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15歳以下の子どもって、扶養控除は受けられないの? その1

ファイナンシャルフィールド / 2020年4月16日 9時30分

15歳以下の子どもって、扶養控除は受けられないの?  その1

国税庁のタックス・アンサー No.1180を見ると、「3 控除対象扶養親族に該当する人の範囲 控除対象扶養親族とは、扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が16歳以上の人をいいます。」と記載されています。15歳以下の子どもは扶養控除を受けられないのでしょうか?   答えは「その通り」です。「えっ、なぜ?」と思われた方もいられると思います。これは、皆さんご存じの児童手当と関係があるのです。この辺の経緯と問題点について解説してみたいと思います。  

児童手当とは?

児童手当の歴史は古く、1972年に導入されました。2010年4月にこども手当として内容が拡張され、2012年に児童手当として再び改称されて現在に至っています。児童手当とは、次のような制度です。
 
1.支給対象
中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している方
 
2.支給額


(内閣府ホームページ「児童手当制度のご案内」より筆者が作成)
 
すなわち、中学生以下、15歳以下の児童を養育している人には、児童1人当たり月額1万円から1万5000円が支給されるという制度です。なお所得制限限度額があり、基準額を超えると特例給付として児童1人当たり月額一律5000円となります。
 
こども手当(現児童手当)ができたために、2011年1月から15歳以下の児童は、控除対象扶養親族から外され、扶養控除が受けられなくなったのです。これを「年少扶養控除の廃止」といいます。

児童手当と年少扶養控除とどっちが得?

それでは、児童手当と年少扶養控除とどちらが得だったのでしょうか?
 
子ども1人について0歳から15歳まで児童手当と年少扶養控除を計16年間受け続けた最大値の場合を比較してみましょう。
 
1.児童手当の支給金額合計
0~2歳(3年間)  1万5000円×12ヶ月×3年=54万円
3歳~15歳(13年間) 1万円×12ヶ月×13年=156万円
メリット計 54万円+156万円=210万円
 
2.年少扶養控除による節税効果
38万円*1×20~30%*2=7.6~11.4万円
7.6~11.4万円×16年=121.6~182.4万円
 
*1 年少扶養控除に関する所得控除額
*2 所得税+住民税の節税効果を20%から30%として試算
 課税所得金額195万円から330万円で所得税率10%
       330万円から695万円で所得税率20%
       住民税は一律10%
 
上記のように、児童手当の支給額が年少扶養控除による節税額を大きく上回っています。ということは、大多数の人たちにとっては、児童手当の創設のメリットが大きかったということができます。

まとめ

2011年に年少扶養控除から児童手当に切り替えたことは、大多数の人にとってメリットがあった制度の改正だったといえるようです。そして、ここで「大多数」と書いたことには理由があります。その2では「そうでない人もいる」ということについて述べてみたいと思います。
 
[出典]
国税庁タックスアンサー「No.1180 扶養控除」
国立社会保障・人口問題研究所「14 児童手当」
内閣府ホームページ「児童手当制度のご案内」
 
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

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