定年後に注意しておきたい! 年金を受け取るための手続きって?
ファイナンシャルフィールド / 2020年4月21日 8時30分
年金は、老後の生活を支える要となるものですが、金額ばかりに目が行ってしまい、手続きについての確認がおろそかになっていませんか? 年金は、年金を受ける資格ができたとき自動的に支給が始まるものではありません。年金を受け取るためには、ご自身で手続きを行う必要があるのです。 今回は、公的年金、企業年金、個人年金の受け取りに必要な手続きについて、解説していきたいと思います。
公的年金の手続き
公的年金の場合、支給開始年齢に達すると、老齢厚生年金を受け取る権利が発生する方に対し、支給開始年齢に到達する3ヶ月前に、「年金請求書(事前送付用)」と年金の請求手続きの案内が日本年金機構から送られてきます。
年金を受け取るためには、この年金請求書と、以下の書類を添えて最寄りの年金事務所へ提出しなければなりません。
(1)すべての方が提出する書類
・ ご本人の生年月日を明らかにできる書類(戸籍謄本、戸籍抄本、戸籍の記載事項証明、住民票、住民票の記載事項証明書など)
・ 本人名義の受取先金融機関の通帳など(コピー可)
・ 印鑑(認印可)
(2)ご本人の厚生年金の加入期間が20年以上で、配偶者または18歳未満の子どもがいる方が提出する書類
・ 戸籍謄本(記載事項証明書)
・ 世帯全員の住民票の写し
・ 配偶者の収入が確認できる書類
・ 子の収入が確認できる書類
(3)ご本人の厚生年金の加入期間が20年未満で、配偶者の厚生年金(共済)の加入期間が20年以上の方が提出する書類
・ 戸籍謄本(記載事項証明書)
・ 世帯全員の住民票の写し
・ 請求者の収入が確認できる書類
(4)その他 ご本人の状況によって必要な書類
・ 年金手帳
・ 雇用保険被保険者証
・ 年金加入期間確認通知書
・ 年金証書
・ 医師または歯科医師の診断書
・ 合算対象期間が確認できる書類
上記の書類の中には、マイナンバーを記入することで、添付を省略できるものもあります。
企業年金の手続き
企業年金の代表的なものとして「確定給付企業年金(規約型/基金型)」「企業型確定拠出年金」「中小企業退職金共済制度/特定退職金共済制度」があります。それぞれの手続きについては、以下のとおりですので、一度確認してみましょう。
(1)確定給付企業年金(規約型)
退職時に、会社を通じて信託銀行や生命保険会社などへ手続きします。受け取り方法は、年金形式で受け取るか一括で受け取るかを選択できます。
(2)確定給付企業年金(基金型)
退職時に、企業年金基金より書類が送られてきますので、直接、企業年金基金へ手続きすることになります。受け取り方法は、年金形式で受け取るか一括で受け取るかを選択できます。
(3)企業型確定拠出年金
60歳から70歳までの希望する時期に、ご自身で運営管理機関に連絡をして手続きをします。退職や定年年齢と関係なく、給付金を受け取ることができます。受け取り方法は、年金形式で受け取るか一括で受け取るか両方を組み合わせて受け取るかを選択できます。
(4)中小企業退職金共済制度/特定退職金共済制度
退職金の請求手続きは、退職した本人が、直接、中小企業退職金共済事業本部に行います。退職時に会社から手渡される退職金共済手帳にある「退職金(解約手当金)請求書」に必要事項を記載し、必要に応じて住民票や印鑑証明書を準備して、中小企業退職金共済事業本部給付業務部へ郵送します。
個人年金の手続き
個人年金の代表的なものとしては「個人型確定拠出年金(iDeCo)」があります。こちらの手続きとしては、60歳から70歳までの希望する時期に、ご自身で金融機関などに直接請求します。退職や定年年齢と関係なく、給付金を受け取ることができます。
受け取り方法は、年金形式で受け取るか一括で受け取るか両方を組み合わせて受け取るかを選択できます。
まとめ
年金の受け取り手続きを知るというのは、いくら年金がもらえるのかを知るというのと同じくらい大切なことです。自動的に受け取れるものではないため、放っておいたら家計に大きく影響します。
老後をスムーズに迎えるためにも、この機会に加入している年金とその手続きについて一度確認してみてはいかがでしょうか?
[出典]
日本年金機構「支給開始年齢になったとき」
金融広報中央委員会 知るぽると「企業年金」
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー
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