ギャンブルの中にもお金を賭けてOKなものとダメなものがある!?
ファイナンシャルフィールド / 2020年7月7日 12時0分
最近、検察庁のお偉方が新型コロナウイルスにおける外出自粛期間に「賭け麻雀」に興じていたことが問題となり、辞任に追い込まれることとなりました。 皆さんが、もし小さなお子さんから「パチンコで儲けてくるのは良くて、なんで賭け麻雀はダメなの?」と聞かれたら、説明することができるでしょうか?
お金を賭けるギャンブルは賭博罪です!
金銭や宝石などの財物を賭けてギャンブルや賭け事をした場合、刑法の「賭博罪」が適用されます。そのため、金額の多い少ないにかかわらず、また、回数に関係なく賭博行為をした時点で単純賭博罪に該当することになります。
そして、刑法第185条には「賭博をした者は、50万円以下の罰金または科料に処する。」と定められています。さらに、悪質な賭博や常習性のある賭博行為については、より重い懲役などの罪に処せられることもあります。
ただし、「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。」とされ、一時の娯楽として食べ物や飲み物などを賭ける行為については、賭博の対象とはならないものとされています。
つまり、前述の賭け麻雀をはじめ、賭けトランプ、賭け花札なども賭博罪が適用される犯罪行為であるということです。
国が認める公営ギャンブルとは?
その一方で、わが国には国が賭博行為を認めている公営ギャンブルというものがあります。公営ギャンブルの競技は、「競馬」「競輪」「競艇」「オートレース」の4つとされています。
これら4つに共通する特徴は、レースの参加者全員が一斉にスタートして、その順位を決める個人戦のスポーツである点です。そして、それぞれお金の賭け方が若干異なりますが、基本的にはその順位を予想して、見事的中すれば、オッズ(倍率)に応じた賞金(お金)がもらえます。
これらの競技以外にも、「宝くじ」などのくじを使った公営ギャンブルがあります。宝くじの仕組みについての説明は必要ないと思いますが、あらかじめ購入したくじに記載された組や番号が見事的中すれば、直接賞金を手にすることができます。
また、一般的な宝くじの他にも、あらかじめ好きな番号を購入者が予想する「ロトくじ」や、くじをコインなどで削って図柄をあわせる「スクラッチくじ」なども人気です。
さらに、Jリーグの試合結果を予想し、勝敗や得点に賭ける「toto」などもあります。いわゆる「サッカーくじ」と呼ばれるものですが、プロ野球に賭ける「野球くじ」は認められていません。
たまに「野球賭博」「相撲賭博」という言葉を聞くことがありますが、これらを対象とする賭博行為は全て禁止されています。
パチンコやスロットはグレーゾーン?
わが国の一大娯楽産業であるパチンコやスロットは、公に認められたギャンブルではありません。これらの仕組みを大雑把にいえば、パチンコ玉やコインを利用者がお金を出して借りて、それを使ってゲームすることで玉やコインの数を増やすものです。
しかし、増やした玉やコインを直接換金する行為は法律で禁止されています。そのため、パチンコ店などでは増やした分の玉やコインを一旦「特殊景品」と呼ばれる景品に交換し、その景品をさらにパチンコ店とは離れた景品交換所などで換金することで法律の穴をかいくぐっているのです。
現在の法律では、このような仕組みを規制することができないため、日常的に公然と行われています。つまり、いわゆるグレーゾーンとして、暗黙の了解の下に認められているギャンブルといえるでしょう。
また、カジノについてもわが国では現状では認められていません。裏社会による「違法カジノ」の問題やカジノの国営化が議論されていることは、周知のことと思います。
まとめ
現実の社会において、ごく親しい仲間内での賭け事が全く行われていないかといえば、答えは「ノー」でしょう。
実際問題としては、仲間内で警察に通報することもないでしょうし、明確な証拠も残らないことがほとんどです。むしろ、気の合う仲間と共通の趣味を通じて、楽しい時間を過ごすことは、日々の生活の中でも重要な時間となることでしょう。
それはさておき、前述の「賭け麻雀」による辞職の問題は、賭博罪という罪そのものよりも、日本国民全体が外出自粛に取り組んでいる真っ最中に、その立場をわきまえず賭け事に興じていたという自覚とモラルの欠如が根源となっています。
最後に私自身への戒めも含め一言。「ギャンブルは必ず胴元が儲かるような仕組みでできています。モラルと節度をもってほどほどに!」
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
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