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好立地なのに安いからと飛びつくのは危険。定期借地権付きマンションの購入時に気を付けたいポイント

ファイナンシャルフィールド / 2020年7月30日 10時0分

好立地なのに安いからと飛びつくのは危険。定期借地権付きマンションの購入時に気を付けたいポイント

設備よし、立地よし、価格も安い、と三拍子そろったマンションの条件を確認したら「定期借地権」の文字が。この定期借地権という言葉の意味はいったいどのようなものなのでしょうか?   定期借地権付きマンションの購入を検討する際に気を付けたいポイントを解説します。

定期借地権とは

まずは定期借地権という言葉について解説します。定期借地権とは、建物の所有を目的として一定の期間土地を借りることができるという権利です。定期借地権は、特約によって契約の更新をしないことが認められています(借地借家法22条)。
 
実際、マンションの敷地として利用される定期借地権は、契約期間の満了後にマンションを取り壊して土地を返還することになっているものが多いです。土地の部分が定期借地権敷地であると、土地の権利価格が安くなり、かつ、固定資産税の負担も不要であるなどのメリットがあります。
 
その反面、いずれマンションから出ていかなければならないというデメリットもあります。なお、今回は一般の定期借地権を前提に解説します。

定期借地権付きマンションの注意点(1)いずれマンションから退去しなければならない

定期借地権付きマンションは、敷地部分が所有権ではなく、定期借地権です。定期借地権の期限が満了すれば、マンションの敷地となっている土地を更地にして返還しなければなりません。
 
つまり、購入したマンションはいずれ取り壊される運命になるのです。この場合、当然、子や孫に相続財産としてマイホームを残すことができませんし、退去後に住む場所も見つけなければなりません。
 
マンションによっては解体費用を積み立てていることもあります。

定期借地権付きマンションの注意点(2)売却が面倒

定期借地権付きマンションを売却するには、借地権部分の土地を所有している地主さんの承諾が必要になります。せっかくマンションを買っても自由に売却することができないのです。
 
さらに、借地権部分の残り期間が短くなってきていると、買い手が見つからず、事実上売却が不可能に近い状況に陥ることもあります。

定期借地権付きマンションの注意点(3)住宅ローンが組みづらい

一般的に定期借地権付きマンションは、ローンの担保としての価値が低いと判断される傾向にあります。住宅ローンを組んで定期借地権付きマンションを購入しようと考えていても、通常の住宅ローンでは審査に通らないこともあります。
 
ただし、最近では定期借地権付きマンション向けの住宅ローンも出てきており、それを利用することでローンを組むことができます。

定期借地権付きマンションを購入してもよい人はどんな人?

同じ場所に長く住み続けたい、子どもに財産を残したい、というような場合は、定期借地権付きマンションの購入に不向きといえます。
 
逆に、費用を安く抑えたい、相続財産としてマンションを残すつもりはない、最終的には地元に帰るつもりである、というような場合には、定期借地権付きマンションが向いているといえます。
 
いずれにせよ、定期借地権付きマンションは、一般のマンションとは異なるということを理解したうえで購入することが重要でしょう。

定期借地権付きマンションはちょっと特殊なマンションです

定期借地権付きマンションは、同じ条件のマンションに比べて価格が安いといったメリットがある反面、将来的に退去することが前提であるなど大きなデメリットもあります。
 
条件次第では少ない費用で好条件のマンションに住むことができるのですが、デメリットを軽視してしまうと後悔する結果にもなりかねません。
 
マイホームとして定期借地権付きマンションの購入を考えているのであれば、メリットとデメリットを十分理解したうえで販売業者とも相談し、購入するべきだという結論に至った場合にのみ購入するとよいでしょう。
 
[出典]※電子政府の総合窓口e-Gov「借地借家法 第四節 定期借地権等」
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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