親が亡くなったらどんな手続きが必要?知っておきたい相続開始後の手続き(2)
ファイナンシャルフィールド / 2020年5月20日 8時30分
![親が亡くなったらどんな手続きが必要?知っておきたい相続開始後の手続き(2)](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_77573_0-small.jpg)
前回は、人が亡くなったときに提出する死亡届、遺言書の有無の確認、健康保険・介護保険の手続きについて解説しました。今回は、相続が開始された後の手続きとして事前に知っておきたい、年金の手続き、相続放棄の手続きについて解説します。
年金の手続き
亡くなった方が公的年金を受給していた場合、受給権者死亡届に死亡年月日、年金証書に記載されている基礎年金番号と年金コード、生年月日などを記入して提出する必要がありますが、日本年金機構にマイナンバーが収録されている方の場合は、原則として、受給権者死亡届の提出が不要となります。
なお、亡くなった方が企業年金などを受給していた場合は、企業年金基金や連合会、勤務先などで手続きをする必要があります。亡くなった方が公的年金を受給していて、受給権者死亡届の提出が必要な場合は、以下の通りとなります。
【書式・用紙】
受給権者死亡届の用紙は、市・区役所または町村役場の国民年金の窓口に用意されています。また、日本年金機構のHPからダウンロードすることもできます。
【届出期間】
厚生年金などの年金を受給していた場合は、死亡した日から10日以内、国民年金を受給していた場合は、死亡した日から14日以内に届け出る必要があります。
【届出先】
年金事務所、または年金相談センターに提出します。ただし、障害基礎年金、遺族基礎年金のみを受給していた方が亡くなった場合は、市・区役所または町村役場に提出します。
【その他】
亡くなった方の年金証書と、死亡を明らかにすることができる書類(戸籍抄本または住民票の除票など)などが必要になります。公的年金の手続きが遅れる、または忘れてしまうと、年金の振り込みが継続されることになります。
亡くなった日の翌日以後に年金を受け取った場合は、その分を返還する必要があるだけではなく、年金の不正受給とみなされることもありますので、受給権者死亡届の提出が必要な場合は、忘れないように年金の手続きをするようにしましょう。
亡くなった方に、まだ受け取っていない年金がある場合は、未支給年金請求書を提出することで、亡くなった方と生活をともにしていた遺族の方が、受け取っていない年金を受け取ることができます。
未支給年金請求書を提出する際に添付するものとして、続柄が分かる書類(戸籍謄本など)および、生計を同じくしていたことが分かる書類(住民票など)、請求者の預金通帳が必要になりますが、住民票の住所が亡くなった方と同一でない場合は、亡くなった方と生計をともにしていたことについて、民生委員などの第三者の証明を受けた書類を併せて提出します。
なお、住民票については、マイナンバーを記入することで添付を省略することができます。
また、亡くなった方と生活をともにしていた遺族であれば、誰でも受け取れるというわけではなく、亡くなった方が受け取っていない年金を受け取ることのできる遺族には順位があり、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、その他3親等内の親族の順となっています。
相続放棄の手続き
亡くなった方の財産を相続する場合、プラスの財産だけでなくマイナスの財産も相続する財産に含まれますが、明らかに相続する財産にマイナスの財産が多い場合などは、亡くなった方のプラスの財産もマイナスの財産も一切相続しない「相続放棄」という選択肢もあります。
相続放棄は、相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内に、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に申し出る必要があります。相続放棄に必要なものについては、相続放棄の申述書、被相続人の住民票除票または戸籍附票、申し出る人の戸籍謄本などとなっています。
相続放棄は、相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内という期限があることや、原則として相続放棄をした後の撤回や取り消しができないことなどがありますので、できるだけ早く、亡くなった方の財産を把握する必要があります。
また、相続放棄の選択については、自身の境遇や亡くなった方の財産などを考慮し、慎重に判断したほうがよいでしょう。
まとめ
年金の手続き、相続放棄の手続きのように、相続が開始された後に必要な手続きは多くあります。次回も、相続が開始された後の手続きについて解説します。
[出典]
日本年金機構「年金を受けている方が亡くなったとき」
裁判所「相続の放棄の申述」
執筆者:中田真
CFP(R)認定者、終活アドバイザー
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