【実例解説】初回限定のお試し価格でサプリを注文したつもりが、翌月も商品が届いた! どうすればいいですか?
ファイナンシャルフィールド / 2020年6月20日 10時50分
SNSやウェブページを閲覧中に「通常4800円のところ今だけ初回お試し900円!」といった広告を目にしたことはありませんか? 最近、こうした広告を目にして商品を購入したら、その後も定期的に、しかも通常価格で品物が届くようになったといった相談が多く寄せられています。なぜこうしたことが起こるのか、実例をもとに解説していきます。
1回限りのお試し・初回割引のつもりが…
Aさんは以前から健康志向が強く、健康食品に興味があったものの、価格が高いため購入できずにいました。そんなとき、インターネットで「通常4800円の商品が期間限定、初回お試しで900円!」という広告を目にし、すぐさまお試しで購入しました。
実際に900円で購入できたのですが、翌月以降、通常価格で4800円の商品が届けられました。驚いて内容を確認したところ、初回900円で購入するには3ヶ月間の定期購入が条件となっていました。
さらに、規約にも、商品の不備などでない限り原則返品はできない旨が記載されていました。急いで問い合わせたところ、「コースに申し込まれていて、すでに商品も届けられているので、規約にある通り返品はできません」といわれてしまいました。
そのことについて、きちんと商品説明の画面や注文の確認画面で説明があったにもかかわらず、それを見落としていたのが原因でした。さて、Aさんは商品を返品できるでしょうか?
インターネットでの買い物は内容をきちんと確認する
今回の事例において、Aさんが商品を返品することは難しいでしょう。その理由は、定期購入が条件であるときちんと明記されており、かつ、「商品の不備などでない限り返品は受け付けない」といった旨の定めも存在するからです。
仮に、返品に関して定めがなければ、商品到着から8日以内なら、特定商取引法(※)に則り、送料を負担のうえ返品できるのですが、今回のケースでは「返品は受け付けない」旨の規定があるため、それもできません。
そのため、インターネットでの買い物は、実店舗での買い物以上に注意することが必要です。
クーリングオフは万能ではない
よく、インターネットでの買い物に対して「クーリングオフで返せないの!?」とお問い合わせをいただきますが、クーリングオフは、インターネットでの買い物には原則適用できません。
クーリングオフは、訪問販売や電話勧誘など、あくまで不意打ち的に持ちかけられた契約などに対して適用できる制度です。本人が自発的に販売者にアクセスするインターネットでの買い物は、不意打ち的要素があるとは判断されず、クーリングオフは適用されないのです。
Aさんはどうすればよかった?
もし、Aさんに今回のトラブルを避ける方法があったとするならば、それは注意深く確認することです。
すなわち、
・定期購入となっていなかったか?
・その他の商品の購入が割引の条件になっていないか?
・返品できる期間は定められていたか?
といったような点です。
こうした内容は、商品の説明ページや購入前の確認ページなどで表示されることがほとんどです。特に、最終確認のページには、料金の総額や購入商品の詳細、その他契約の内容がすべて表示されるようになっていますので、そこは絶対に確認しておくべきです。
初回やお試しといった文字を見たら要注意
「初回」や「お試し」の割引商品を購入したことが原因で、定期コースに加入してしまうようなトラブルは定期的に発生しており、国民生活センターや自治体は注意を促しています。
「初回限定価格」や「お試し」といったような文字を見つけたときは、どんなに興味をひかれたとしても、必ず細部まで内容を確認してから購入するようにしてください。
[出典]
※電子政府の総合窓口e-Gov「特定商取引に関する法律」
独立行政法人 国民生活センター「クーリング・オフ」
執筆者:柘植輝
行政書士
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