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離婚したいけど、住宅ローンどうしよう…そんな場合の選択肢って?

ファイナンシャルフィールド / 2020年6月17日 10時15分

離婚したいけど、住宅ローンどうしよう…そんな場合の選択肢って?

近年、出生率の低下や婚姻件数の低下が取り上げられることが多くなってきていますが、離婚件数については、緩やかではあるもの減少傾向にあるようです。   とはいえ、厚生労働省の資料(※1)によると、日本の離婚率は1.7パーミル(人口1000人に対する離婚件数)となっており、世界的にも高い位置で推移しています。   今回は離婚の際の住宅(持ち家)について、どのように取り扱うのが良いのか。またローンが残っている場合においては、その後の支払い等においてどのような選択肢があるのかについて説明します。

離婚を決めた時、持ち家の扱いはどのようにする?

離婚について話し合う際、避けて通れないのが財産分与の話です。離婚率が高いのは男性女性ともに30歳~34歳といわれており(※2)、その年代であれば、住宅を取得していることも十分に考えられます。

■住宅を売却し、利益(債務)を等分する

財産分与において、一番もめることなく解決できる方法は、「今住んでいる住宅を売却し、売却の対価やローンについて、均等に案分する」方法です。

■住宅を売却することなく、どちらか一方が住み続ける

このような場合、当然のことながら住み続けることを選択した側がその後の住宅ローンを払っていくことになります。ただ、その際には以下の点に注意するようにしましょう。
 
1.引き続き持ち家に住む方の名義(不動産名義)をきちんとしておく
もし話し合いでどちらかが引き続きその持ち家に住むことになった場合、その不動産の名義についてきちんと確認しておきましょう。もし共同名義になっているのであれば、引き続き住む方の名義にすべて変更する手続きが必要です。
 
手続きは登記所で行いますが、もし、住宅ローンが完済している場合、手放す方の持ち分については引き続き居住する方への譲渡となりますので、「譲渡所得税」や「登録免許税」などの税金が発生することに注意が必要です。
 
2.住宅ローンの名義人を確認しておく
不動産の名義人と住宅ローンの名義人は、異なることもあり得ます。それだけに、住宅ローン契約においては、どちらの名義になっているかについてしっかり確認しておくことが重要です。
 
ただし、住宅ローンは金融機関との契約となることから、名義を変更しようとしてもその人の年収が少ないなどの理由で断られる可能性もあります。
 
住宅ローンというのは長期にわたって支払いが続くものですので、離婚前後の事情だけではなく、ローンを引き継ぐ側の経済力など将来を見据えて判断することが重要です。

住宅を売却しない場合の住宅ローンの取り扱いにおける注意点

住宅というのは、自分たちで手に入れたお城であるともいえます。そういった思いから、やはり売却することだけはしたくないと思われる方も多いでしょう。ただ、住宅ローンの返済がまだ完了していない場合においては、以下の点に気をつける必要があります

■住み続ける方でない側がローンを返済する場合

例えば、「住み続けるのは妻であるが、住宅ローンを返済するのは夫」というように、住み続ける人と住宅ローンを返済する人が異なっている場合は、いろいろと問題が起きやすいものです。
 
夫がずっと住宅ローンを支払ってくれれば良いのですが、不測の事態で支払いが困難になることは十分に予想されます。
 
そのような場合の対策としては、話し合いの際「不動産の名義を住む人に変更しておく」ことや「離婚後〇年分に限り夫が住宅ローンを負担し、後の返済分については妻が返済する」旨の協議書を必ず作成しておくようにしましょう。

■住み続ける人もそうでない人もどちらもローンを支払えない場合

夫側であれ、妻側であれ、離婚後の経済状況については「1人では住宅ローンを返済し続けるのは不可能」というケースも考えられます。
 
これはもし、住宅を売却してローンが残った場合でもいえることです。売却し、ローンが残ることになった場合において、2人で折半するとしても、どちらも支払うことが難しいという状況は十分にあり得るでしょう。
 
離婚によってその家に住まなくなる側の立場からすると、新たな住まいを探すことになりますし、今後はその賃料の支払いも発生することから、話し合いの決着がなかなかつかないことも考えられます。
 
そのような場合は、例えば「住み続ける側の親族からお金を借り入れて返済する」など、お互いに納得できる解決策を見いだすようにしましょう。

離婚の際、住宅ローンの連帯保証人はどうなる?

