コロナウイルスに伴う「保険料の特別お取り扱い」の猶予について
ファイナンシャルフィールド / 2020年5月9日 0時15分
![コロナウイルスに伴う「保険料の特別お取り扱い」の猶予について](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_76795_0-small.jpg)
この度のコロナウイルスに伴い、多くの方がご苦労をなさっていらっしゃることと思われます。お見舞い申し上げます。 このような状況下で、経済的な苦難を少しでも緩和するべく、生命保険会社によっては「保険料の特別のお取り扱い」を行っています。本稿では「保険料の特別のお取り扱い」における「猶予期限の延長」について見ていきたいと思います。
本稿における前提条件
「保険料の特別のお取り扱い」の「猶予期限の延長」について、情報を収集したのは4月11日のことです。某社サイトには、以下のように載っていました。
「保険料のお払込みに関する特別お取扱い等について」
保険料をお払込み中のご契約で、お払込みが困難な場合に、お客さまからの申し出により、保険料のお払込みを猶予する期間を最長6ヶ月延長させていただきます。
最長6ヶ月ではない?
案内文には「保険料の払い込みを猶予する期間を最長6ヶ月」と書いてありますので、案内文を額面どおりに受け取り、「今月(=4月)分の引き落としを6ヶ月間猶予、つまり9月まで待ってもらえるのか?」と理解しました。しかし、それは誤解でした。
正しくは「2月~7月までの保険料の猶予期限を9月末まで延長する」という意味なのです。
ところで、なぜ「2月」なのでしょうか? もともと、2月分(2/1~2/29)の保険料は、2月26日か27日に銀行口座から引き落とされる場合が多いようです(クレジットカード払いの場合は、各社によりバラつきがありますが、今回は説明を割愛します)。
2月の6ヶ月後といえば、8月になりますので「最長7ヶ月の猶予」となります。しかし、そもそも2月分の保険料は翌月の3月末までが「もともとの猶予期限」なのです。
ということで「(もともとの猶予期限を)3月から最長6ヶ月延長する」ということになりますので、9月末までなのです。
ちなみに「(もともとの猶予期限から)最長6ヶ月」なのは、2月分の保険料だけです。3月分~7月分の保険料は「最長6ヶ月」ではなく、単に「9月末まで、猶予期限を延長する」に過ぎません。
なお8月分の保険料は、やはり翌9月末までが、もともとの猶予期限です。ということで、特別のお取り扱いにはなっていません。
なので、案内文は「2月分~7月分の、7ヶ月分の保険料の猶予期限を9月末まで延長してもらえるのが、保険料の特別のお取り扱い」というのが正しい解釈になるのです。
案内文に書かれた「特別のお取り扱い」の手続きと払い込みは?
さて、案内文に書かれた保険料の猶予ですが、その手続きと払い込みは、どのように行うのでしょうか?まず保険証券か、毎年届くご契約のご案内をお手元に用意し、契約している保険会社のフリーダイヤルに電話します。
ところで、頼みの綱であるはずの保険会社のフリーダイヤルも、受付日時が短縮されています。困っている人が多い中で、受付日時が短縮されていますから、なかなかつながりません。筆者は6分20秒待ちました。
電話がつながったら、証券番号の他、名前や住所などの本人確認を済ませた後、先述の「(保険料の特別の取り扱いは2月分からですが、本稿時点では4月ですので)4月分~7月分の保険料」を「特別のお取り扱い」による猶予期限の延長を希望する、ということを告げます。
後日、「払込票」が届きますので、その払込票で「特別のお取り扱い」により猶予された保険料を支払います。
「特別のお取り扱い」に猶予された保険料を払わないと
「特別のお取り扱い」により猶予期限が延長された保険料は、9月末まで払い込まないと、10月には保険契約が失効してしまいます。
また、猶予された保険料を払い込まないと通常の「保険料の口座引き落とし」が再開しませんので、「特別のお取り扱い」の対象になっていない8月と9月分の保険料も払い込む必要があるようです。
失効した契約は元どおりに戻すこと、つまり復活の手続きは可能ですが、「猶予された保険料+1~3ヶ月分の保険料」をまとめて払い込まなくてはなりません。加えて、復活の手続きに際し、健康告知がありますので、復活の手続き時点で健康状態がよくなければ、復活することができません。
もし、貯蓄タイプの生命保険であれば、解約返戻金の一定割合(=商品などによって異なる)を限度に、自動振替貸付が行われます。自動振替貸付とは、要するに「保険会社が保険料を立て替える」ものです。
しかし、「貸付」のネーミングのとおり、保険会社に対し弁済が必要ですし、日割りで利息が生じます。
参考までに、「(2012年4月以後の契約について)もともとの猶予期限が3ヶ月」、かつ「失効と復活、自動振替貸付がない」という保険会社があります。失効しない代わりに契約解除になります。
保険料の払い込み猶予は慎重に
「保険料の特別のお取り扱い」における「猶予期限の延長」とは免除ではなく、あくまでも猶予です。保険料の支払いを先送りにしているだけに過ぎません。
厳しい言い方ですが「支払いを先送り」にしたところで、「収入の先送り」が見込まれなければ、「苦しさを先送り」にしているだけにすぎないとも言えるので、ここで生活スタイルが変わる方は早めに対応を検討したほうがよさそうですね。
(参考)
日本生命の失効
日本生命の自動振替貸付
明治安田生命
日本生命
住友生命
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役
関連記事
新型コロナにかかったら保険金は出る?失業や収入減で保険料を払うのが厳しい場合はどうすればいい?
新型コロナで保険料の支払いが難しいときはどうすればいい?もし感染して入院したら入院給付金は?
保険料が払えない!保険を解約しなきゃだめ?どうすれば良いの?
この記事に関連するニュース
-
奨学金を返すことが難しくなった時の制度があるって本当ですか? 「思ったよりも収入が少なく生活が厳しい」などの理由でも対象ですか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月15日 8時10分
-
国民年金の支払いが1カ月抜けてるとのことでした。今から払えば満額もらえるとのことですが、手続きをしたほうがいいの?
オールアバウト / 2024年7月11日 20時30分
-
さかのぼって請求されるのがこわくて、いまだに「NHKの受信契約」をしていません…このまま放置するとどうなりますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月9日 2時20分
-
車を売却することにしました。保険は解約するのですが、保険料は戻ってくるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月4日 2時20分
-
子どもが生まれました。大学費用を準備しようと計画していたら、母は「学資保険派」で妻は「新NISA派」です。どちらがお得なのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月27日 2時20分
ランキング
-
1「ハイオクとレギュラー」は何が違う? ハイオクが「高い」のはなぜ? “ハイオク指定車”にレギュラーを入れたらどうなる?
くるまのニュース / 2024年7月22日 21時10分
-
2大人以上に暑い!?子どもの「熱中症」リスクが高い理由…異変に気づくためには?
南海放送NEWS / 2024年7月22日 17時54分
-
3【マック】ナゲットの持ち方で性格診断できるだと?SNS大盛り上がり「お上品ナゲットタイプだった」「確実に神経質ナゲットタイプ」
東京バーゲンマニア / 2024年7月22日 17時16分
-
4腰痛に悩む女性が今すぐに取り入れるべき「3つの習慣」…“ぎっくり腰のリスク”も軽減
女子SPA! / 2024年7月22日 17時42分
-
5終電間際、乗客同士のトラブルで車内は「まさに“地獄絵図”」泥酔サラリーマンが限界突破して…
日刊SPA! / 2024年7月22日 8時54分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)