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自営業者などの第1号被保険者の老齢基礎年金の平均月額は5万6000円。老後保障を厚くする公的制度とは?

ファイナンシャルフィールド / 2020年6月10日 8時30分

自営業者などの第1号被保険者の老齢基礎年金の平均月額は5万6000円。老後保障を厚くする公的制度とは?

昨年、「老後資金2000万円不足問題」が世間を騒がせましたが、自営業者などにとっては2000万円ではまったく足りません。   国民年金に加え厚生年金保険に加入している会社員と国民年金にのみ加入している自営業者などの第1号被保険者とでは、老齢年金に大きな差があるからです。   厚生労働省「平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均年金月額が男性17万3000円、女性10万9000円なのに対し、国民年金の受給額は平均月額5万6000円しかありません。   自営業者等は、自ら老後保障を手厚くすることが大切です。

老後保障を手厚くする方法

自営業者など第1号被保険者の老後保障を手厚くする方法として、「個人年金保険」「つみたてNISA」「個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」などがあります。
 
ここでは、自営業者など第1号被保険者が利用できる独自の公的制度として、「任意加入」「付加年金」「国民年金基金」について解説します。

■任意加入

第1号被保険者は、保険料を原則として20歳から60歳までの40年間払います。そうすると令和2年度は満額で年額78万1700円(月額6万5000円)の老齢基礎年金を受け取ることができます。ただし、保険料免除期間等を含め10年以上加入する必要があります。
 
保険料納付済期間が40年間に満たない場合は、年金額は少なくなります。仮に、保険料納付済期間が10年とすると年金の受給額は4分の1の19万5000円(月額1万6300円)です。
 
60歳までに老齢基礎年金の受給資格(10年以上)を満たしていない場合や、40年の納付済期間がないため老齢基礎年金を満額受給できない場合、満額受け取るにはどうしたら良いでしょうか。
 
国民年金には、60歳以降でも原則65歳まで、国民年金に任意加入できる制度があります。なお、年金の受給資格期間を満たしていない65歳以上70歳未満の方も加入できます。
 
65歳未満であれば、任意加入しながら以下に説明する付加年金や国民年金基金に加入することが可能です。

■付加年金

付加保険料を納めることができるのは、自営業などの国民年金の第1号被保険者、任意加入被保険者(65歳以上の方を除く)です。
 
国民年金の一般保険料に加えて付加保険料(月々400円)を納めると 老齢基礎年金に付加年金が上乗せされます。付加年金の年金額は、200円×付加保険料納付月数となります。
 
例えば、40歳の方が20年間付加保険料を納めたとします。付加保険料の総額は9万6000円。付加年金の年金額は4万8000円となり、付加保険料を納めた分は、2年間でモトが取れます。また、マクロ経済スライド等の適用もないので年金額が目減りする心配もありません。加入しない手はありません。
 
付加保険料の納付は、申し込んだ月分からとなります。納期限を経過した場合でも、期限から2年間は付加保険料を納めることができます。なお、次の国民年金基金に加入している方は付加保険料を納めることはできません。

■国民年金基金

自営業者などの国民年金の第1号被保険者、任意加入被保険者(65歳以上の方を除く)が加入できます。加入できる年金のタイプは複数あります。
 
全員が加入する1口目(終身年金A型またはB型)と、希望に応じて選択する2口目以降(終身年金A・B型、確定年金I~V型)があり、口数に応じて掛金を納めます。掛金の上限は個人型確定拠出年金と合わせて月6万8000円です。
 
掛金は社会保険料控除の対象となり所得税や住民税が軽減されます。なお、国民年金基金の加入員は、国民年金の付加保険料を納付できません。国民年金基金のホームページに「年金額シミュレーション」があり、掛金・年金額を調べることができます。

退職金をつくる

小規模企業共済をご存じでしょうか。国の機関である独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営する小規模企業共済は、小規模企業の経営者、個人事業主・フリーランスの方の廃業や退職時の生活資金などのための積立による「退職金制度」です。
 
個人事業主やフリーランスの方は会社員と違って退職金がありませんので、ゆとりある老後生活のために小規模企業共済を活用すると良いでしょう。
 
月々の掛金は1000円~7万円まで500円単位で自由に設定が可能で、加入後も増額・減額できます。共済金は、退職・廃業時に受け取りが可能です。一括受け取りの場合は退職所得扱いに、分割受け取りの場合は、公的年金等の雑所得扱いとなり、税制メリットもあります。
 
契約者の方は、掛金の範囲内で事業資金の貸付制度を低金利で利用できる点も経営者にとっては助かります。中小機構のホームページに「加入シミュレーション」があり、将来受け取れる共済金と節税効果を試算できます。
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー

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