新型コロナウイルスの外出自粛 支出はどのくらい減った? 増えた?
ファイナンシャルフィールド / 2020年7月31日 12時30分
2020年4月に緊急事態宣言が発令されて以降、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために仕事がテレワークとなったり、学校や保育園が臨時休業になるなど、私たちの生活は大きな影響を受けています。 緊急事態宣言は5月に全国で解除となりましたが、自粛要請により皆さんが外出を控えた4月について、家計の状況はどのように変化したのでしょうか。 今回は外出自粛期間中のお金の流れを確認してみましょう。
支出額はどう減った? どう増えた?
まずは、家計の状況がどのように変化したかを見ていきます。総務省が発表した家計調査報告(※)によると、2020年4月の2人以上世帯の消費支出は、1世帯あたり26万7922円となっています。前年の4月に比べると実質11.1%の減少となり、7ヶ月連続で実質減少しています。
次に、どのような費目について特に出費が減ったのか、または増えたのかを確認しておきましょう。前年の4月と比較して、増減率は以下のとおりとなっています。
消費支出の内訳(2020年4月)
食料 :7万3919円(前年同月-6.6%)
住居 :1万6642円(前年同月9%)
光熱・水道 :2万4734円(前年同月7.4%)
家具・家事用品:9705円(前年同月-1.2%)
被服及び履物 :5199円(前年同月-55.4%)
保健医療 :1万2894円(前年同月-2.8%)
交通・通信 :3万9111円(前年同月-8.1%)
教育 :1万9278円(前年同月-2.8%)
教養娯楽 :2万1123円(前年同月-33.9%)
この結果から、前年に比べて大幅に減少したのは「被服及び履物」と「教養娯楽」費用であることが分かります。週末など外に遊びに出かけないため、洋服や靴などを新しく買ったり、オシャレをする機会が減ったことが影響していると考えられます。
さらに、4月は休業への協力要請や外出自粛の影響から多くの飲食店が閉まっていたため、外食が減り、食費も減少していることが分かります。電車など、公共交通機関を使っての移動が減ったことで交通・通信費も減りました。
一方で、家にいる時間が長かったことから、4月は光熱費や水道代がアップしたと考えられます。新型コロナウイルスによる外出自粛により、私たちのお金の使い方も例年とは大きく異なったという状況が分かりますね。
費目ごとの出費をチェック!
では、皆さんのご家庭において今年の4月は、どの費目にいくらお金を使ったか、すぐに答えられるでしょうか。いくら使ったか分からないという場合は、ぜひこの機会に日頃からお金の使い方をチェックすることを意識してみましょう。
几帳面に家計簿をつける余裕がないという方は、スマートフォンの家計簿アプリを使うと良いでしょう。買い物をしたその場で、すぐに入力する習慣をつけてしまえば時間は掛からず、大きな負担にはなりません。先ほどご紹介した平均の消費支出と自分の支出額を比較することで、節約できている項目や無駄使いしてしまっているポイントが明確になりますね。
今後も続けられる節約は?
家計簿をつける習慣がついてきたら、今後も続けることができる節約項目はないか確認していきましょう。
例えば4月以降、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、自宅でお酒を飲みながらネットを介して友人や会社の人と談話するリモート飲み会が普及しました。実際に対面で会話した方が、より親密な仲を築くことができますが、感染を防ぐという観点から密室空間での飲み会は引き続き避けた方が良いでしょう。そして、リモート飲み会は外食費の節約にもなります。今後も、ぜひ続けていきたい節約ポイントの1つですね。
洋服についても、お金の使い方を見直していきましょう。先ほどの家計調査によると、「被服及び履物」のうち、特に「婦人服」の項目が消費支出の実質減少に寄与していることが分かりました。
女性はオシャレが好きな方が多いので、服や靴などファッションにお金を使います。もちろん、自分の生活の楽しみのために好きな服を買うのは良いのですが、外出自粛期間中は買い物をしなくても済ますことができたという状況を考えると、普段、もしかすると無駄な買い物をしていることがあるかもしれません。
今後は、自分の手持ちのワードローブをよく見直して、着まわせる服はないか、本当にその買い物は必要なのかを考えてから購入するようにしてみてはいかがでしょうか。
新型コロナウイルスにより、特に今年の4月頃から、私たちのお金の使い方が大きく変化しています。
家計簿アプリを使って支出状況を把握する、そして続けられる節約ポイントはないか考えるという2点に注目すると、よりお金が貯まりやすい家計になりますよ。今回ご紹介した内容を参考にしながら、「コロナによる外出自粛の経験を生かした家計術」を考えてみてはいかがでしょうか。
参考
(※)総務省統計局 「家計調査報告 -2020年(令和2年)4月分-」
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
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