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「老後資金は運用しながら取り崩したほうがいい」って聞くけど、実際どうすればいいの?

ファイナンシャルフィールド / 2020年7月27日 23時0分

「老後資金は運用しながら取り崩したほうがいい」って聞くけど、実際どうすればいいの?

現役時代に準備した老後資金。寿命が長くなった今、“ただ取り崩していたらすぐに底を尽きますので、運用しながら取り崩す時代になりました”と言われていますが、実際にはどうしたらいいの? について考えます。

老後資金をイメージしよう

“老後にどれくらいの資金が必要か?”が議論される一方で、「人によって暮らし方はさまざまなので、あまり意味はない」「自分の寿命が分からないので計算できない」という意見もあります。
 
でもザックリの試算もしないで放置していると、かえって不安になるものです。参考値を知るために、シニア夫婦世帯の1ヶ月の収支状況を見てみます。
 
生活保険文化センター「令和元年度 生活保障に関する調査」によると、老後の生活費の平均は、ゆとりある生活の場合36.1万円/月 最低日常生活は22.1万円/月となっています(※1)。
 
それに対して年金収入は、22万円/月。これは平均的な収入(平均標準報酬43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金額(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)です(※2)。
 
あくまでデータ上ですが、ゆとりある生活を営むためには14万円以上の取り崩しが必要。年金だけでは、最低限の日常生活をするにもギリギリの金額です。
 
そこで老後資金として貯めた預貯金の出番です。例えば2000万円の資金を毎月14万円ずつ取り崩すと約12年、65歳から始めると77歳で底をついてしまいます。
 
これではいけない、となって(1)頑張って老後資金を2000万円→3000万円に増やす、(2)取り崩す金額を14万円→10万円の解決策を講じることになります。
 
冒頭の「老後資金を運用しながら取り崩す」は3番目の方法となります。2000万円÷14万円÷12ヶ月=12年の式では、運用はしていません。もし4%の運用をしながら同様に取り崩したら、底をつく時期を約5年延ばすことができます。

取り崩し方法を考える

「運用しながら取り崩す」にふさわしいのは、投資信託です。実は取り崩しには、おなじみの「定額」以外に「定率」「定口」の方法があります。それぞれの特徴を比べてみます。

<定額>

受け取る金額は、自分の決めた金額で定額なので毎月の予算を立てやすいというメリットがあります。
 
資産形成の場合は毎月定額を積み立てることでドルコスト平均法を生かすことができました。基準価格が安い時は多い口数を買い、高い時には購入口数を減らしますので平均購入価額を下げる効果を享受できたのです。
 
ですが、取り崩す場合は、これが逆に働いてしまします。基準価額が安い時期が続いてしまうと取り崩す口数が多くなるので、想定よりも早期に資産がなくなってしまう恐れがあります。

<定率>

保有資産に対し、自分の決めた解約率を乗じた金額を受け取ります。運用成績により保有資産の残高は決まりますので、その金額は定額ではありません。
 
資産寿命を延ばすメリットがありますが、保有資産の減少に従い受け取る金額が少なくなりますので、必要な収入に不足する心配があります。三井住友DSアセットマネジメントのサイトで、定額と定率の比較シミュレーションができますので、お試しされると分かりやすいです(※3)。

<定口>

保有総口数に対し、一定期間の解約口数を指定します。口数に応じた金額を受け取ります。相場によって受け取る金額は変動します。
 
期間を指定しますので、取り崩し期間は決まっているため予定は立てやすいです。つまり定額のように想定よりも早期に資産が底をつく心配はないですが、定率のように資産寿命を延ばすこともありません。
 
以上3つの取り崩し方法を見てきましたが、それぞれに一長一短があります。毎月決まった金額を受け取ることを優先するなら定額が安心です。
 
「この資金はレジャーや交際費に充てる費用なので多少のブレがあっても構わない」のなら、定率や定口が選択肢かもしれません。
 
またブレ(リスク)の少ない商品を選ぶことで、定率や定口の不安定さは、ある程度回避できるはずです。取り崩し方は1つではなく、自分に合ったものを選ぶことも大切だと思います。
 
(※1)生命保険文化センター「「令和元年度 生活保障に関する調査(速報版)」まとまる」
(※2)日本年金機構「令和2年4月分からの年金額等について」
(※3)三井住友DSアセットマネジメント「人生100年時代の資産設計」
 
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

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