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近年の水災から考える! ハザードマップと火災保険による「内水氾濫」への対応策

ファイナンシャルフィールド / 2020年7月4日 1時20分

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2018年の西日本豪雨、2019年9月・10月の大型台風など、近年の大規模な水災、浸水被害については、誰しもが記憶に新しいところです。   一言でいってしまえば、異常気象の影響と表現されるのかもしれませんが、これまでに経験したことのない短時間でのゲリラ豪雨や竜巻などの現象は、引き続き今後も発生する可能性が高いでしょう。   ここでは、近年の水災、浸水被害の特徴となっている都市部を中心とする「内水氾濫」の主な対応策について考えてみたいと思います。

内水氾濫とは?

台風や大雨による水災の1つとして想定されるのは、河川の水位が堤防を越えて水が溢れ出す「河川氾濫」です。
 
その影響は極めて甚大な被害をもたらすこととなり、河川近くの住宅街などが広範囲にわたって浸水する場合もあります。近年でも、新幹線の車両が何台も浸水しているショッキングな映像がテレビで報道されることもありました。
 
もう1つには、大雨により排水溝や下水道の排水能力を超えてしまうことで道路や建物が浸水する「内水氾濫」があります。実際に、2019年の台風19号においては約150箇所で内水氾濫が発生したとされています。
 
内水氾濫の発生予想箇所(洪水ハザードマップの浸水想定区域)は河川から離れた場所であることが多いため、通常の洪水ハザードマップとは別に「内水ハザードマップ」の作成、整備が各市区町村に求められています。
 
また、内水氾濫による浸水は河川氾濫よりも頻度が高く、予想しづらいゲリラ豪雨などによって極めて短時間で発生してしまうという特徴があります。

火災保険の水災補償

水災とは、台風や暴風雨、豪雨などによる洪水、高潮、土砂崩れなどによる災害のことを指します。住宅のさまざま損害を補償する火災保険には「水災補償」があります。ただし、保険によってはオプション(特約)となっているため、ご自身の付保内容を確認しておきましょう。
 
注意が必要なのが、水災補償の支払要件です。一般的には、以下の2つのいずれかを満たした場合に保険金が支払われます。
 
・保険の目的となる建物や家財の再調達価格の30%以上の損害を受けた場合
・床上浸水または地盤面から45センチメートルを超える浸水の場合

マンションの場合の水災補償

マンションに関する火災保険は大きく2つに分類されます。
 
1つは各区分所有者が、その専有部分に付保する火災保険です。それぞれの目的に合わせ、建物や家財、またはその両方を対象とし、特に1階部分(場合によっては2階、3階部分)では水災補償が有効となることがあります。
 
前述のハザードマップの浸水想定などを参考とすることをお勧めしますが、上階でもバルコニーの排水溝の詰まりなどを原因とする建物への浸水被害が発生するケースが考えられます。
 
もう1つは、専有部分以外のマンション共有部分に対する火災保険です。こちらはマンション全体として管理組合で契約することになります。
 
マンションにはエントランスや廊下などの共用部分の他にも、電気室やエレベーター機械室、受水槽などさまざまなインフラ設備があり、その多くが1階や地下に位置しているため、浸水被害で使えなくなってしまったり、誤作動を起こしてしまうことがあります。
 
記憶に新しい例として武蔵小杉のタワーマンションの浸水被害がありますが、マンションにお住まいの場合、マンション内のインフラ設備がどこにあり、どのようなリスクがあるのか、あるいは共用部分の火災保険の補償範囲などについても関心を持つことが重要となるでしょう。
 
また、マンションの機械式駐車場の地下部分や地下駐車場に駐車している車両の浸水被害については、一般的には管理組合の火災保険の補償範囲ではなく、管理会社にも責任を求めることができません。

まとめ

内水氾濫の浸水想定区域は、駅近辺などの繁華街が多いといわれています。繁華街などは、比較的古くから排水設備が整備されていたため、雨水と汚水が1系統となっている合流式を採用しているケースもあり、短時間での雨量に対応できないことも原因の1つとなっています。
 
また、水災に対する備えとして火災保険の水災補償は有効な手段の1つですが、ご自身が住んでいる環境に合った付保内容となっているかが重要なポイントです。
 
当然ながら水災補償の特約を付保することで保険料の負担も増加するため、まずは地域のハザードマップなどの情報をしっかり確認しておくことをお勧めします。
 
参考 国土交通省 ハザードマップポータルサイト
 
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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