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老後資金に外貨建て保険を勧められてるけど、どうなの?

ファイナンシャルフィールド / 2020年4月19日 9時30分

老後資金に外貨建て保険を勧められてるけど、どうなの?

「預貯金にお金を預けても増えませんよ。外貨建て保険を検討してみませんか?」このようなセールスを受けたことはありませんか。   今日のように超低金利の時代、預貯金でお金が増えないことは、誰もが理解できていることでしょう。   しかし、「保険」だから安心という理由で外貨建て保険を選択することは非常に危険です。今回は、資産形成としての外貨建て保険について解説したいと思います。  

外貨建て保険の保有件数は4倍!

2018年の外貨建て保険の保有件数は、2014年の約4倍に伸びています。この結果は、分かりやすく言えば、外貨建て保険の新規契約がそれだけ増えていることを意味しています。
 
しかし、保有件数の増加とともに、苦情件数も増えています。2018年の苦情件数は、2543件にのぼります。
 
外貨建て保険は、「特定保険契約」という投資商品に該当します。よって、「特定保険契約」である外貨建て保険は、金融商品取引法の一部が準用されます。保険と名がついても、外貨建て保険は、投資商品としての認識が必要です。

なぜ、外貨建て保険は、積極的に販売されているのか?

外貨建て保険の販売が伸びている理由は、生命保険会社のビジネスモデルを考えると理解できます。契約者が支払う保険料は、生命保険会社が設定する「予定死亡率」「予定利率」「予定事業費率」で決まります。
 
予定死亡比率:契約期間中の死亡者数の見込み
予定利率:集めた保険料の運用益の見込み
予定事業費率:保険会社にかかる経費の見込み
 
生命保険会社の収益は、上記3つの実績の差(三利源と呼ばれる)で決まります。
 
ところが、現在のように超低金利の時代では、「円建て」保険の予定利率を設定することが難しくなっています。よって、生命保険会社は「円建て」保険から「外貨建て」保険へシフトしたと言えます。

「積立利率」は運用利回りではない

外貨建て保険の説明を初めて受けた方は、お分かりになると思いますが、外貨建て保険には、今まで聞いたことがないさまざまな専門用語があります。特に注意しなければいけないのが、「積立利率」です。「積立利率」を運用利回りと勘違いしていませんか?
 
契約者が支払った保険料は、契約時にかかる費用(契約時費用)や管理費用を差し引いた部分が積み立てに回ります。よって、保険の場合の積立利率は、積み立て部分の運用率のことです。支払った保険料に対しての運用利回りとは違います。

外貨建て保険の主な注意点

外貨建て保険は、冒頭記載しましたように投資商品として購入するかどうかの判断が必要です。
 
特に注意するべきことは、
(1)為替変動リスク:円で受け取る場合、購入時より円高になっている場合、為替差損が発生する場合があります。
(2)解約控除:一定期間内の中途解約で積立金から一定額が差し引かれます。
(3)MVA(市場価格調整):金利上昇時に中途解約で目減りしてしまう可能性があります。
(4)各種手数料負担:保険関係費、契約時費用や維持手数料、為替手数料は契約者負担です。
(5)クーリングオフ:円から外貨に両替した手数料やその時の為替差損は契約者負担。(ただし、「円入金特約」を付帯した場合を除く)

まとめ

外貨建て保険を検討している方は、見かけ上の「積立利率」などに惑わされてはいけません。購入時また購入後どのようなリスクがあるのかしっかりと確認していただきたいと思います。
 
一般社団法人 生命保険協会「生命保険各社の苦情受付情報・保険金等お支払情報について」
 
執筆者:廣重啓二郎
佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー

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