念願のマイホームの購入後に発覚した思わぬ落とし穴! いま問題の環境的瑕疵とは?
ファイナンシャルフィールド / 2020年7月24日 11時0分
![念願のマイホームの購入後に発覚した思わぬ落とし穴! いま問題の環境的瑕疵とは?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_82912_0-small.jpg)
マイホームを購入したら、書類上からは分からなかった問題が発覚して大失敗。そういった事例のほとんどは「環境的瑕疵」の確認を怠っていたことが原因です。マイホームの計画を大きく狂わせる環境的瑕疵とはいったいどのようなものなのでしょうか?
不動産における環境的瑕疵とは?
不動産における環境的瑕疵とは、土地や建物といった不動産を取り巻く環境についての瑕疵(何かしらの問題や欠陥)をいいます。人の死などを原因とする心理的瑕疵や建物が傾いているといった物理的瑕疵などは比較的気づきやすい瑕疵です。
それに比べて環境的瑕疵は、実際に住んでみないと気づかなかったりするものも多く、購入後に後悔することが起こりやすいのです。
また、一般的に瑕疵のある不動産は、近隣相場よりも売却価格の安くなることが多いのですが、環境的瑕疵の場合は相場から大きく安くなることも少なく、価格から判断することも難しい瑕疵になります。
環境的瑕疵には次のようなものがあります。
- ✓日当たりや展望が悪い
- ✓近隣の施設から騒音や異臭が漂う
- ✓近隣に遊戯施設や廃棄物処理場、反社会的勢力の所有する物件がある
- ✓近隣に異常な行動をとる人が住んでいる
環境的瑕疵が発覚しても簡単には契約を解除することはできない
一般的には、購入した不動産に隠れた瑕疵があれば、それを承知で購入した場合でもない限り、損害賠償の請求をしたり、購入した目的が達成できない場合は契約の解除といったことが可能です。
しかし、仮に損害賠償が認められたとしても、その額は売買価格の1割から2割程度にとどまることがほとんどです。
環境的瑕疵は土地や建物自体に瑕疵があるわけではないため、特に契約の解除などはその他の瑕疵に比べて認められにくい傾向にあります。そのため、マイホームを購入したものの、実際に住み始めてから途方に暮れてしまうという事態が発生するのです。
特に、マイホームの購入にローンを組んでいる場合は簡単に引っ越すことも難しいでしょう。いっそ売却してしまうにしろ、ローンが残っていたり、環境的瑕疵のある不動産を売るのは簡単ではありません。
マイホームを購入する際は、環境的瑕疵の存在を念頭に置いて購入を検討しなければなりません。
環境的瑕疵の存在を見抜くにはどうすればいいの?
環境的瑕疵は、購入前にすべてが説明されるとは限りません。なぜなら、環境的瑕疵については個人の主観による部分もあるからです。
実際、景観に関して「分譲時の眺望は保証されておらず、本質的に不可欠な経済価値を担っていたとはいえない」として、損害賠償の請求が認められなかった事例もあります。
また、航空機の騒音が激しく、住宅防音工事対象区域に指定されていた住宅を購入した際には、その旨の説明がなかったことを原因に争われた事例においても「買主が事前調査で気づくべきである」と判断された事例もあります。
つまり、環境的瑕疵に対しては、自らその存在を見抜くことが重要なのです。事前に環境的瑕疵を見抜くためのチェックポイントは下記の通りです。
- ✓周囲にどのような人が住んでいるか
- ✓周辺に存在する施設など周辺環境
- ✓今後環境がどの程度変化していくことが予想されるか
- ✓災害などが起こりやすいか、また災害が起こった場合はどのような状況が想定されるか
- ✓自身がその物件を購入する理由は何か
上記のような点について、懸念事項となるようなことはないか確認するとともに、日や時間を変え現地を何度も訪問してから購入を検討するべきでしょう。
マイホームの購入は環境的瑕疵にも注意すべき
環境的瑕疵は気づきにくく、かつ、法的責任を追及することが難しい瑕疵でもあります。
せっかく購入したマイホームが環境的瑕疵という思わぬトラブルで台無しになってしまわないよう、販売者からの聞き取りはもちろん、日や時間を変えて何度も訪問し、実際に調査してから購入を検討するようにしましょう。
[出典]
一般財団法人 不動産適正取引推進機構 「RETIO判例検索システム 売買に関する紛争(2) 瑕疵・その他 周辺環境」
一般財団法人 不動産適正取引推進機構「第14章 環境瑕疵に関する紛争」
執筆者:柘植輝
行政書士
関連記事
「相談」新築10年超えたら、住宅瑕疵担保責任保険どうしたらいいの?
買った商品や建物に欠陥が見つかったら? 民法改正のポイント ~瑕疵(かし)担保責任~
マイホームを購入したら前の持ち主が老衰で自然死していた! これって告知義務違反にならないの? 宅建士保有者が実例をもとに解説
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「前の住人が亡くなった部屋」でも知らされない場合がある…不動産鑑定士が明かす「事故物件」の意外な常識
プレジデントオンライン / 2024年7月19日 9時15分
-
「マンション購入」で失敗したくない! 不動産のプロが教える、購入前に絶対確認するべき「8つのポイント」
オトナンサー / 2024年7月16日 9時10分
-
相続した親の家「価値を高めてから」売る方法 「建物の価値はゼロ」と決めつけていませんか?
東洋経済オンライン / 2024年7月13日 17時0分
-
物件の“真価”を決めるのは「利便性」だけではない…不動産投資の成否を左右する「地歴」とは【不動産投資のプロが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月4日 7時45分
-
外壁塗装をしている隣家の「ペンキ」がうちの車についた…!もめたくはないのですが、どう対処すればいいですか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月26日 6時30分
ランキング
-
1物議醸す「ダイドー株売却」の内幕を丸木氏語る 大幅増配公表直後で批判を向けられた物言う株主
東洋経済オンライン / 2024年7月19日 18時0分
-
2「みんなの意見は正しい」はウソである…ダメな会社がやめられない「残念な会議」のシンプルな共通点
プレジデントオンライン / 2024年7月20日 16時15分
-
3システム障害、影響続く=航空便、正常化に数日
時事通信 / 2024年7月20日 9時40分
-
4AI利用で6割が「脅威感じる」 規則・体制整備に遅れも
共同通信 / 2024年7月20日 16時50分
-
5セキュリティーソフト世界シェア1位があだ…ウィンドウズ障害、「過去最大規模」の見方も
読売新聞 / 2024年7月20日 6時45分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)