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老後の生活。お金以外に、大切なものって?

ファイナンシャルフィールド / 2020年6月13日 11時30分

老後の生活。お金以外に、大切なものって?

退職後は、年金で不足する生活費を退職金やこれまでの貯蓄から取り崩して生活します。不意な病気や介護生活に陥れば、取り崩す金額はさらに増えるでしょう。元気で長生きをしても取り崩す期間が長くなり、年金だけでは不足するかもしれません。   一方、生涯現役でお金を稼ぎ続けたら、安心して豊かな老後を過ごせるでしょうか。

老後は悠悠自適

現役時代は常に追われる状態が続きます。取引先からの問い合わせや注文、上司からの仕事の依頼、メールや電話や伝言など、次から次へとやらなければならないことが切れ間なくやってきます。せめて長期の休暇ではスマホやパソコンを手放し、電波の届かない場所に出かけたいものです。
 
定年前に十分な資産を形成して、早期退職を夢に描く人もいるでしょう。定年後いつまでも会社にしがみついて働く姿は格好悪く映るかもしれません。
 
しかし子供がいれば、学校を卒業するまでは支援するのが親としての務めとし、早期退職はなかなか難しくなります。せめて定年退職後はのんびりと静かに暮らしたい。田舎に戻って農業をしながら自給自足の生活をしてみたい、と願う人は少なくないでしょう。
 
そんな願いを妻にいきなり切り出せば、熟年離婚になりかねません。妻からは「田舎に行くのならば1人で行ってください。私はこの地にいます」と言われるかもしれません。
 
1カ所に長いこと住み続ければ、そこに親しい友達ができます。その友達と離れて暮らすことは妻には考えられないのでしょう。便利とか不便とかより、今あるコミュニティはなにものにも替えがたいものです。
 
とかく男性は現状のマイナス要因に注目し、これを取り除こうと新たな夢を見がちです。

生きがいは相手の喜び

退職すれば日常が変化します。例えば、午前中は新聞、テレビ、散歩、午後のパチンコ、夕方からの居酒屋通いだけ……現役時代と比べると少し物足りない生活になるかもしれません。
 
かつての仕事仲間に連絡しても、仕事を通じて上司と部下であり、仕事がなくなれば他人同士です。久しぶりに杯を酌み交わしても、いつしかかつての仕事の話にたどり着き、新しい話題が減ってしまうことで、その後会う回数が少なくなってしまうことも。
 
こんな日々を送っていれば、かつての自分のほうが輝いていたのでは、と思ってしまう人もいるかもしれません。仕事は大変だったが、給与をもらいながら仕事でやりがいを感じていたと……。
 
現役時代は、仕事を通じて相手を喜ばせれば達成感が得られます。職場の気の合う仲間とおしゃべりすれば、互いに喜びを感じる時間を過ごせます。業務で困っている人を助ければ相手は喜んでくれます。
 
仮に生涯困ることのない資産を準備でき早期退職できたとしても、具体的に喜ばせる相手がいなければ、寂しい老後だと感じる人もいるでしょう。仕事上の人間関係に耐えられず逃げ出しても、ストレスは減少しますが達成感を失ってしまうかもしれません。
 
どんな職種でも必ず喜んでくれる人はいるはずです。そこに気づくと、仕事に生きがいを感じることができる可能性があります。生きる上でお金は大事ですが、生きがいはもっと大事なのではないかと筆者は考えます。
 
ボランティアや寄付行為は、お金を稼ぐことしか関心のない者には受け入れがたい行為かもしれません。しかし、これらの行為の先には喜んでくれる人がたくさんいます。自分のライフワークにする人はこの達成感の経験者と思われます。
 
執筆者:手塚英雄
有限会社テヅカプラニング 代表
CFP(R)認定者 1級ファイナンシャルプランニング技能士 証券外務員

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