住宅を購入する際、どちらかが連帯保証人となり住宅ローンを組んでいるケースも多いと思いますその場合の対処法について、以下に詳しく説明します。

■連帯保証人ってなに?

連帯保証人とは、「お金を借りた人と同じ責任を負う」人のことです。したがって、例えば、夫がローン契約者で妻が連帯保証人にサインをしている場合、夫が何らかの理由で返済できないとなると、連帯保証人である妻に対して返済の請求がくることになります。

■連帯保証人と連帯債務者の違いとは?

住宅を購入する際、夫婦共同名義で住宅ローンを申し込んでいる場合、そのローンの申込人が債務者となり、夫婦お互いが連帯債務者となります。そして、連帯債務者は借りた人と同等の支払い責任を負う立場にあります。

■連帯保証人の責任は離婚では解消されない

連帯保証とは、夫婦間での取り決めではなくローンを組んだ金融機関との契約であるため、離婚を理由として連帯保証が解除されるわけではありません。
 
連帯保証が解除されるのは、住宅ローンが完済(全額返済)された時ですので、住宅ローンが残っている場合は、原則連帯保証人であり続けることになります。どうしても、連帯保証を解除したい場合には、以下の解決策を検討してみましょう。
 
1.住宅ローンの借り換えを検討する。
現在の住宅ローン残高が、夫婦合算ではなく夫もしくは妻単独の収入(年収)で借り換えることができるとすれば、どちらか一方は連帯保証人になる必要はありません。もし、それが可能なのであれば、離婚の前にローンを借り換えることで、連帯保証人としての責任を消滅させることができます。
 
2.住宅ローン相当分の固定資産を担保にする。
これはあくまでも「住宅ローンに相当する一定以上の資産を持っている」場合に限られますが、その資産を担保にすることで、連帯保証人の責任を逃れることも可能です。担保評価については金融機関独自の判断に委ねられますので、必ず事前に金融機関に相談してください。

■共同名義や連帯保証人のままにしておかないほうが良い理由

もし、共同名義のままでどちらか一方がその家に住み続けたとして、将来その家を売却したいと考えた際には、必ず共同名義となっている全員の同意が必要です。
 
離婚後、離婚した相手側と連絡が取れる状態であったとしても、住み続けるといった家を売却する話に相手側が納得してくれるかどうかの問題もあります。
 
また、共同名義のまま、将来相続問題が発生した場合についても同様であるばかりか、相続となると法定相続人全員の同意も必要となってくることから、ますます話が難しくなってしまいます。
 
面倒だからと手続きを放置し、将来後悔しても遅いのです。そのような意味からも、名義や保証人の関係については離婚時にきちんと話し合い、解決しておくようにしましょう。

まとめ

離婚したいけど、住宅ローンが残っているという状況であれば、まず現在の自宅の評価額を算定してみましょう。正式な金額は分からないとしても、概算額については知ることが可能です。
 
そして住宅ローンの名義や残高を確認したうえで、売却したほうが良いのか、どちらかが住むほうが良いのかを話し合って決めるべきです。
 
住宅ローンに限らず、離婚時にはいろいろと話し合って決めなければならない事項があります。勢いで決めるのではなく、今後どのように生活していくのかなども含めて、お互いが納得する解決策を見いだすようにしましょう。
 
(※1)総務省「世界の統計2020」
    厚生労働省「平成 30 年(2018) 人口動態統計の年間推計」
(※2)厚生労働省「人口動態調査 / 人口動態統計 確定数 離婚」
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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