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お金の相談は誰にするのがいい? FPそれともIFA?

ファイナンシャルフィールド / 2020年5月6日 10時0分

お金の相談は誰にするのがいい? FPそれともIFA?

個人や家計のお金に関係する悩みは、多種多様です。年代ごとにテーマも異なりますが、気軽に相談できる、信頼度の高い団体や専門家がいれば良いと思っている人は多いと思われます。   ここ数年、人生100年時代の到来とともに、生涯の生活資金の確保のことが話題となり、新しい制度やしくみができつつあります。そのための資金の積立や運用には、顧客本位のアドバイスが求められます。   ここでは、お金の相談にかかわる団体や資格ライセンスについて学んでみましょう。  

お金についての助言(アドバイス)をする専門家と資格(ライセンス)

お金について助言をする専門家(団体・個人)は、さまざまいますが、昨今話題となっている2つを見てみましょう。なお、保険もお金にかかわることですが、「ほけんの窓口」など専門的に確立した業種や相談・助言体制がありますので、ここでは除外しました。
 


 
【表1】のFPとIFAの2つですが、中でもIFAが、度々取り上げられるようです。その背景を含めて、それぞれについて学んでいきましょう。
 

ファイナンシャルプランナー(FP)

ファイナンシャルプランナー(FP)は、家計の身近な相談相手として知名度も上がり、日本FP協会の無料相談や個人のFPの相談を体験した方も多いと思われます。
 
それぞれのFPごとに専門分野はありますが、6つの主要領域について総合的な助言ができることが、FPの強みとなっています。
 
6つの領域は、「金融資産運用」「不動産」「ライフプランニング(リタイアメント含む)」
「リスクと保険」「税金(タックスプランニング)」「相続事業承継」です。
 
また、FP資格保有者の多くが所属する日本FP協会の所属会員FPは、高い倫理性を維持することを求められています。
 
日本FP協会の認定資格であるAFP・CFPについては、2年ごとの資格継続研修の受講と単位取得が求められており、知識・技量についても一定レベルが維持されるしくみになっています。
 
なお、証券会社、金融機関、保険会社、不動産会社などに所属するFPは絶対数として多いのですが、独立系のFPも多く開業しています。独立系のFP業は、客観的な立場での顧客へのアドバイスに対して、相談フィーを受け取るビジネスとして成り立っています。
 

なぜ、いまIFAが注目されるのか?

金融商品については、商品を購入・保有する顧客の目線に立った、顧客本位の営業が求められます。過去には、販売する事業者の利益を優先するようなケースがあり、今はそれらを所管する金融庁、また金融界をあげて顧客本位の営業を目指す方向にあるようです(※)。
 
そんななかで注目されているのが、IFA(Independent Financial Adviser)、すなわち独立系ファイナンシャル・アドバイザーです。IFAは主に、個人の顧客向けに資産運用や金融商品の提案などを行います。
 
本来、IFAは、金融商品を販売する事業者とは別の会社に所属して、より顧客の利益を優先する立場で金融商品を説明、販売することを目指しています。また、個人事業のIFAも同様です。
 
もともと、IFAはアメリカやヨーロッパで発展したしくみで、アメリカではIFAの数は38万人いるといわれています。そんな中で、日本のIFAは3000人程度で、まだまだ金融事業者*所属の社員や、証券外務員**が中心となって顧客に金融商品を薦める体制になっています。(※)
 
*「金融商品取引法」に規定された投資性のある金融商品を取り扱う事業者。取り扱う内容に応じて、第一種、第二種、投資運用業、投資助言・代理業の4つに分類される。
 
内閣総理大臣への申請・登録。令和2年2月末現在、1954社。
** 日本証券業協会での登録
 

IFA法人と個人IFA

日本ではIFAという呼称は2つの意味で使われています。
 
1つは、上記のIFAの考えに沿った営業をする金融商品仲介業者*を指す場合です。
 
SBI証券、楽天証券、エース証券、PWM日本証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、などは金融商品仲介業者ですが、大手証券会社と同様の金融商品取引業者である一方で、IFAに特化しているといわれます。
 
これらの会社はIFA法人、あるいはIFAプラットフォーマー**と呼ばれることもあるようです。
* 金融商品取引業者の委託を受けて、「有価証券の売買等の媒介」や「有価証券の募集もしくは売出しの取り扱い」などを行う。内閣総理大臣の登録。令和2年2月末現在、886社。
 
** IFAが利用できる金融商品取引事業のプラットフォーム(取引の基本インフラ)の提供者を指す(※)。
 
2つ目は、IFA法人(金融商品仲介業会社)に所属する個人IFA(証券外務員)や、金融商品仲介業を行っている個人IFAを指します。
 
本来、IFAとは、個人IFAをシンプルに指せば良いのでしょうが、法人IFA事業者、IFA法人所属の個人外務員、個人IFAを総称しているのが実態です。
 

IFAは独立性が高いのか

IFA法人(プラットフォーマー)や個人のIFAは、顧客本位の営業体制を目指しているといわれていますが、それでは不十分との意見があり、より独立性の高い組織をつくる動きがあります。
 
その1つが「ファイナンシャル・アドバイザー協会」です。今年1月に設立し、4月に発足することになっています。
 
主要な構成IFAは、IFA法人を自称するGAIAのほか、上述のSBI証券、楽天証券、エース証券、PWM日本証券ほかが加わって、中立性、専門性、継続性をもった顧客本位のIFAを目指すことを目的としているようです。
 
個人のIFAが活動しやすいプラットフォームを提供するIFA法人が実現すれば、それはのぞましいことで、この新しい団体も、そのような方向を目指しているようです。
 
また、ほかにも活動を始めたNPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会」(FIWA)などもあり、顧客本位の金融商品推奨、販売を定着させる動きが活発になっているといえるのではないでしょうか。
 

まとめ

個人の家計全般のコンサルタント・アドバイザーとしてのFPの評価は、確実に高まっていると思われます。一方で、健全な投資に多くの人をガイドし助言するIFAの存在も、不可欠と思われます。
 
お金の相談を誰にすれば良いのかというテーマに戻りますと、資産運用を含めた家計の総合的な相談はFPが適しており、金融商品についてより深く相談する場合は独立系のIFAということになるのではないでしょうか。
 
[出典]
(※)金融庁「独立系フィナンシャルアドバイザー (IFA)に関する調査研究(みずほ総合研究所)」
金融庁「金融商品取引業者登録一覧」
金融庁「金融商品仲介業者登録一覧」
 
執筆者:植田英三郎
ファイナンシャルプランナー CFP

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