料品など、使いきれずに無駄になってしまったもの
・買わなくても良いもの、普段利用しないもの
・よく確認せずに、誤って買ってしまったもの
・品薄だからと、普段より価格が高くても買ってしまったもの
など、家計にとってマイナスになるようなものも含まれているかもしれません。
非常時は、普段なら買わないようなものを買ってしまう、あるいはとらないような行動をとってしまうことがあるでしょう。なぜなら、非常時には平静を失ってしまうからです。
そうなると、必要なものかどうか、財布にやさしいかどうかよりも、買うという行為自体がすべて正当化されてしまい、正しい判断をすることは難しいでしょう。
家計管理を適切に行うためには、いつやってくるかわからない非常時だからこそ、平静時に冷静に計画を立てて買い物をして、日常的に備えておくことが重要です。
何を日常備蓄すべきか?
防災用備蓄というと、かつては乾パンなどの保存期間の長いものを専用に備える意識がありました。
こうした防災の専門用品は、管理や継続が面倒ですが、普段利用している食料品や生活必需品を少し多めに購入しておく「日常備蓄」なら簡単にできるでしょう。日常備蓄コーナーを作り、いつもそこから使い、そこへ補充することを習慣にするとストック切れを防ぎやすくなります。
<食品>
・水
・主食(レトルトご飯、麺など)
・主菜(缶詰、レトルト食品、冷凍食品)
・副菜(果物や小豆の缶詰)
・野菜ジュース
・加熱せず食べられるもの(かまぼこ、チーズなど)
・菓子類(せんべい、チョコレートなど)
<生活用品>
・常備薬・救急箱
・ティッシュペーパー、トイレットペーパー、ウエットティッシュ、生理用品
・食品包装用ラップ
・使い捨てカイロ
・ラテックス手袋
・ゴミ袋、大型ビニール袋
・乾電池
・携帯電話の充電池
・ライター
<防災専用>
・簡易トイレ
・充電式ラジオ
・懐中電灯
など
例えば週に1回、あるいは月に1回など、定期的に日常備蓄コーナーの点検日を設ける方法もあります。新型コロナウイルスとの戦いの出口が見えにくい中でも、日本古来の災害がいつ来ても慌てないための備えを、粛々と同時に進める機会にしたいところです。
執筆者:岩永真理
一級ファイナンシャル・プランニング技能士
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