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コロナで求められる働き方や社会構造への変革

ファイナンシャルフィールド / 2020年4月30日 12時50分

コロナで求められる働き方や社会構造への変革

4月14日、国際通貨基金(IMF)から驚くべき最新の世界経済見通しが発表されました。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、今年の実質経済成長率はマイナス3%(世界)、日本についてはマイナス5.2%としています。   過去大きな落ち込みを見せた、リーマンショックの時の世界経済はマイナス0.1%。つまり私たちは今まで経験したことのない、経済混乱を乗り切っていかなければならないということになります。  

リーマンとの違い、消費が直撃

リーマンショックは、株価が大きく下落したイベントとして記憶に新しいでしょうが、今回の新型コロナウイルス感染拡大との最大の違いは、「どこがダメージを受けたか」という点です。
 
リーマンショックでの経済成長の足を引っ張ったセクターは、輸出と設備投資。すなわち企業活動が打撃を被りました。しかし、経済活動の6~7割を構成している消費は、それほど落ち込まなかったのです。
 
皆さんも思い起こしていただければご納得くださるでしょう。確かにリーマンショックの渦中に近い金融業界では雇用が失われましたが、広く世間で仕事がなくなるとか、給料が支給されなくなるということはなかったと思います。
 
筆者も今回の新型コロナウイルス騒動に関して、当初は「ウイルス感染症」というくくりで見通しを立てていましたが、これほど感染拡大が深刻化し、経済活動が停止してしまうと見通しは立てられなくなりました。

中央銀行は印刷工場ではない

各国中央銀行は一斉にかつて見たことのないような規模の金融緩和を実施しています。米国の連邦準備制度理事会(FRB)では、政策金利をゼロ金利にまで引き下げてゼロ金利を復活させただけでなく、米国債などの7000億ドルの購入に加え、企業が直接資金を調達するコマーシャルペーパーの買い入れも打ち出しました。
 
しかもリーマンショック時代に13~14週間で供給した1兆ドル以上の資金供給を、今回はわずか2週間で実施するというスピード感です。日本においても日銀が3年半ぶりの追加の金融緩和を決定し、上場投資信託(ETF)などの買い入れ額を2倍に拡大することによって、資金を供給すると発表しています。
 
しかし同時にこれは諸刃の剣で、各国の債務が膨大に膨らみます。特定の国や地域、あるいは企業が引き起こした混乱であれば損害賠償で補填することもあり得ますが、今回の相手は人格・国境のないウイルスですから、請求する相手がいません。
 
自分たちで膨らんだ債務を処理しなければなりません。私たちは大きな借金を抱えて、再生の途を探していかなければなりません。

規則に従順なのがいいのか柔軟なのがいいのか

4月7日に首都圏に発表された緊急事態宣言。不要不急の外出を控えるという要請はありましたが、その後もむしろ週明けの通勤の時間帯の鉄道乗降客数は増加している、という報道を耳にした方も多いと思います。
 
例えば、クライアントとの打ち合わせ。メールや電話で在宅業務遂行できる部分は多いと思いますが、個人情報保護の観点から、従業員個人のデバイスを使うのは禁止されている、との理由で、電話対応のため交代制での勤務が継続しているという話も聞きます。
 
緊急事態と個人情報保護というルールの遵守とどちらが大事かは価値観の違いかもしれませんが、緊急事態の間だけ別アカウントで処理できることもあるように思います。
 
解除されれば、ログを残してアカウントを抹消すればいいのではと思いますが、「それには社内の決済を通さなければならない」というまた別のルールをクリアしなければならないとのこと。
 
その社内ルールを変えるために会議を招集しなければならず、時差出勤は難しい。時差出勤にするのであれば、また社内で決済しなければならず、それには一堂に会する必要がある。
 
平時では規則を遵守することは前提ですが、非常時は規則に柔軟に対応することも求められる、という声もよく聞かれるようになりました。

巣ごもり期間というトンネルを抜けると景色はまったく違う

措置を施せば自宅勤務が可能である限り、今は巣ごもり期間と割り切ってそれぞれがやらなければならないことを継続する。その間に来るべき経済活動再開の時期に向けて、情報収集・咀嚼して柔軟で大胆な業務の在り方について見直す必要に迫られています。
 
先に述べたとおり、新型コロナウイルスがもたらしたものは健康・医療への挑戦はもとより、このことをきっかけとした働き方や社会構造への変革です。
 
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者

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