マスクから考える「値段から品質の競争へ」
ファイナンシャルフィールド / 2020年6月24日 9時10分
![マスクから考える「値段から品質の競争へ」](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_80404_0-small.jpg)
今、マスクが注目されています。主流の使い捨てサージカルマスクだけでなく、アベノマスクのような洗えるタイプのものも種類が増えました。感染予防の手段だけではない、昨今のマスク事情について考えます。
マスクバブルは長続きしない
ネット上などで「マスクバブル崩壊」という見出しを見つけました。コロナウイルスの感染予防策として、マスクは必携のアイテムです。市中に出回っているマスクの多くは中国製です。
中国からの輸入が滞ったことで供給はひっ迫し、ドラッグストアの商品棚からマスクがなくなりました。店頭には「本日マスクの入荷はありません」と貼り紙され、入荷されると即座に完売。転売ヤーと呼ばれる輩が出現し、ネットでの転売に規制が掛かりました。
これに伴い価格も上昇してバブル状態だったのですが、ここにきて崩壊したというのです。マスコミの報道でもマスクの価格下落が伝えられています。
マスクの値段が下落した要因は大きく3つ考えられます。まず、中国からの輸入品の流通量が増えたことです。マスクの購入場所は日頃はドラッグストアやスーパー等です。ところが通常は取り扱いのない洋品店等でも、独自のルートを使って入手し販売するようになりました。
手作り派が急増
アベノマスクの配布が決まり、使い捨てではない「ガーゼのマスク」の存在感が増しました。
当初は目が粗いので効果は薄いのでは、という懸念もありましたが、「政府が配布する」ということで、ある程度の効果が期待できるというお墨付きを得たように思えます。そうなると、「市販のマスクが入手困難だから手作りしよう」という流れができました。
手作り用のガーゼやゴムが完売し、「買わなきゃ」「作らなきゃ」の消費者心理を増幅させました。折しも自宅待機をしているので、在宅作業としてはピッタリのマスク作りとなった次第です。私はこれが使い捨てマスクの需要を減らし、価格を下げた2つ目の理由だと考えています。
3番目の理由は、国内企業がマスクの生産を始めたことです。既存のメーカーが増産をしただけでなく、異業種からの参入が話題になりました。シャープ製のマスクは注文が殺到し、サイトがダウンするほどでした。品質を考えると日本製が安心できる、という点も人気の理由です。
この他にもミズノは水着の素材で、福助はストッキング素材でマスクの製造を始めています。ユニクロも夏用インナーのエアリズム素材で参入する予定です。大手だけでなく縫製技術を持つ会社は、デニム地や浴衣地など独自の素材を生かしたマスクを生産しています。
第2波に備えてマスクの準備
記者会見の機会が多い小池都知事をはじめ、閣僚たちのマスクが気になる人も多いのではないでしょうか。洋服とのコーディネートや図柄など、センスが問われます。
中には県の特産品柄をあしらったマスクの知事もいて、気遣いが感じられます。こうしてウイルスの感染予防だけでなく、次第にファッション性も求められるようになりました。
コロナウイルスとの闘いはまだまだ続き、マスクは手放せません。これから夏を迎えるにあたり、通気性や涼感性も要求されます。価格だけでなく、品質に対する競争が激しくなりそうです。「第2波に備えることが重要」と言われていますので、消費者としては、品質重視でマスクの備蓄を始めたいものです。
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
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